( '17~)仕事(薬局)

ロキソニンSプレミアムの効果

 
  市販薬の話。
 
 最近、OTCにかかわる事も多くなったので気になったこと。
そう、ロキソニンSプレミアムだ。
 
 ロキソニンSプレミアム自体は、昨年から発売されている。
記事を書いた気になっていたけど、どうやら書いてないみたい。
 
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 ものすごく大雑把に説明すると、
ロキソニンSプレミアムは、ロキソニンSをさらに頭痛に特化してる感じ。
ただし、眠くなりやすい成分が入っている。
 
 ロキソニンSは眠くなりにくいことがメリットだったのにね。
まぁ、それはまだいいだろう。メリットとデメリットのバランスが取れてる。
 
 問題は値段。プレミアムだけあってお高い。
 
ロキソニンSは12錠で648円(税別)
ロキソニンSプラスは、12錠で698円(税別)
Sプレミアムは12錠で698円(税別)
 
 あれ、Sプラスと同じ値段なの?
ところが、プレミアムは1回2錠服用する。
つまり、12回分と考えると24錠入りの値段と比べるのが正しい
(この辺も、ちょっとセコイ)
 
Sプレミアム24錠で、1180円(税別)
 さすが「プレミアム」を名乗るだけのことはある値段設定だ。(苦笑)
 
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 まぁ、この程度なら書くほどのことはないかな、と。
値段高い方が効く気がするって人はいる。
プラセボ効果は、値段に比例するのだ。w
(後発品の効果が悪い理由でもあるかも)
 
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 ところが、だ。このロキソニンSプレミアム。
ロキソニンSシリーズ全体としてみると、さらに強い「効果」がある。
普通に売り場に並べるとこうなる。
 
 (医療用と同成分!)ロキソニンS12錠       648円
 (胃にやさしい!)ロキソニンSプラス12錠     698円
(最強のロキソニン)ロキソニンSプレミアム12錠 698円
                ロキソニンSプレミアム24錠 1180円
 
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 コスパ考えると、ロキソニンS一択である。
というか、他メーカーのプライベートブランドが最強になる。
 
一番のクソが、ロキソニンSプラスである。
これは、多くの薬剤師が叩きまくった実績がある。
 
「ロキソニンSプラスは胃にやさしい?」(2015.7.30)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-5c80.html
プレミアムは、まぁ、希望するならどうぞ、という感じなのだが……。
 
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 こうやって並べると、一番のクソのロキソニンSプラスが売れる。
「松竹梅の法則」ってやつだな。
 
 とりあえず、ググって一番上にくるサイトにリンクしておく。
 
【松竹梅の法則】買い物で真ん中を選ぶ心理「極端の回避性」の利用法
https://swingroot.com/extreme-avoidance
 
 ようは、3つ並べると、真ん中選んじゃうことが多くなるという話。
ロキソニンSとロキソニンSプラスだけなら、Sプラスはほとんど売れないが、
もう一つ高いプレミアムが発売されると……
一番安いロキソニンSじゃなくて、真ん中のSプラスがよく売れるようになるのだ。
 
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 個人的には、一番売りたくない商品である「ロキソニンSプラス」
でも、指名買いで来られるとなぁ……。
いや、その商品クソっすよ」って言いたくてしょうがない。w
  言っちゃってもいいような気もするけれども。
でも、プラセボ効果もバカにならないからなぁ。
 
 とりあえず、「胃にやさしい」って言っておけば、
胃薬成分が例え酸化マグネシウム33mgだろうが、
勝手に「胃にやさしく」感じてくれる。プラセボ効果なめんな。
 
 でも、メーカー的には一番お得だよねぇ。
Sプレミアムも、ある程度のメリットはあるから全く売れない訳ではないし。
(もっとも、鎮痛補助成分なんかより、「プレミアム」の名前による
 プラセボ効果の方がよっぽど高い気がするが。)
 
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 メーカーは利益を出すためなら何でもする。
もう、マーケティングの上手さの唸るしかないね。
 
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「この人の売る薬はなんでも効く」という薬剤師がいる。
どんな薬だろうが、その薬剤師が売れば魔法の薬になるのだ。
もはや、薬剤師というより呪術師に近いような気もするが、
それで、みんながハッピーならそれでいいんだろうか??
 
 私には絶対使いこなせないけど。<呪術
 

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パイロンPL配合顆粒とPL配合顆粒

 
 医科向けの総合感冒薬といえば、
圧倒的に「PL配合顆粒」じゃないかと思う。
 
 症状に合わせて薬を変える医師なら、
あんまり使わないかも知れないけれども。
(事実、私の勤務先ではほとんど使わない)
 とりあえず風邪薬、という感じならば、
PL出しておけば、っていう医師も多いと思う。
 
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 で、つい最近、これがスイッチOTCされた。
今まで市販されてなかったのが不思議なんだが。
「パイロンPL配合顆粒」
シオノギから発売されている。
http://www.shionogi-hc.co.jp/pylon-pl-karyu/
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 医療用との違いだけれども、
一包が、医療用1gに対して、OTCでは0.8gになっている。
よって、成分もすべて5分の4だ。
少し弱くされていると思って間違いない。
 
 あと、用法も(一応)変更されている。
1日3回毎食後、だ。
 
.
 
 ほとんどの人は知らないだろうけど、
医科向けのPL配合顆粒って、添付文書上では、
1日4回経口投与」である。
 
 ひょっとしたら、医師ですら知らない人いるかもね。
ほとんどの医師は、1日3回毎食後で処方するし。w
 この辺は減量というよりも、
実際の処方の実情に合わせただけじゃないかと。(苦笑)
 
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 医科向けのPL配合顆粒が、体によくあっている人なら、
OTCという選択肢もあるよってことかな。
 
 使用上の注意としては、特に眠気に注意
このPL配合顆粒、人によってはトンデモなく眠くなる人がいる。
睡眠薬のかわりに服用するって人もいるくらい。って昔書いた気がするな。

あったあった。
 
「PL配合顆粒 1g 分1 寝る前」(2012.11.12)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/pl-2b0e.html
 薬学的には、代謝酵素の関係で。
自分の書いた記事もヒットしたけど、
お医者さんのブログも引っかかったので、リンクはっておく。
 
「CYP2D6からPL顆粒を考える その2」(野口内科BOLG)
http://jushinkai.doorblog.jp/archives/36321384.html
.
 
 さて、問題はお値段である。
 
12包で1350円。
風邪薬で4桁いくと、かなり高いイメージ。
しかもこれ、4日分だよね……。(汗)
 
1包0.8gで計算すると、140.625円/g
医療用の薬価は、6.4円/g
 
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 薬価の20倍以上。www

 いや、医療用から一般向けに切り替わって高くなるのはよくあるけど、
20倍以上ってのはなかなかないよ。びっくりした。w
 
 こういうのって、原価で考えちゃダメなんだよね。
原価はタダ同然のものを、いかにして高く売るか。
それが商売ってもんだから。(苦笑)
 
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 うーん、私なら何かのついでに(風邪気味の時に)
医師にPL処方お願いするかなぁ。(苦笑)

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もうジェネリック発売なの?

 仕事の話。
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 今月、新たにいくつかのジェネリック医薬品が発売される。
9月に発売されるのは、オーソライズドジェネリックで、
オルメサルタンとロスバスタチン。めちゃくちゃデカい。
 
 オーソライズドジェネリックについては、今月中にちゃんと書く(予定)
.
 
 今日のテーマは、「ジェネリックが発売されるタイミング」について。
先発品発売から、ジェネリック発売までの期間って、薬によって異なる。

「あれ、この薬はまだジェネリック出てないの?」とか、逆に
「え、この薬はもうジェネリック出るの?」と感じることもあるだろう。
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 今年の冬に発売されるジェネリック医薬品も、
ぼちぼち、製造承認が下りている。
実際に発売されるかどうかは、不明だけど。(延期することもあるし)
 
 その中で気になったのは、フェノフィブラートと、ファムシクロビルだ。
 
フェノフィブラート。今は先発品で「リピディル」と「トライコア」があるが、
この成分の薬、大元は「リパンチル」という薬。
発売されたのは、1999年である。
 18年も前の話になるのか。
 
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 一方で、ファムシクロビル。先発品は「ファムビル」なんだけど、
これの発売は2008年の話。
ってことは、まだ10年も経ってないのに、もうジェネリックが出るのか。
 
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 先発品の発売から、ジェネリック医薬品が発売されるまでの期間は、
薬によってマチマチである。
10年も経ってないのにジェネリックが出る薬もあれば、
20年近くたってもジェネリックが出ない薬もある。
 
 例えば、クロピドグレル(先発:プラビックス)は、早かった。
先発品の発売が2006年。後発品の発売が2015年。たったの9年
 
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 一方、ベポタスチン(先発:タリオン)は遅い。
発売されたのは2000年。17年前か。まだ、後発品は発売されてない。
 
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 なんでこんなに差があるか、というと、特許の問題になる。
 基本的に、物質特許が25年あるんだけど、
製品開発の、どの段階でこの特許を取得するかによって、
先発品発売から、ジェネリック発売までの期間が変わる。
 
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 というか、物質特許とってから25年、というのが基本。
でも、物質特許とって、すぐに発売できる訳ではない。(当たり前)
特許とってから、開発、治験を進めて、承認が下りて……、と時間がかかる。
 
 特許とって5年くらいで発売できれば、特許期間は20年残ってるはず
でも、特許とってから発売までに15年かかってしまえば、どうなる?
残っている期間は10年ということになる。
 
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 じゃぁ、物質特許を取るのを、限界まで遅らせればいいんじゃないか?
これはもちろん、その通りなんだけど、
特許申請を遅らせて、万一、他社に先に特許とられたら目も当てられない。w
 
 理想を言うと、他社に先駆けられないギリギリを狙うのがいいんだろうが、
これやるとリスクも高いだろうなぁ。(苦笑)
 
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 先発品の発売から、ジェネリック発売までの期間がまちまちなのは、
おもに、この物質特許取得の時期による。
 
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 ただ、他のケースもある。
調べてないけど、多分、フェノフィブラートは物質特許の問題じゃないだろう。
特許の種類はほかにも色々ある。
用法特許とか、製剤特許とか。
こういうのを、「後から」付け加えていって特許を守ってるんだ。
 
 フェノフィブラートの場合は、
1999年に、リパンチルカプセルが発売されている。
 
これが、2005年に「リピディルカプセル」にかわる。
ここで、なぜか規格が変わる。製剤の改良により、
より少ない量で効果が出るようになったので。
 今までの150mgが、新しいカプセルでは100mgでよくなった。
 
.
 
 さらに2011年。錠剤が発売される。
ここでも技術改良により、また規格が小さくなった。
カプセルの100mgが、錠剤では80mgでよい、と。
 
 ってか、この改良のタイミングは、計画的なものだろう。
いかにして、フェノフィブラートのジェネリック発売を遅らせるか、
という戦略がうまくハマった結果だろう。
 
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 企業も生き残るためには、なりふり構っていられない。
利益を最大にするために、(合法的に)できることは何でもする。
 
 うまく特許を伸ばせる薬もあるけど、
すべて薬が、そうそううまく伸ばせる訳ではないので、
結果としてジェネリックの発売時期がバラける、という訳だ。
 
 
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アセトアミノフェン、中国産で水増し

 ニュースより。

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 風邪薬によく使われている「アセトアミノフェン」という成分があるが、
そのアセトアミノフェンの原薬を作っている山本化学工業が、
自社で作っているアセトアミノフェンに、安価な中国産を無届けで混ぜて
水増しして出荷していた、と報道された。

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「風邪薬成分、安価な中国産で水増し」
http://www.asahi.com/articles/ASK6P5J2ZK6PUTIL02W.html

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 報道によると、アセトアミノフェンの国内シェア8割らしい。
市販の総合感冒薬には、たいていアセトアミノフェン入ってるし、
医療用でもよく使われている。

 これ、回収とかなったらとんでもない騒ぎになるんだけれども、
今のところそういう動きはなさそうだ。

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 医療用メーカーでアセトアミノフェンを使用しているメーカーが、
この会社の原薬を使っているのか、今後の対応を表明している。

「カロナール」販売しているあゆみ製薬。

http://www.ayumi-pharma.com/pdf/news_170622.pdf

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 カロナール錠に関しては、山本化学の原薬は使用していない。
ただ、細粒、坐剤で、山本化学の原薬を使用している。

 ただ、受け入りの品質検査で問題ないことを確認しているし、
当局からも回収等の指示はなく、在庫を使っても差し支えないとの
指導を受けている。

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 とのことだ。

つぎに、医療用の総合感冒薬、トップシェアである
PL配合顆粒を販売している、塩野義製薬

https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=394326402fda1fc1b00b4f8dfd00a776

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 こっちも似たようなもの。PLもSGも、問題のアセトアミノフェンを使っているが、
原薬の品質を確認しているので、安全性に問題はない。
厚生労働省より、これまでどおり使用して問題ないことも示されている。

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 うん、大した騒ぎにはならなさそうだ。よかった。

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 もちろん、無許可でこんなことをやった山本化学工業には、
当然、行政処分が待っている。
ただ、これだけの国内シェアがあると簡単には潰せないかもね。

 取引先である製薬企業が品質試験しても問題なかったのに、
どうしてこれが発覚したのだろう??

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 ……内部告発、くらいしか考えつかないな。(苦笑)

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 市販の風邪薬はどうするだろうか?
医療用で回収しない以上、市販薬でも同じと思うけど。

 その割には、初期報道が大きかったのでびっくりした。

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 どうもね、みんな「中国産」という言葉に敏感に反応しすぎだろう。(苦笑)

 この程度の化学物質なら、どこで作ったものであっても大差ない。
だって、構造式は確定している訳だし、あとは純度、不純物の問題だけど、
ほとんどないだろうしねぇ……。

 どこで作ったものでも、同じ化学式のものなら同じものだ。

 アセトアミノフェンくらいだと、薬というよりも「物質」に近い。
例えば、中国産の「金」(Gold、Au)があったとして、
純度100%とした場合、他の国の金より価値が下がると思う?

 たぶん、そういう話に近いんだろう。

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 まぁ、万が一にも全回収とかなると、
市場から風邪薬が消滅しかねないので(苦笑)
その辺のバランスも考えたのかも知れない。

 なくなっても困らないものだったら、回収したかもね。(汗)

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「ロートジー」×「ドラクエ」コラボ

 ロート製薬の目薬、ロートジーが、発売30周年を記念して、
同じく発売30周年のドラゴンクエストと限定コラボ商品を出している。

http://www.rohto.co.jp/news/release/2017/0518_01/

 スライム型目薬。
先月末から販売されている。
ついさっき、初めてテレビCMを見た。

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 れっきとした医薬品が、ゲームとコラボって珍しいんじゃないだろうか。
他にも例があるのかな?

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 ちなみに、このスライム目薬なんだけど、どこに行っても品切れしてる。w
まだまだ追加で納品あるのかなぁ?(苦笑)

 ってか、このタイミングでテレビCMうつんだからないと困るんだが。

 もっと販売スペースを取るべきなのかな?でも、たかが目薬で
そんなにスペースさけない、、と思うんだけど、
そう思っている時点で、すでに負けているのかも知れない。

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 やっぱり、ドラクエの力はすごいってことだろうか。
スライムの「かいしんのいちげき」ってしょぼくないのかなぁ?とか
考えてしまったんだけど。w
(清涼感はマヒャド級という表現もあり、実際はかなり刺激が強いようだ。)

 ちょっと予想外のヒット商品になりそうだ。
他にも、似たようなのがでてくるかもね。
ドラクエといえばスライムだけど、FFなら、なんだろう。エリクサー?w
ひたすら容器の高級感にお金突っ込んだ栄養ドリンク剤「エリクサー」とか。

 医薬品としてはどうかと思うけど、商売としては十分にアリだろうな。

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薬剤師国家試験、合格率は71.58%。これが「適正」なのか。

 今日、第102回の薬剤師国家試験の合格発表が行われた。

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 今年の合格率は、71.58%。
受験者総数13243人中、合格者は9479人。

 昨年は合格率76.85%。合格者は11488人だったから、
合格率で5%下がり、合格者は2000名減ったことになる。

 問題は、ぱらっと目を通したが、昨年よりは難しく感じた。
というか、私の実力が落ちてるのでどんどん難しく感じるのだが。(苦笑)

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 今回、気になったのは、合格基準の変更だ。
1問2点、682点満点で、434点以上を合格とした。
得点率にして、63.63%。

 出題ミスにより解なしになった4問があるので、満点が下がっているが、
仮にその4問を全員正解として採点したとすると、442点/690点で、
得点率は64.06%。わかりやすく書くと、221/345問で合格。

 もともとの合格基準は、得点率65%以上だったはず。
ただ、昨年から難易度に合わせて合格基準が変動することになっていた。
昨年は簡単すぎたので、調整は行われなかったんだけど。。

 廃問の扱いがどうなってるのか、過去の記憶にないんだけれども。(苦笑)

 おそらくは、わずかに合格基準が下げられている。

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 薬剤師国家試験の合格基準が変わるらしい(2015.10.8)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-38a8.html

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 で書いた、平均点や標準偏差による補正が入ったってことだな。

つまり、今回の合格者数や、合格率が、国にとって「適正」
考えられているということだ。

 これは、今後の参考になると思う。
もっとも、昨年の合格者数が多すぎたので、今年は少し絞ったのかも。
その辺、薬剤師の需要と供給のバランスもあるから完全には読み切れないが、

 今のところ、「どんなに試験が難しくても合格率70%は保証される」と
考えてよさそうだ。

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 さて、大学別合格率について。
昨年に続いていわき明星大学が合格率96.72%でトップ。
これは、既卒と新卒を合わせた数字。

 新卒だけなら、国立の大学で合格率100%を達成した学校が複数ある。

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 新卒の合格率が84.33%。6年制既卒の合格率が50.72%。
昨年は新卒が86.24%、既卒が67.92%だった。

 新卒は2%下がっただけだが、既卒が大きく合格率を落としている。
全体の合格率が下がったのは、既卒組が足を引っ張ったからだね。

 あ、既卒=昨年国試落ちた人、という意味でほぼあってると思う。

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 そりゃ、簡単だった昨年の問題で落ちちゃった人なら、
より難しくなった今年の問題で苦戦したのは仕方ないよね……。

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 さて、もう一つの傾向として、
出願者数と受験者数の乖離について。

 今年は例年に比べると、出願して受験していない人が少ない。

 合格発表の資料で出願者数がオープンになっている時点で、
出願後、受験者数を絞って合格率を上げる小細工は、
あまり意味をなさなくなっている、ということだろう。

 例えば、日本大学。
新卒197人出願の197人受験。合格者163人で、合格率82.74%だった。
昨年は、というと218人出願の140人受験。合格者136人で合格率97.14%

 合格率は、昨年の方が圧倒的に高いけれども、
合格者数は今年の方が多いよね。

 まぁ、これが本来あるべき姿なんだろう。

 ただ、まだまだ出願後に受験しない割合の多いところもある。
第一薬科大学(出願80、受験48、合格45、合格率93.75%)とか、
日本薬科大学(出願90、受験54、合格41、合格率94.44%)とか

横浜薬科大学みたいに、出願者全員受験できている学校もあるのにね。w

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 新卒合格率最下位は、41.57%で奥羽大学。ここはやばいね。
出願111人、受験89人、合格37人。恐ろしいことになっている。

 50%ない大学は存在価値が危ぶまれるんじゃないかと……。

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 ただ、合格してしまえばもう学校は関係ない
実際、私の周りにもそうやって苦労して何度も国家試験に落ちた末に
やっと合格できて、薬剤師になった子は何人もいるけど、

 みんな、いい薬剤師になってるよ。

 確かに、学力はやや劣るかも知れないけれども、
コミュニケーション能力は、学力と関係ないから。
学力バカに近い私よりも、よっぽどいい薬剤師だと思う。

 苦労した末に合格した薬剤師達こそ、
のびのびと活躍できるのかもしれない。

 
 

 

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オゼックス細粒小児用がマイコプラズマの適応追加

 仕事の話。

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 タイトル通りなんだけど。

 ニューキノロン系で小児にも使える抗菌薬、
オゼックス細粒小児用。

 本年、3月2日付で、適応菌種に「肺炎マイコプラズマ」を追加した。

https://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/170302.html

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 これ、かなり昔に書いた記憶がある。
調べてみると、5年以上前だね。

「マイコプラズマ肺炎にオゼックス細粒?」(2011.12.13)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-40a8.html

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 この時の内容は、
マクロライド系に耐性を持っているマイコプラズマが増えている、と。
で、マクロライド耐性のマイコプラズマに対して、オゼックス細粒が使われている
例があるようだ、という話。

 で、オゼックス細粒はマイコプラズマに効果はあるだろうけれども、
厳密には保険適応もってないよね?という話にしてあった。

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 あれから5年以上経過したけれども、ようやく適応追加されました。

これで、マイコプラズマに対して堂々とオゼックス処方できます。
もっとも、今までもこっそり処方していたと思うんだが。(苦笑)

 ようやく、「規制」が「現実」に追いついた、と。

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堺市立総合医療センターの対応

あまり(というか、ほとんど)処方箋を受けることはないんだけれども、
一度、書籍を紹介したことのある、堺市立総合医療センター。

「気になる病気と治療のお話」(2016.11.16)
http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-ffad.html

 地域の基幹病院。三次救急医療機関。
この堺市立総合医療センターが、4月から疑義照会の対応を変える。

http://www.sakai-city-hospital.jp/information/?p=5220

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 内容を簡潔にまとめると、
保険薬局からの疑義照会で、患者さんの同意があれば
通常の疑義照会ではなく、病院への事後報告だけでよい項目が規定された。

1.同一成分の銘柄変更(変更不可処方の場合は除く)
2.剤形の変更(変更不可処方の場合は除く)
3.別規格への変更(10mg 2Tを 20mg 1T へ)
4.外用薬の取り決め範囲内の規格変更(5g 2本を 10g 1本)
5.無料で行う一包化調剤
6.無料で行う半錠、粉砕、混合等(有効性や品質が担保できる場合)
7.残薬調整等に伴う処方日数の変更(処方日数または回数の短縮)
8.明らかな用法の間違い変更、追記(食前薬の食後投与指示、外用剤の用法不備)

 一応、保険薬局と合意書を交わす必要があるらしいけど。

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 一応解説しておくと、この病院は一般名処方ができない。(苦笑)
一般名処方できれば、そのそも1の項目はいらんのだけど。w

 細則によると、
1、先発品間のメーカー変更も可能。もちろん、変更可能なら後発品でもOK。

2、剤形の変更は、錠剤から散や、その逆も可能。(患者さんの同意は必要)
  軟膏とクリームは変更不可。(当たり前だ)

3、別規格の変更は、先発品でもOK
  一般名処方だと、先発品の場合は不可だけど。

4、これ、今でも普通にやってる薬局あると思う。(苦笑)

5,6は無料であることがポイント。技術料欲しければ、通常通りに疑義照会
  まぁ、初回は無料でやって、次回患者さんから医師にお願いしてもらう、
  という運用を想定しているのかもね。

7、が一番の目玉だと思う。
  薬局の判断で残薬調節して、それを事後報告でよいという
  ただ、「処方削除」は認められていないようだ。さすがに。

8、は特に外用かな。場所が違うとか、1日用量が書いてないとか。

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 これは、画期的な取り組みだと思う。
もちろん、他の医療機関でも同様のことをやっているところはあると思うけど。

 目的は、医師の手間の削減と、薬局の待ち時間減少
疑義照会でFAXして返事くるのを待つ時間は長いから。

 比較的「どうでもよい疑義照会」を、報告だけで済ませてしまおうということ。
患者さんの同意さえ得られれば、薬局側にかなりの裁量が与えられた。

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 できれば、他の医療機関も同じようにしてほしいなぁ。
とりあえず、近隣の医院に提案してみたい。

 これ、基幹病院でやってくれることに意義があると思う。
よい見本、前例になってくれれば、取り組みが広がっていく可能性が高い。

 まぁ4月からだから、実際にやってみたら、問題が出てくるのかも知れないけど、
今のところ、大した問題があるようには思えないなぁ。

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公費番号25「中国残留邦人等支援法」

 仕事の話。

 健康保険のほかに、医療費を負担してくれる制度は色々ある。
乳幼児医療だったり、障碍者医療だったり、あるいは生活保護だったり。
それぞれに公費番号がついているんだけど、、

 公費25というのは非常に珍しい。
私も今までに一回しか見たことないかな。

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 公費25は、中国残留邦人等支援法に伴う医療の給付。

 ぶっちゃけ、取り扱いはほとんど生活保護と同じ。
(運用で一部違うところはあるけれども。)

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 で、「中国残留邦人」なんだけど、、
これ、若い人は知らない人が多いらしい。。

 確かに、私も学校で教わった記憶は全くないなぁ。(苦笑)
単に、ニュースでよくやってたから知っているだけで。

 私と同世代か、それより上の人であればほとんど知っているんだけど。
若い後輩に聞いてみたら、ほとんど知らなかった。
まぁ確かに、ニュースにもならずに教科書にも書いていなければ、
知っているはずはないか。。

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 私が子どもの頃には、よくニュースになってたんだけどね。
中国残量孤児の一時帰国とか、親族を探すような話とか。

 近いところでは、私の伯母が中国残留邦人になりかけていたらしい。

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 日本語が苦手な方も多いので、
歴史的経緯を知らない後輩は「中国人ですか?」と聞いてきた。

音で聞くとわからんかも知れないけど、文字で書くと明らか。
「邦人」なんだから、れっきとした日本人である。

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 太平洋戦争末期のソ連参戦と関東軍撤退により、
家族とはぐれて日本に帰れなかった人たちのこと。
「中国残留孤児」と言われることの方が多いかな。
 特に、物心つくまえに親と離れてしまった子どもは、
身元がわからないことも多かったらしい。

 戦争中に生まれている方が多いので、だいたい70代前半かな。
もはや「孤児」という年齢ではないね。(汗)

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 日本全国で数千人程度。あまり関わる機会はないかも知れないけれども。
でも、歴史的な事実は知っておいた方がいいかな、と思う。

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クラリチンEX発売

 2月。そろそろ、花粉症の薬が動き出す。

 このシーズン、医療用から新たに市販用(OTC)にスイッチされた薬が、
発売されている。

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 クラリチンEX

http://www.taisho.co.jp/claritin/

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 大正製薬から発売されている。
医療用のクラリチン(成分名:ロラタジン)と同成分、同用量。
今のところ、要指導医薬品の分類になるな。

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 過去の歴史を振り返ってみる。

アレジオン10(2011、秋)
アレグラFX  (2012、秋)
ストナリニZ  (2013、春)

 この辺は、もう要指導医薬品どころか、1類医薬品ですらない。
ストナリニZも第2類に落ちている。
このあたりの薬は、薬剤師の対面販売ですらない。

 で、クラリチンなんだけど。
医療用を知っている私の率直な意見としては、、

 今さら?

なんだけど。(苦笑)

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 もちろん、副作用の少なさという利点はあるけど、
それは、アレグラと大差ないと思うし・・・。
個人的な印象だけど、効果の強さはそれほど感じない

 値段は、今のところ

7錠で1380円。14錠で1980円。

 1日1錠でいけることを考えると、
他のOTC,アレジオン、アレグラなどと大差ない設定。

 ちなみに、現時点での医療用薬価は、1錠86.7円
OTCの方はかなり割高に見える。

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 で、これ売れるのかねぇ?
昨年の夏に日経メディカルの記事で医師の処方頻度の高さを
比べた記事があったけれども、

1位 フェキソフェナジン(アレグラ) 32.7%
2位 エピナスチン(アレジオン)    16.0%
3位 レボセチリジン(ザイザル)   15.3%
4位 オロパタジン(アレロック)    13.0%
5位 ベポタスチン(タリオン)      7.8%

ときて、ロラタジン(クラリチン)は6位の6.2%

 実感としてもそんな感じ。
王者はフェキソフェナジン(アレグラ)で、伸びてるのがレボセチリジン(ザイザル)

 アレロックとタリオンは、まだOTCになっていない。
この辺の方が、クラリチンよりも需要はありそうな気がするが。(苦笑)

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 という訳で、王者であるアレグラがすでに圧倒的シェアを奪い、
規制緩和も進んで第2類医薬品になっているところに、
クラリチンは戦いを挑む訳だ。規制の強い要指導医薬品で。

 しかも値段は大差ないというかアレグラの方が安くないか?(汗)
正直、勝ち目があるように見えないんだけど……。

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 ただ、弱小メーカーが売り出すならともかく、
大正製薬さんだからなぁ。

 そこは営業力で何とかしてしまおう、ということなのかも。

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