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医薬分業その1

 たまには、真面目な話を。

 私は調剤薬局で働いているが、じつはこの業態が伸びてきたのは、
ここ10年ほどのこと。それまでは、薬は病院でもらうものだった。

 ところが、この状態は色々な問題がある。
なので、国が動いて処方箋を発行する形式にかわりつつあるわけだ。

 ただ、この問題点は、患者さんからは非常に見えにくい
なので、医薬分業が進んでいるとは言っても、
まだまだ院内で薬を出すところも多い。
 現行の医薬分業も問題がないわけではないし。
何より、医薬分業により、患者さんの負担は確実に増える
けっこう、反発もあるだろうなぁ。

 なかなか医薬分業が進まなかった背景として、
病院が薬を放したがらなかった、というのがある。
昔は薬価差が大きく、これで十分儲けられたから。

 薬価差というのは、薬の仕入れ値と、売り値の差のこと。
薬の売り値って、主に国が決めているんだが、この差が昔は大きかった。
つまり、薬を出せば出すほど、儲かる仕組みになってたんだな。
 この状態では、院外処方にしたら病院の儲けが減る。
ゆえに、病院側は院内で薬を出す。当たり前。

 医療費を抑えたい国としては、とりあえず薬価から手をつける。
薬価を下げていってこの薬価差を埋めていったわけだ。
そうすると、薬を出すことによる儲けがどんどん少なくなる。

 で、ようやく処方箋の出番になるわけだ。
儲けが少ないんなら、面倒なことは外に薬局に任せてしまえ、と。
まぁ、自然な流れだな。(そういう風に国が誘導したんだが。)


 じゃぁ、院内で薬を出すと何が問題なのか、
なぜ、医薬分業せにゃならんのか、を(気が向いたときに)書いていく。

 まず、第一に、法律の問題がある。
医薬品を調剤して患者さんに出すことができるのは、
原則として薬剤師だけである
 そうすると町の医院さんなんかは、
必ず一人は薬剤師が必要になるわけだ。
・・・でも、たいていの場合、小さな医院には薬剤師はいないよ。

 例外として「医師本人が調剤する」ことは認められている。
現場では、これを思い切り拡大解釈して、
「医師の監督のもと、薬を調剤して出すことが出来る。」としているわけだ。
その結果、薬のことをなーんも知らん人が調剤している。
看護師さんならまだマシな方で、ひどい場合だと何の教育も受けてない人が
調剤していたりする。

 もちろん、違法である。

 が、現状がそうなっている以上、あまり厳しく突っ込まずに黙認しているようだ。
監査がくる日だけ、薬剤師をつれてくる、とかでごまかすんだろう。
でも、なんか間違いがあった時に問題になると思うんだが・・・
そういうのはあまり表沙汰にはならんのだろう。

 で、この違法な状態を何とかしようと思ったら、
とるべき道は2つ。(常勤)薬剤師を雇うか、院外処方箋を出すか。
そりゃ、普通に考えたら後者の方が楽だわな。
もちろん、「違法状態を続ける」をいう選択肢もあるが。w

 おっと、これは医療機関サイドから見た見方だ。
これを、患者さんサイドから見ると、医薬分業の利点の1つは
「薬を調剤しているのが、素人からプロになる。」
ってことになる。

 ・・・なんか、それほどいい利点に見えないなぁ。
まぁ、今まで違法スレスレでやってきたことをやめるってことなんだが。

 これは、主に町のお医者さんの話。
大きな病院でのメリットとしては、
「待ち時間の短縮」が一番にあげられるだろう。
 だいたい、病院って待ち時間が多すぎる。
診察してもらうまでに2時間待って、診察は10分で終わって、
薬で30分くらい待って・・・・。

 この薬の待ち時間を減らそうってことだ。
FAX使うとかすれば、薬局での待ち時間も短くてすむし。

 と、この辺りの話はまだ見えやすいんだが・・・。
次回以降は、もうちょっとつっこんだ話。

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