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お薬手帳その2

 今日は、お薬手帳に関する話の続き。
診療報酬改定が入って、各薬局がこぞってお薬手帳を勧めるようになった。
そりゃもちろん、患者さんのメリットになるからだが、、
当然、お金になるからやっているわけである。

 診療報酬改定では、実は手帳の報酬は170円から150円に下げられている。
なのに、なぜ薬局は積極的に取りにいっているか、というと・・・
他で報酬を削られているからである。w
 今回の改定は結構厳しくて、今までの利益をキープしようと思ったら、
どっかで点数を増やさなくちゃいけない。で、一番手っ取り早いのが、お薬手帳。
経営者からみたら、そりゃぁそうだろう。

 この辺、誤解を招きやすいので正確に書いておこう。
お薬手帳は、(たいていの)患者さんにとって有益なものなので、
国としては、みんなに持っていて欲しい。
・・・だから、診療報酬(150円/回)をつけている。
診療報酬になるから、薬局は積極的に勧める。・・・という話だ。
決して報酬のために不要なものを売りつけている訳ではない


 さて、こうしてお薬手帳を勧めてるわけだが、
いまいち、どういうものか伝わってないようだ。

 よくあるのは、「お薬手帳は薬局ごとにわける」という人。
これ、お薬手帳がまるで無意味になる。
薬局(や病院)としては、他でどんな薬をもらっているか、が
一番知りたいとこなんだから。
 お薬手帳は、一人につき1冊、である。

 あと、一番多いのが、「お薬手帳は自分の家で管理する」という人。
・・・というか、薬局に手帳を持ってきてくれない人
あとで自分でシールだけ貼る、ってそれじゃ薬剤師がチェックできないんだって。
それに、手帳を持ってきてくれないと、診療報酬を算定できないし。(本音)
 たまーに、手帳に貼るシールを渡しただけで15点を算定してる薬局もあるので、
注意が必要。(うちでは、さすがにそんなことはしてない。)


 あと、問題点としては、病院で薬をもらった場合に、
お薬手帳に記入してくれない、というのがある。
処方箋で、薬局で薬をもらう場合は、薬局に手帳をもっていけば
確実に記録してくれる。でも、病院では個々の病院によって対応が異なる。

 これは、理由があって、、、病院ではお薬手帳に記入しても、
診療報酬にならない。(つまり、お金にならないわけ。)
だから、やるとしたら完全にサービスになってしまう。
(中には、手帳本体をお金を取って売るところもあるようだ。)
 小さな病院ならともかく、大病院で処方箋を出してないようなところだと、
とてもやってらんないわな。サービスにしちゃ、手間かかりすぎ

 でも、本当は手帳には全ての情報を記載して欲しいから、
院内でだしてる病院でも、手帳の記載をして欲しいというのが、
薬局側の希望だ。・・・次回の診療報酬改定に期待しよう


 うちの薬局では、原則として希望者のみにお薬手帳を渡している。
が、絶対に手帳を持ってもらいたい人がいて、その人には必ず渡している。
代替調剤(先発品→ジェネリック医薬品)を行った患者さんだ。
 これはもう、絶対に記録しておかないと、わけわかんなくなるので。
処方箋に書いている薬と、実際に出す薬の名前が違うので
もし、いつもと違う薬局に行くと、(薬局が)非常に混乱する。
自分の身を守るため、と思って手帳を持っていてもらいたい。


 だいたい、手帳の話はそれくらいだろうか。
結論としては、
1.役に立つ手帳なので、必要な人には是非、もっていて欲しい。
2.自分で管理できる、という人は、堂々と断っても可!(お金かかるし)

 薬局側としても、お薬手帳が役に立つ手帳になるように、
いろいろと考えていかなきゃいけないだろう。

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(~'09)仕事(薬局)」カテゴリの記事

コメント

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「@からだ」これ良いですね~

投稿: soran | 2008-12-11 20:42

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