納豆にダイエット効果はないけれど、血液サラサラ効果はあります。
と、某テレビ番組がやっていた。なんでも、ナットウキナーゼが働くんだそうな。
ほんまかいな?
名前から見る限り、ナットウキナーゼは酵素だろう。
酵素ってことはタンパク質だ。タンパク質を食べるとどうなるか?
胃酸や消化酵素で分解されて、アミノ酸になって腸管から吸収される。
・・・私は中学校でそう習った。ってことは、ナットウキナーゼ分解されちゃうよ。
逆に、全く分解されなかったとしたら、タンパク質ってそのままの大きさじゃ、
とてもじゃないけど腸管からは吸収できない。まれに例外はあるかも知れないけど。
そもそも、万一吸収しちゃったりしたら、身体にとっては非常に危険だし。
異なる生物の酵素なんて体内に入れたら何が起こることやら。
第一印象からなら、99%ウソだな、これ。で、ネットで検索かけてみると・・・
なんか、ナットウキナーゼ入りの健康食品が大量にヒットした。orz
宣伝によると、ウロキナーゼという血栓溶解酵素と同等(か、それ以上)の
血栓融解作用をもつ、とか。それはありえる話だ。
実際に、試験管で血栓を溶かしたという実験もあるみたいだし。
ウロキナーゼっていうのは、強力な血栓融解酵素で、
心筋梗塞のときに、緊急的に血栓を溶かすのに使う。
ナットウキナーゼがそれと同等の効果があるとすれば素晴らしい話だ。
ぜひ、医薬品にして欲しい。ぼろ儲けできるよ、納豆会社。
でも、そんな話はまだ聞いたこともないなぁ・・・。ってことは、何か問題があるんだろう。
で、納豆を食べるだけでウロキナーゼと同等の効果がある、と
健康食品の会社は宣伝している。もし、それが本当なら・・・
日本では劇的に心筋梗塞の発症率は減るはずだ。
本当ならどれほどよい話か。w
いや、もしも本当なら、出血傾向が強すぎるはずだ。
ちょっとした怪我でも血が止まらないで失血死する人がでるんじゃないか、これ。
バイアスピリン程度の抗血小板薬(いわゆる「血液をサラサラにする薬」)でも、
歯医者で抜歯とかする前には、薬を中止するように注意する。
ウロキナーゼと同等の力があるなら、歯医者に行く日は、絶対納豆食べちゃだめだ。w
詳しくは調べてないけど・・・
ナットウキナーゼに血栓融解作用があるのは本当だろう。
でも、それは納豆を食べて効果が発揮するものではないだろう。
ナットウキナーゼを抽出して、血管に直接注射して初めて効果があると思われる。
普通、酵素って分解されちゃうから吸収できない。ところが、とある宣伝サイトでは、
「一部分解されて血中に入り、分解された状態でも効果を発揮する」んだそうな。
百歩譲ってそこまで本当だったとしても、その状態ではウロキナーゼ級の効果は
ないだろう。というか、それだけ効果があったら納豆の副作用で死人が出るよ。
これだけ多くの日本人が食べてて大丈夫なんだから、そんなに強い作用はないって。
どうやっても話に無理がある。これだけ納豆が食べられてる状況で、
納豆にすさまじいまでの薬理作用があるなんて、考えられない。
この宣伝考えた人、ウロキナーゼの効果をなめてるだろ?w
というわけで、99.9999%ウソだという結論に達したんだけど、
それをテレビが紹介しちゃってるんだよね。orz
あんたら、あるあるを批判する資格ないよ、やっぱり。
少なくとも、「酵素が血中に入ることはまずない」くらいは、誰かわからんか?
誰か一人でも疑問に思えば、ちゃんと専門家に確認取れるだろうに。
やっぱり、テレビの現場って科学知らん人ばっかりなんだろうなぁ・・・。
下手したら中学生でも気づくことの出来るウソなんだけど。
でも、こんなに健康食品が大量にあるとは思わなかった。これも問題。
ナットウキナーゼで検索したら、効果を肯定するページが大量にヒットする。
もちろん、まともなページもあるんだけど、圧倒的に物量で負けてるんだよね。
だって、肯定派は商売でやってるけど、否定派はボランティアなんだもん。
ネット検索もその辺の仕組みを押さえとかないと変なのにひっかかるかも。
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