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本当に副作用か?

 今日もタミフル話。そろそろ終わりにしたいが・・・。

 10歳未満でもタミフル服用後の異常行動がおこっていることが、
今日になって報告された。幸いにして死亡例はないらしい。

・・・いや、そんなことは最初から予想できたことなんだが。w
厚労省が10代を原則禁止としたのは、10歳未満が安全だからじゃないってば。
あえてニュースにすることじゃないんだけどなぁ・・・。

 さて、私が見て「副作用とは考えにくい」理由。
タミフルが、脳内に移行することが考えにくいんだ。

 人間の脳は、薬物(異物)がそう簡単に進入できないように、
バリアーをもっている。(血液・脳関門という)
通常、タミフルはこのバリアを突破できないと考えられている。

 つまり、脳に作用する薬じゃないんだ。
おなじインフルエンザの薬でも、シンメトレルは元々がパーキンソン病の薬。
この薬はバリアーを突破できる。・・・だから、幻覚、妄想といった副作用もありえる。
ただ、タミフルの構造をみた感じでは、バリアーを突破できそうにないんだな。

 ただし、インフルエンザが悪化すると、このバリアーが弱くなる可能性もある。
そこからタミフルが進入して、ってことも考えられるんだが・・・
その場合、インフルエンザ脳症による異常行動との区別がつかないと思うんだが。

 つまり、タミフルの副作用だとするには、理論的に難しいんだ、これ。
薬には副作用がたくさんあるが、理論的に説明できない副作用って、
実は意外なほど少なかったりする。タミフルがそれにあたるかどうか・・・難しいな。

 もう一つの理由としては、服用した人数に比べて、
異常行動の報告数が少なすぎること
 タミフル販売後6年で、公式に異常行動の報告が22件。
一方、服用した人間の数は・・・一説には、年間800万人くらいらしいので、
6年でのべ4800万人。まぁ、いい加減な数字だけど、桁数は間違いないだろう。

 4800万分の22。ってことは、100万分の1未満。
普通、薬で副作用が起こるとされる確率は、(薬にもよるけど)、
10%~0.01%くらい。0.0001%って、数字として小さすぎるんだが
 つまり、もし副作用なら、もっと数がおこっているはずじゃないか?ってことだ。
6年間で22人って、宝くじで1億円当たる人間よりもさらに少ない・・・。
もしタミフルの副作用なら、これだけたくさんの人が服用しているんだから、
もっと数が多いのが普通。仮に、副作用としてはめちゃくちゃ稀な0.01%でも、
4800万人が服用すれば4800人におこる計算だ。

 もちろん、公式報告に上がってこないものもあるだろうけれども。
因果関係のある副作用なら、もうちょっと報告あがってきてもよさそうなもんだが。
この数字が、副作用と考えにくい理由の最大のものだ。

 これくらい数が少ないと、検討するのも非常に難しいし、
因果関係を証明するのも非常に困難だ。
たぶん、「因果関係があるとはいえない」となるだろうなぁ・・・。と予想。

 さて、やっぱり「因果関係が否定」された場合、
マスコミはどう報道するんだろう・・・。あんだけ散々煽っといて、
実は「無関係」といえるのか?
 何か調査に難癖つけて、もう一回やりなおせとかならなきゃいいけど。
・・・みんな簡単に言うけど、調査って、結構な税金がかかってるはずだ。

 逆に、「因果関係が認められた」場合はどうなるだろう。
今度は、リスクと利益の関係をちゃんと伝えられるだろうか?
タミフルを完全に販売中止にすることは、デメリットの方が大きいんだが。

 とりあえず、マスコミには「冷静な報道を」お願いしたい。
いちいち、しょうもないことに食いついてるんじゃないよ。
もうちょっと、科学、統計を勉強してから、報道して欲しい。
 誰か、止められる人間いないのかなぁ?

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