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タミフルまとめ続き

 続き。

 タミフルは「特別」な存在である。
供給不足といっては騒ぎ、副作用がでたといっては騒ぎ・・・。
普通の薬なら、それくらいで騒ぎにはならないんだけどなぁ。
 インフルエンザの特効薬で、使用量が半端じゃないから、
社会的に問題になってくるんだろう。もっと使用量が少なければ、
ここまで問題になることはなかっただろうし。

 なんで、そんな危険な薬を承認したんだ、と思う人も多かっただろうけど、
薬の承認に関しては日本は厳しいほうだ。
承認では、多くても1000人くらいで試験して、副作用の発生率などを見る。
全体の1%程度におこる副作用は、まず拾い上げることはできる。
でも、0.1%やそれ未満の確率のものは、ほとんど確認できないのが実情。
 後は、実際に発売してみて、上がってくる報告を待つことになる。

 この仕組みを厳しくしたらどうなるか。薬がなかなか承認されなくなる。
せっかくいい薬ができていても、承認に時間がかかりすぎてしまう。
そうすると、みんな「なんでこの薬が承認されないのか?」って怒ると思うんだけど。

 例えば、新しいインフルエンザの薬ができたとして、
今回のタミフルに起こったようなごく稀な「異常行動」の副作用を
しっかり確認してから発売、なんてことは不可能に近い。
タミフルの異常行動は、数千万人の処方実績があって初めてわかったこと。
0.01%クラスの副作用を全て調べようと思ったら、1万人規模の臨床試験が必須。
・・・どれだけの金と時間がかかるか、わかったもんじゃないし、
それだけやっても、副作用がわからないケースもあるわけで・・・。
 100%安全な薬を求めると、コストがかかりすぎる。
しかもどうやっても100%安全な薬なんてできやしないし。無理ってもんだ。

 でも、「タミフルは特別」だから、そこまで求められるわけで。

 今回の報道では、「厚生労働省が副作用報告を放置していた。怠慢だ」
といわれているけど、普通の薬なら、死亡例くらいしか調べないのが当たり前。
薬の副作用の情報収集は主にメーカーのする仕事だろう。
重要と思われるものだけ、厚生労働省がチェックをかける。
 ・・・そうでないと、人手がいくらあっても足りないだろう。
民間に任せる部分は任せる。そうでないと、税金がどんだけあっても足らんぞ。

 でも、「タミフルは特別」だから、報道側はたたくんだよね。

 「タミフルの調査班の教授がメーカーから寄付金をもらってた」なんて話。
そりゃ、どこのメーカーも調査をお願いするときはお金出すに決まってる。
「寄付金」と書くから実態が伝わらないけど、正しくは「奨学寄附金」。
実態は「寄付」というよりも「調査費用」に近い。
 今回の調査では、メーカーからお金もらったことのある学者は外された。
正直、メーカー側は「え、お金出さなくていいの?ラッキー」じゃないかと・・・。w

 もちろん、全ての薬についてこんなことをやれば、
やっぱり税金がどんだけあっても足りないんだけど・・・。
企業にお金を出させて、国がチェックする体制ならいい、と思う人がいるかも。
でも、それって今の体制と同じだったりするんだよね。w

 でも、「タミフルは特別」だから、調査費用も税金でいいんだ。
もっとも、もうちょっと透明性を高める努力はあってもいいと思う。


 今の報道が国民性をあらわしているとするならば、
日本という国は、公務員を削減して、税金を減らして、小さな政府を目指す・・・
なんて絶対に無理だろう。何につけても「国がしっかり」国民を守れというんだから。
「税金を減らせ、公務員を減らせ、でもサービス(安全)は向上させろ!」
そりゃ、そうできれば一番いいけどねぇ。(苦笑)無理っしょ。
 もちろん、業務効率を上げる努力は必要なんだけどね。

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