スルピリドは難しい。
処方箋には、病名は書かれていない。
でも、薬剤師は、患者さんに薬の説明しなくちゃいけない。
なので、処方箋から(ある程度)病状を推理して、説明することになる。
使い方がわかり易い薬なら楽なんだけれど、色んなことに使われる薬は難しい。
例えば、抗生物質。
細菌に効くんだけれども、炎症の起こっている病気なら何でもあり。
化膿止めだったり、膀胱炎だったり、肺炎だったり、蓄膿でもでたりして。
聞いて見なきゃわかんないけど、聞いてみた結果、
「梅毒」とか言われたら、激しく後悔するので基本的には聞かない。w
薬剤師を悩ませる薬のひとつが一般名「スルピリド」。
商品名でいうと、ドグマチールが一番有名。
こいつは、適応が3つあって・・・
1.消化性潰瘍 2.うつ病 3.統合失調症
胃薬にも使うし、精神病にも使う。こういう薬が一番気を使うなぁ。
たいていの人は「2」だと思うんだけれども、これで予想をはずしたらシャレにならん。
胃が悪いだけの人にスルピリドが出ることはあまりないと思うんだけど・・・
ちょっと鬱が入ってる胃痛とかなら、胃薬といいながら出す先生もいるかも知れない。
ここで「うつ病の薬です」なんて言っちゃったら、それこそうつになりかねないかも。
今日みた処方は、さらにわからなかった。
「スルピリド 50mg 頓服 めまい時」
めまいー?そもそも、そんな適応ないし。普通に考えたら効かないんだけど・・・。
こりゃ、あれかな。精神的なものもからんでるようなめまいだろうか。
どの薬の説明書を見ても、スルピリドがめまいに効くなんて書いてないだろうなぁ。
でも、間違っても「めまいのお薬じゃありません」なーんて言えないし。
本来なら、医師に電話で聞くべき問題なんだが・・・。よくあることでもある。
深くは説明せず、「めまいをよくするお薬です」で通してみた。
薬の説明書には「色々な症状に使われるお薬です」と書いてあるし。
薬効もそうだけど、先生はプラセボ効果も大いに期待しているんだろう。
で、次の時に「これ効かない」って言われたら、「ああ、やっぱり」ってなるんだけど。
でも、意外にこれで効いてしまう人もいるから薬って不思議。
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