混合診療解禁へ
先日、混合診療が認められないのは違法だと、
患者側が国を訴えた訴訟で、地方裁判所とはいえ、
原告勝訴(つまり、国敗訴)の判決がでた。
混合診療を認めない国側に法的な根拠はない、とのことだ。
もっとも、国は控訴するだろうから、判決は確定しないのだけれど。
それと関係あるのかどうかは知らないが、規制改革会議が、
混合診療解禁を迫っていくらしい。
もう、世の流れは混合診療解禁に向かっている。
混合診療とはなんぞや?というところから。
一般に病院で受ける診療は、保険診療。
健康保険が使えるので医療費は安く済むが、
健康保険で認められていない治療を行うことはできない。
高度な医療など、健康保険の枠外の治療は、「自由(保険外)診療」という。
こっちは、保険が利かないので高い。
で、厚生労働省は、一つの病気で保険診療と保険外診療を両方行った場合、
全てを「保険外診療にする」という立場。これが、「混合診療の禁止」
でも、保険外の方が自費負担なのはいいとして、
保険診療の部分まで自費ってどうよ?と訴訟を起こしたわけだ。
例えば、保険診療が10万、保険外診療が10万とする。
厚生労働省は、混合診療を禁止しているので、20万払え、となる。
でも、保険分は3割でよい、となると、13万でよいことになる。
これは結構でかいぞ。そりゃ、訴えたくもなるな。
さて、では厚生労働省はなぜ混合診療を禁止しているんだろう?
これは、私にはよくわからないところではある。名目上、
「厚生労働省は保険診療に責任がある。保険外診療には責任をもてない。
よって、保険外診療と保険診療を組み合わされると責任をもてなくなる。」
といったところだろうか。
医師会も混合診療には反対の立場だ。これもよくわからないところも多い。
混合診療が解禁になれば、どうなるか?
保険外診療が増えることが予想される。
今までは、保険外診療を行えば、保険を使えなかったのでバカ高かった。
でも、混合診療解禁になれば、ほとんど保険診療で、プラスアルファとして、
「こんな治療法もありますがどうですか?」ってな感じで。
患者側の選択肢は広がることになる。
うがった見方をすれば、「医師会は自由競争にさらされるのが怖い」
保険診療なら、どこで受けても(それほど)大差はない。
でも、保険外診療は、医師や病院の方針によって差が出てくる。
優秀な治療をする病院もあれば、何もできない医師もでてきたり。
自由競争に勝ち残る自信のない医師(病院)は、
混合診療に反対するのではなかろうか?
・・・と、あえてうがった見方をしてみた。これは私の真意ではない。
ひょっとすると、そう考える人がいるかも知れないので書いてみた。
メディアがそういう論調で動くかも知れないし。
いや、医師が自由競争にさらされるのが怖いってのは、
一つの真実ではあろうと思う。でも、混合診療に反対している医師は、
その他に(もっと重要な)理由がある。
・・・続きは明日。w
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