混合診療に反対する理由
医師会は、混合診療に反対している。(すでに過去形かも知れないが)
しかし、混合診療が解禁されると、保険外診療が増えることになる。
トータルとして、医療費が上がることは間違いないだろう。
つまり、自分たちの収入に直結することになる。
なら、なぜ医師は混合診療に反対するんだろう?
開業医は競争が怖い、という理由がありえるかも知れないが、
勤務医が混合診療に反対する理由って何?
自分たちの収入が増える、高度な医療を扱える。
何も問題がないように思えるが・・・。実際、混合診療に賛成する医師も多い。
実際は、混合診療そのものに反対している医師はいないだろう。
混合診療を解禁することにより、保険外診療が増えることになる。
保険外診療が増えることに関して、反対している医師もごく少数派と思われる。
じゃぁ、何に反対しているか、というと・・・
保険診療が減らされることに反対しているのである。
混合診療を解禁すると、保険外診療が増えることになる。
そうなると、今まで保険診療に入っていた診療が、保険外診療になるのではないか?
また、新しい医療もいつまでも保険外診療のままで、
保険に組み入れられることがなくなるのではないか?と危惧している。
保険診療が減らされても、保険外診療が増えるのなら、医師としては何の問題もない。
問題があるのは、患者の方だ。
規制緩和だの、治療の選択肢が増えるだの、甘い言葉で誘惑しているが、
混合診療解禁の結果、保険診療を削られることはほぼ確実だ。
ただの風邪なら、保険利かない、10割負担、ってなることも考えられる。
国民にかかる医療費の負担は、間違いなく大きくなる。
実際、健康保険は破綻寸前だ。混合診療が認められるとなると、
できる限り保険診療を小さくしようとするに決まっている。
多くの医師が混合診療に反対する理由は、「患者さんのため」にある。
混合診療の解禁は、イギリス型からアメリカ型に舵を切ったことになる。
アメリカの医療は高度だけれども、平等ではない。
高度な医療を受けることができるのは、一部のお金持ちだけ。
金の無い人間は、質の悪い医療で我慢しろ、となる。
日本という国にはなじまない制度だと思うんだが。
NATROM氏(医師)のブログ(ここ)では、(以下引用)
混合診療解禁に賛成する人の意見で、「選択肢が増えることはいいことではないか」
というものがある。規制改革会議の言う選択肢は、「家を売って高度医療を受ける」
か「死ぬ」かの選択肢なんだけど。ちなみに、家を売れない人には「死ぬ」という
選択肢しかない。(引用終わり)
・・・・・。わかりやすくはあるけれども、なんともな。
さらに言うならば、「家を売って高度医療を受けてもいずれ死ぬ」んだが。w
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