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責任と救済は分けるべき。

 いつか書こうと思っていたが、なかなか時間が取れなかった・・・。
薬害肝炎問題について。

 福田首相は、議員立法での一律救済を持ち出してきた。
投与時期による線引きは、やはり無理がある。
同じ薬を投与され、同じ症状がおこったのに、投与時期が違うだけで、
片方は救済されて、片方は救済されない。そんな馬鹿な話はないだろう。
極端な話、線引きの前後1日の差で救済に差ができることになる。
そりゃ、誰も納得せんわな。

 なので、私は一律救済には賛成だ。わかりやすい。

 ところが、国や製薬企業の責任となると、いきなり話はややこしくなる。
国や企業の責任問題となると、これは線引きせざるをえなくなるんだ。

 C型肝炎の危険性は、最初から分かっていたわけではない。
問題のフィブリノゲン製剤が認可されたのが1964年。
C型肝炎ウイルスが発見されたのは、1989年の話だ。
もっとも、それまでも「非A非B型肝炎」とは呼ばれていたが、
それにしたって、1970年代半ばからの話だ。

 フィブリノゲン製剤がアメリカで承認取り消しされたのが77年。
でも、この取り消しの理由はC型肝炎ウイルスではない
B型肝炎の危険性に言及しての話。しかも、日本の製剤では、
B型肝炎のウイルス不活処理をしていたので、承認取り消しとはならなかった。

 実は、このウイルス不活処理がC型肝炎ウイルスにも効いていたらしい。
ところが、85年にこの処理方法を変更したため、C型肝炎ウイルスが
生き残るようになってしまった。
 ・・・と言っても、これは結果論に過ぎない。
だって、C型肝炎ウイルスの発見は、さらに4年先の89年なんだから。

 実際に、フィブリノゲン由来と思われる肝炎の発生が確認されたのが、
87年の話。国と企業は、ここから動き始めることになる。
ただ、実際に回収を終わらせるのに1年くらいかかっていたりする・・・。
この動きは遅いよなぁ。

分かりやすいメモがあったので貼っておく。
http://d.hatena.ne.jp/azuki-glg/20071220/1198194090

 さて、この流れをふまえて、国・企業の責任はどこから?という話だ。
少なくとも、C型(非A・B型)肝炎なんて知られていなかった70年代で、
この被害を予想できる人間はいないだろう。
 アメリカでの承認取り消しが77年。にしてもC型肝炎には関係のない話だ。
C型肝炎ウイルスの混入が考えられるのが85年以降。・・・にしても、
この時点でまだウイルスは発見されていない。結果論だよなぁ。
明らかに責任が発生するのは、87年以降だろう。

 ・・・と、国や企業の責任問題となると、色々な線引きが考えられる。
これを最初っから全部国に責任がある、というのは無茶だ。
神のような予知能力がなければ、この薬害は完全には防げないだろうに。

 私の考えは、「救済は線引きを設けるべきではない」
実際にこの経緯が正しいとするならば、フィブリノゲン製剤によるC型肝炎は、
85年以降にしか起こらないことになるが、それにしたって線引きになる。
だいたい、薬害でないC型肝炎だって、輸血やら予防注射の回し打ちが感染源。
そういう「罪のない人達」が不幸にもC型肝炎にかかっているわけで。

 ただ、これは訴訟になっているのが問題だ。
訴訟になっている以上、補償(救済)と責任がどうしてもセットになってしまう。
なので、こういう「全員に救済が必要だけど、全員に対して責任は認められない」
場合に、硬直した状況になってしまう。
 その状況を打開するという意味で、政治決断というのはありだろう。

 今後の焦点は、議員立法に、どこまで国の責任を盛り込むか、らしい。
もう、どこを向いているのやら、と言いたい。
責任と救済を切り離すための「政治決断」じゃないのか?
 私は、今回の議員立法はあくまで救済案だけでいいと思っている。
責任を追及したいのなら、訴訟を続ければいいんじゃないか
それは、裁判所が決着をつけてくれるだろう。
・・・もっとも、救済が確定した段階で訴訟続行は難しいかも知れないが。

 以下、続く。

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