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薬害肝炎問題、追記

 結局、法案には「国が、薬害を拡大させた責任がある」という表現に落ち着いた。
妥当なところだろう。発生させた責任があるとは、書けないだろうから。
誰か、「発生しなければ拡大もしないから」とか、うまい言い訳をしていたな。

 補償金は、症状に合わせて1500万から4000万。
対象者は多ければ1000人くらいになるだろうから、
一人平均2000万円とすると、ざっと200億くらいか。

 さて、線引きすることなく救済されたわけだが・・・
私もうっかり失念していたが、救済されたのはごく一部の人にすぎないらしい。
なにせ、事件がおこったのは20年(以上)も前の話だ。
この救済を受けるためには、自分が「フィブリノゲン製剤」を投与されたことを、
証明する必要がある。
 ところが、医療機関によってはとっととカルテを処分していたりして、
証拠が残っていないところも多い。ってことは、フィブリノゲンを投与されて、
C型肝炎に感染したとしても、証拠がなければ救済されないわけだ。

 原告団は、このことを知らなかった・・・わけはないと思うんだが。
あえて目をつぶることで、一人1500万以上の高額な補償金を手に入れるわけだ。
とはいえ、C型肝炎の患者全員に補償を広げるわけにもいかない。

 C型肝炎の患者数は下手すると200万人に達する。
今回の予算、200億を200万人で割ると、一人あたり1万円にしかならない。
原告団は、対象となる患者は1000人程度と政府に説明している。
 ・・・なんか、ずるくないか?
線引きを許さないとか言いながら、自分たちだけ破格の補償金を取っているんじゃ?

 実は、C型肝炎の患者さんには、来年度から治療費の一部助成、という話がある。
こっちの方が、よっぽど多くの患者さんを救うことができるんだが。
これも、肝炎訴訟による成果の一つだと思うが・・・
今回の200億をこっちに割り振った方がいいんじゃないか?とも思ったりして。
何せ、インターフェロン療法は金がかかるからなぁ・・・。
 理想の形は、C型肝炎の治療費を全額無料にすることだろうが、
今の政府に、そんな金が出せるとは思えない
超おおざっぱに計算して、一人の治療費を100万円として、100万人に補償すると、
必要な金額は1兆円になる。20年くらいかかるとしても、1年で500億円。
おおざっぱな計算だけど、桁数はそんなもんだと思う。

 さて、今回の件でさんざん煽ったマスコミ各社は、
この問題をどうするつもりなんだろうか?
さすがに、勢いで「全員救済」とは言えない額になってくるんだけど。

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