亜硝酸塩の発ガン性
ちょっと職場で話題になったので。亜硝酸塩の発ガン性について。
実は、よくわからない部分も多かったりする。メモ書き程度で。
分かっていることは、
亜硝酸塩は、肉や、加工食品の着色剤(兼防腐剤)として使われている。
亜硝酸塩に、二級アミン(魚の方が多いかな?どこにでもありそうだけど。)が
反応すると、ニトロソアミンという発がん性物質になる。
・・・これで加工食品をとらない、という短絡的な結論にはならない。
亜硝酸塩は、「地球最強の毒素」をもつ、ボツリヌス菌をやっつけるからね。
ある程度の亜硝酸塩は必要。
でも、実際に体内で問題になる亜硝酸塩は、むしろ野菜由来の方が多い。
野菜に直接含まれている亜硝酸塩もあるんだけれども。それよりも、
野菜に含まれている硝酸塩が、消化管内(ほとんど口腔だと思う)の微生物の
働きで、亜硝酸塩に変化する。
一般的に、加工食品に使われている亜硝酸塩よりも、野菜由来の亜硝酸塩の方が
圧倒的に多い。なので、加工食品は問題にならないだろう。
では、なぜ野菜に硝酸塩が含まれているか。
残留農薬とかそういったものではない。肥料は原因の一つだろうなぁ。
窒素の多すぎる水、土壌で育った野菜なら、そのまま硝酸塩を抱え込むだろうし。
だからといって、有機栽培ならいいという話でもない。
土壌の問題であって、農薬の問題ではないからね。
調べてみたところ、「硝酸塩を減らす取り組み」なんかもあるようだ。
そもそも、硝酸塩(窒素)を取り込むのは、生産者としての植物の性質だ。
食物連鎖って中学校で習うよね。消費者(動物)の死骸や糞尿には、
窒素(N)が含まれる。窒素は、分解者(微生物)によって、分解される。
生産者(植物)は、その窒素(硝酸塩)を水と一緒に吸い上げて、
アミノ酸、タンパク質を合成する。
つまり、植物にとって、窒素(硝酸塩)は「栄養分」な訳ね。
野菜に硝酸塩が含まれているのは・・・当たり前だ。
さて、分からない部分をあげておく。
ニトロソアミンの発ガン性の強さ。これがどの程度のものか。
野菜を取ることのメリットと比較しうるくらいのデメリットがあるのかどうか。
野菜に含まれる硝酸塩は、どの程度増加しているのかどうか。
植物に硝酸塩が含まれるのは、何千年も前からの自然の摂理だと思う。
窒素の入った肥料を大量に使えば、そりゃぁ増加するに決まってるけどね。
それが、問題になるほど増加しているのかどうか。
私の感想としては、人間は昔っから野菜を食べてきたわけで、
その野菜には昔っからある程度の硝酸塩を含んでいるわけで。
それを「問題だ」といってもなぁ・・・と思う。
まして、野菜の影響よりはるかに少ないと思われる保存料としての亜硝酸塩は、
まるで問題にすべきではない、だろう。
ただ、EUでは野菜に含まれる硝酸塩を規制しているという事実もある。
ある程度、規制があった方がいいのかも知れないなぁ。
ちなみに、硝酸塩は野菜をゆでるとかなり少なくなることがわかっている。
他には、ビタミンCと一緒にとると、亜硝酸塩はニトロソアミンを形成しない、
なんて話もある。
逆に、硝酸塩を多く含む野菜を取ると、心臓にはいいという論文もある。
さぁ、もう何を信じていいかわかんないぞ。w
今のところの結論は、「野菜による硝酸塩、亜硝酸塩の影響は一概に言えない」
私には、わからないところが多すぎる。
何よりもね、野菜食べてる人の方が寿命が長いらしいという事実がね・・・。
そりゃ、よりよい野菜を食べたほうがいいに決まっているんだけど、
そのために生産量、消費量が落ちれば、むしろ健康には害じゃないのかな?
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コメント
追記
野菜由来の硝酸塩が、胃潰瘍から胃を守るという論文が出ています。
情報元は、食品安全情報blog。
問題の論文は、これ。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-05/uu-niv050708.php
もちろん、この論文を全面的に信用するわけにもいきませんが、
そういう見方をしている研究者もいるってことで。
結局、野菜由来の硝酸塩が有益か、有害かは、
現在専門家の間でも評価が定まっていないようです。
投稿: kitten | 2008-05-09 00:31