宿便のウソ、ホント
健康情報。今回は「宿便」について。
一般的に言われている「宿便」とは、腸の中に「こびりついている」便で、
通常の排泄ではなかなか排泄されない。平均3~4kgくらい存在する。
代謝が悪くなるので、皮膚の状態が悪くなったり、ダイエットが進まなかったり。
世の中にはこの「宿便」を出すという健康食品や、腸内洗浄なんて話が
あったりする。
さて、この話、ウソかホントか?
私は、最初はただのウソだと思っていた。
そんなものは存在しない、と。わかりやすい説明は、wikipediaにある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%BF%E4%BE%BF
そもそも、腸に何かがこびりつくこと自体がありえない、と。
新陳代謝も激しいし、粘液も出ているし。
どっかのサイトで見たのは、ぬめぬめのウナギに、何かを
くっつけておくことは不可能だろう?という説明。
さらに、宿便を批判するページを一つ紹介。
http://gogyoka.com/aman/diet/syukuben.html
ここでは、新聞に掲載された記事や著書からの紹介がある。
いまや、内視鏡で腸内を見ることができる時代なんだよな。
実際に腸内をみて、宿便を発見することは珍しいだろうし。
もっとも、実際は検査前に腸の中をきれいにする薬品を服用するので、
あったとしてもきれいに流されている可能性は高いが。w
西洋医学でいう「宿便」は、世間で言われているものとは別の意味だ。
単純に、「2,3日出てこない便」をさす言葉。
浣腸で宿便を取る、というように使う。この場合、世間で言われている意味とは
異なることに注意が必要。
しかし、東洋医学(主に漢方)から見てみると、
「宿便がある」といわれる状態は、あってもいいように思う。
つまり、現実としても「宿便」は存在しないんだけれども、
慢性的な便秘で体調が悪い状態を「宿便がある」と称するわけ。
「血の巡りが悪い」とか「気が衰えている」とかの
東洋医学独特の表現の一つとして、「宿便がある」と言うのはありか?
非常に難しいところ・・・。
簡単にまとめると、「宿便」といっても定義によって3つくらいに分かれる。
世間で言われている「宿便」は、腸管にこびりついて悪さをするもの。
西洋医学でいう「宿便」は、2,3日出てこない便そのもの。
東洋医学でいう「宿便」は、便秘により体調が悪くなる状態そのものを指す。
世間で言われている「宿便」は、存在そのもの(実物)は、
西洋医学によってほぼ否定されているんだけれども、
便秘気味による体調不良そのものは、東洋医学により肯定されている、
と言っていいかも知れない。
もっとも、「宿便」という言葉自体、東洋医学にない、という話もある。
http://homepage2.nifty.com/KAWAGUCHIKAMPO/shukuben.htm
でも、このページにしても西洋医学とは別の角度から、便秘に対する
アプローチをする、というのはありえる、と言っているわけで。
それを、思い切り意訳(失礼だが)して、方便として、
「宿便」という言葉を使うのもありかも知れない。・・・無理があるか?
うーん、やっぱり結論としては、
「宿便解消をうたう商品は、説明に無理がある。」ってことかな。
ただし、製品そのものの良し悪しとなると話は別だろう。
その商品が、たまたま東洋医学にマッチングしていて、
西洋医学と別の方向から体質改善に効果がある可能性はあるだろう。
われながら、苦しい言い訳だなぁ・・・。
いや、会社からそういう製品を勧めろって言われているんだけどね。
個人的には、「宿便」という言葉は使いたくないんだよな。
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