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「最大64万人」の数値考察

 連続して、新型インフルエンザの話。
日本政府は、新型インフルエンザによる死亡者の推計を
「最大64万人」としている。この数値について、考察してみる。

 この数字は、「スペインインフルエンザ」級の新型インフルエンザ
(致死率2%)が発生して、何の対策も取らなかった場合の数字である、
と解説されている。

 「64万人」の数字をさらに高くする要因としては、
今のH5N1がそのまま新型インフルエンザになった場合、
スペインインフルエンザよりも毒性が強い
スペインインフルエンザは、過去最強のインフルエンザだが、
それでも「弱毒性」だ。H5N1は「強毒性」。
現在で致死率は2%どころか、60%・・・。
 仮に致死率20%くらいだと、死亡推計は640万人になるな。
60%ならその3倍?そうはならないと信じたいが。

 致死率の高すぎるウイルスは、感染力が弱いのが普通だけど。
宿主を簡単に殺してしまうと、他人に感染させるチャンスが少ないからね。

 「64万人」の数字を低くする要因としては、
この数字はあくまで「何の対策も取らなかった場合の数字」ってことだ。
 当時と比べて、医療技術ははるかに進歩しているし、
情報量だって当時と比較にならないだろう。前もって準備すらできる。
現代でスペインインフルエンザが流行っても、64万人も死ぬわけがない。

 この、プラス要素とマイナス要素の組み合わせがどう転ぶか、ということだ。
海外のシンクタンクで、日本の推計死亡者は210万と出したところがある。
岡田氏の「H5N1」では2ヶ月で120万人だから・・・まぁ最悪に近いところだ。

 医療技術がどれだけ進歩していたって、先に医療がつぶれてしまったら
どうしようもないしなぁ・・・。岡田氏の「H5N1」では医療そのものが崩壊して、
結局できることは、「スポーツ飲料を飲ませる」「看取る」になってた。
こうなると、90年前とさしてかわらんぞ。(苦笑)
 なので、医療がつぶれないことが、被害を抑える絶対条件。
そのためには・・・事前の対策が必須だと思う。

 ただし、感染者自体は当時よりは減るんじゃないかな?
どうすれば感染するか、感染を防ぐにはどうするか、などの「知識」は、
当時よりも格段に進んでいるし。甘いかな?

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