「細粒」は早く効くのか?
医療用の医薬品(処方箋で出す薬)と、一般用医薬品(薬局で買う薬)を
見比べてみると、一般用医薬品では錠剤以外の剤形が多いことに気づいた。
具体的に言うと、一般用の胃腸薬や風邪薬に粉薬が多いと思う。
特に、「細粒」という細かい粉薬だ。
一般用医薬品では多くの風邪薬のブランドが粉薬と錠剤の両方を持っている。
医療用では、あまり細粒は多くない。
というか、細粒はあるけれども使う人がいないともいえる。
まぁ、風邪薬や頭痛薬ではPL顆粒、とかSG顆粒とか。顆粒が多い?
胃薬にしても、細粒といわれて思いつくのはセルベックス細粒くらいだ。
「細粒」が優れた剤形という認識は、少なくとも私には全くない。
どの剤形であっても、効き方はほとんど変わらないだろうと思う。
例えば、胃薬のセルベックスはカプセルと細粒があるけれども、
どっちを飲んでもさほど変わらないんじゃないかな?
一般用の医薬品の宣伝で、「細粒だから早く効く」みたいな宣伝がある。
ほんまかいな??
錠剤だって、早く効くものは早く効くぞ。
薬効が発現するまでの速度は、いかに腸管から吸収されるか。
吸収速度が一番の問題になる。
腸管から吸収されるのに問題になるのは、薬物の脂溶性とか、いろいろある。
錠剤だから溶けるのが遅い、なんてのはまず問題にならない。
そりゃ、細粒よりは遅いだろうけど、誤差範囲くらいでしか変わらないと思う。
結局、これも「プラセボ効果」を利用しているだけじゃないか?
「細粒」だから早く効きます、といわれれば、早く効いた気になるだろう。
すると、実際に早く効くわけだ。w
まぁ、そういう意味では細粒の方がいいかも知れないけど。
私は粉薬が苦手だから、迷わず錠剤やカプセルを選択する。
もちろん、錠剤やカプセルの方が苦手な人もいるだろうから、
細粒という剤形が存在することは全く問題ないんだけど。
ただ「細粒だからさっと溶けて早く効く」と宣伝されると、
ほんまかいな?
と違和感を持ってしまう、というだけの話だ。
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