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リレンザでも異常行動はおきるか?

 インフルエンザが猛威を振るう中、やっぱり出てしまった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090129-00000068-yom-soci

 リレンザ処方後の17歳の高校生が、団地から転落する事故があった。
厚生労働省は注意喚起を行っている。
この注意喚起の内容をざっくりとわかりやすく言うと、

インフルエンザに感染した未成年者は、薬の服用の如何を問わず、
少なくとも2日間は一人にしないように。

 ってこと。このブログでも何度も言及しているけどね。

 以前にも何度かリレンザについて取り上げているけれども。
タミフルとリレンザ(2007.03.10)
リレンザと異常行動のフォロー(2007.04.08)
リレンザに異常行動(2007.05.15)
リレンザは難しい(2008.02.19)

 もう一回言及しておこう。

 リレンザ。一般名はザナミビル。
この薬は、非常に親水性が高く、経口ではおそらく吸収されないので、
吸入薬として使われている。
 吸入薬というのは局所的に効く薬であり、あまり血中には入らない。
つまり、全身性の副作用がおこることは(内服薬に比べて)少ない。

 さらに、血中に入ったとしても、これだけ親水性の高い薬は、
脳内に移行するということは考えられない。
(タミフルでも考えにくいんだけど、タミフル以上にありえない)

 もちろん、絶対にありえないという断言はできないんだが。
タミフル以上に安全である、というのは言える。
(タミフルが危険だと言っているわけではないことに注意。)

 Aソ連型でタミフル耐性インフルエンザが流行っているらしいが、
この株にリレンザが効果のあることは確認されている。
なので、A型ならリレンザを使う医師もいると思う。

 それと、(一応)タミフルは10代の患者には原則使わない。
10代の場合は、やっぱりリレンザを使うことになる。

  
そういった状況があり、今まで以上にリレンザが処方された結果、
このような(リレンザ処方後の転落事故)が起こってしまったんだと。

 リレンザと異常行動の因果関係は、まず考えられないと思う。
それよりも、インフルエンザによる異常行動の結果、と考えるほうがよい。
インフルエンザだけでも異常行動がおこることは、
すでに実証されている。

 何度でも書いておこう。

インフルエンザに感染した未成年者は、
薬の服用の有無にかかわらず、
少なくとも2日間は一人にしないように。

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