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タミフルはどうなる?

 学校も始まり、いよいよインフルエンザの季節だ。
いや、去年からぼつぼつ出てたけど、やっぱり年明けからが本番だろう。
学校が休みの間は、インフルエンザも一緒に休んでくれるみたいだし。

 さて、タミフルはどうなるんだろう。

 異常行動の副作用をうけて、10代への原則禁忌を決めたのが2年前か。
去年は、10代には吸入薬のリレンザが処方されるケースが目立った。
リレンザが在庫切れをおこすんじゃないかといわれたが、
幸い、インフルエンザ自体がそれほど流行らなかった。。

 タミフルによる異常行動の副作用については、厚生労働省の研究班(かな?)が
1万人規模の追跡調査を行った。

 その結果が去年発表され、結論としては、
「異常行動はインフルエンザそのもので発生するものであり、
 タミフルとの因果関係は認められない」というものだった。

 ただし、発表当初からそもそもデータの解析がおかしいという指摘があった。

・・・というところまでは、このブログでも書いてきていた。

 その後の話。
日本臨床薬理学会でその辺のことが話し合われた。
学会としてのコンセンサスは「厚生労働省のこのデータ解析はおかしい」というもの。
元データを公表して、解析をやり直した方がよい、という結論になったようだ。

 この学会は、某氏のような「とにかくタミフルをつぶせ」のような人物しか
いないわけではない。まっとうな(?)学会である。

 ただ、全体として「だからタミフルは危険である」という結論にもなっていない。
「厚生労働省の今回の研究結果(解析)は誤りである」というだけ。
つまり、正しく解析すれば「タミフルはやはり安全である」になるかも知れないし、
「タミフルは異常行動を起こす薬である」になるかも知れない。

 さらに言うなら、「今回の試験はタミフルについて判断できるデータではない」
っていう、笑えない結論が出る可能性すらある

 一応、今後の展開も(可能なら)追っておこうと思う。

 さて、タミフルの話では私がいつも書くことは変わらない。

どっちにしたって、「インフルエンザだけで異常行動が起こりうる」ことは確かだ。
タミフル服用で起こりやすくなるのか、起こりにくくなるのか、という問題はあるが、、

インフルエンザにかかった場合は、薬の服用の有無に関わらず、
2日間は目を離さないほうが良い。

 これ、最初からわかっていることで、話がどう転んでもかわらないんだよね。
学術的にはまだまだ問題が残っているタミフルだけれども、
現場では、それほど問題は残っていない。どっちにしても注意することに変わりなし。

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