10年分の情報
インターネットが広がるきっかけとなったのは、windows95の発売だと思う。
そこから3年後、98が発売される頃には、かなり一般的になっていた。
ネット上にデータが存在するようになってから、大雑把にみて10年経っている。
もちろん、後の時代になればなるほどネット普及率が上がっていくし、
情報量も増えていくから、10年前のデータ量と今のデータ量は
比べ物にならないとは思うが。
ためしに、厚生労働省のページをのぞいてみた。
報道発表資料は、平成8年4月から公開されている。13年前だ。
後になってからアップした可能性はあるけれども。
ま、10年くらいのデータは確実にあるということだ。
10年分くらいの情報が、ネット上に存在するということ。
今のネット検索のしくみがどうなっているのかはわからないが、
今のところ、結構昔の情報(たとえば10年前)でもヒットするようだ。
何が言いたいかというと、
「現在、何気なく検索をかけてみていた情報が、
実は10年前の情報である可能性について」ということ。
昔は、ネット上の情報といえば、まず新しいものだった。
ところが、10年もの情報が蓄積されてしまうと、
「ネット上の情報=新しいもの」とはならない。
しかも、ネット上の情報は消えることは少ない。
人の噂は75日という。まぁ、2ヵ月半もすれば忘れてくれる。
ところが、ネットで噂になるとこんなもんではきかない。
コンピュータは忘れてくれないんだから。
下手にネット上に悪口をかかれると、永久に残ってしまう可能性すらある。
自分が死んで、何十年たっても何百年たっても、その情報は残るかも知れない。
いずれ(ひょっとすれば、今でも?)ネット検索には、
「時間」の情報が必須になってくると思う。
ほしい情報は「ここ数年」の情報か、「10年以上前」の情報か。
あるいはもっと昔か。「時間」がないと、なかなか目的の情報に
たどり着かなくなるだろうな。
さて、この「情報の蓄積」について、そろそろ考える時期に来ている。
あるいは、すでにもっと早く考えるべきだったのかも知れない。
本に置き換えてみると分かりやすいかも。
私は、今でも図書館で本を借りることがある。特に、医療・健康関連の本を。
その際、必ず「いつ書かれた本か」は確認する。
たとえば、肝炎の治療について書かれた本があるとしよう。
20年前の本なら、C型肝炎の記述があるかどうかすら、怪しい。
10年前の本なら、C型肝炎は治癒が難しく、予後も悪い、と書かれるかな。
現在の本なら、C型肝炎は最新の治療法が発達し、かなり高い確率で治癒する。
というわけ。最新の情報でなければ意味がないわな。
この話は、ネット上の情報でも当てはまる。
10年前に書かれた肝炎の文章を、そのまま現在に当てはめることはできない。
特に、医療や健康のように、日々研究が進むような分野の情報は、
昔の情報が全くあてにならないことがある。
情報が逆転している可能性だってあるわけで。
結論としては、「ネット上の情報は、いつ書かれたものかを考えろ」ということ。
このブログにしたって、もう3年近く続いている。
3年前の情報が今でも通用するかっていうと、怪しいのも結構あるぞ。w
今までの感覚で普通に検索しているだけだと、この「時間」の概念が抜けることがある。
今まではそれでもそんなに問題なかった。どれだけ古くても、たかだか10年以内の話。
でも、時代が進むにつれて、そうはいかなくなるよ、ということだ。
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