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結局のところ、どうなの?

 久々にタミフルの話。asahi.comより。

http://www.asahi.com/national/update/0420/TKY200904200302.html

以下引用。

 厚生労働省の研究班(班長=広田良夫・大阪市立大学教授)は、
インフルエンザ治療薬タミフルを服用した10代の患者が、
飛び降りなどの異常行動をとる割合は、服用しない場合よりも
1.5倍高いとする最終報告書をまとめた。

 引用終わり。

 え、そんな結果だったっけ・・・と思い、続きを読むと・・・

 再び、以下引用

分析対象は06~07年にインフルエンザと診断された18歳未満の
患者約1万人。急に走り出すなどして死亡やけがに結びついた深刻な
異常行動は、タミフルを服薬した場合、服薬しない場合より1.25倍
発生率が高くなった。
特に10代では1.54倍高かった。これらを踏まえ、報告書は
タミフルの使用と異常行動・言動に、関連がないとはいえない」とした。
一方、うわごとなど軽いものも含めた異常行動全体では、
服用した場合の発生リスクは、服用しなかった場合の0.62倍で、
相対的に低かった。

 引用終わり。(強調は引用者による。以下同)

 だいぶ、印象が違うなぁ。
そもそも、この記事、見出しは「タミフル服用すると異常行動1.5倍」
ちょっと、大げさ、紛らわしくないか。

 さらに、最後にはこんな文章が。

 以下引用

研究班は、医療機関からの報告にばらつきがあるなどの理由で、
正確な解析が難しいとしており、広田班長はタミフルと異常行動の
関連性の有無を調べるには、研究の計画段階から疫学者を加えた
より正確な調査が必要だ
」と話している。

 引用終わり。

 この調査結果はあまり信用できない、と言っていることになるな。
結構な金と手間ヒマかけた結果がこれってどういうこと?

 だいたい、「計画段階から疫学者を加える」って、何をいまさら
それって、前任者の前の研究の時から分かっていたはず
それでもって、前任者と同じ失敗を繰り返した結果がこれってこと?

 うーん、この記事のネタ元がわかればなぁ。
もう少し、きちんと調べてみたいところではある。
どうも、記事のスタンスと、実際の情報にずれがある気がするんだ。

 だいたい、この調査って去年7月に発表されたものだよ。
私も記事を書いてるし。

タミフルと異常行動に因果関係はない」 

 でも、この後でデータ解析がおかしいという話になった。
書いたかどうかは忘れたけれどもw、
確か、学会でも「データ解析がおかしい」ということだけは確認された。
だから、最終報告が変更になったんだろう、とは思うけど。

 つまり、データ解析がおかしかったから、当初の発表から
結論が変ったんだけど、その変った結論に関しても研究班は
「正確な解析ではない」という意見。
ようするに、何も分からなかったってことじゃないのか?

 税金の無駄遣いにしか見えん。

 まぁ、この調査の最も大きな収穫は、
タミフルなしでも異常行動は起こりうる」ことを示したことだろうな。

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