ワクチンの話
新型インフルエンザに関するワクチンの話。
おそらく、今月末から来月頭にかけて、いろいろ議論されるだろう。
まず、基本的な知識をおさえておこう。
インフルエンザのワクチンは、それほど有効性は高くない。
なぜなら、常に変異を続けているウイルスであるから。
季節性インフルエンザのワクチンは、「今年はこれが流行るかも?」
と予想をたてて、それに合わせて作る。
この予想がぴたりと当たれば、ワクチンの効果は非常に高い。
まず、インフルエンザにかかることはないだろう、というくらい。
逆に、この予想が大はずれだと、ワクチンの効果はあまり期待できない。
とはいえ、全くの無効になるわけではなく、症状が軽くすむ可能性は高い。
喩えてみよう。
インフルエンザウイルスを「指名手配犯」とする。
やっかいなことに、こいつはしょっちゅう顔を変えることがわかっている。
ワクチンは「似顔絵入り手配書」だと思えばよい。
この「似顔絵」が似ていれば、ウイルスは体内に侵入してきても、
すぐに免疫に「逮捕」されてしまう。つまり、発症しない。
ところが、部分的に違うところがあると、「逮捕」までに時間がかかる。
時間がかかればかかるほど、症状は進む。
でも、全くの別人になるわけじゃないので、「似顔絵」に意味がないわけじゃない。
時間はかかるけど、いずれ捕まる。それは、「似顔絵」なしよりは早い。
わかりやすいか・・・わからんな。w
新型インフルの「ワクチン」といっても、完全なものではないということ。
今、国内で流行している型と、秋以降に来るであろう第2波で、
顔が変わっている可能性が高い。
ただ、全く面影がなくなるわけでもないので、全くの無効とはならない。
すなわち、かかっても重症化しにくい。せいぜい、普通のインフルエンザだ。
ヒトにとっての「新型インフルエンザ」とは、体内に全く免疫が存在しない
インフルエンザウイルス、ということである。
ということは、ワクチンを接種すれば・・・その人にとっては、
もう「新型」ではなくなる。と言ってもよい。
そうなれば、もうただの「季節性」インフルエンザでしかない。
この「新型」インフル騒ぎは、世界中の多くの人間が免疫を獲得して、
ようやく収束する。
つまり、みんなが「新型に感染する」か「ワクチンを接種する」かによって、
免疫を獲得しなければ、終わらない、ということ。
もちろん、その免疫も完璧ではない。それは季節性インフルと同じだ。
すなわち、今、国内で感染したヒトが、第2波で感染することはありえる。
それは、毎年季節性インフルにかかる人がいるのと同じことだ。
でも、そのヒトにとって「新型」ではないので、それほど重症化の心配はいらない。
パンデミックを早く終わらせる「切り札」になるのが、ワクチンである。
さて、そのワクチンをどうするか・・・。以下、続く。
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