「弱毒性」の意味は?
今回の新型インフルエンザは「弱毒性」である。
これは、かなり早い段階からわかっていたことであるんだけど、
・・・そもそも「弱毒性」ってどういう意味?
私の記憶では、「強毒性」「弱毒性」ってのは、
ウイルスのHAタンパクの開列部位のアミノ酸配列で決まるもの。
簡単に言うと、どの細胞に感染を起こすか、ということで、
上気道に限定されるのが「弱毒性」
全身感染を起こすのが「強毒性」
・・・ぜんぜん、簡単じゃないな。w
感染は上気道に限定されても、症状は上気道に限定されないから、
イメージはつかみにくいし。
全身感染を起こすと、ウイルスが血中にまで入った状況であり、
炎症が全身に及ぶ。下手すると、脳にまで。
歴史上、「強毒性」のインフルがパンデミックを起こしたことはない。
世界で数千万人が亡くなったといわれる、「スペインインフルエンザ」でも、
分類は「弱毒性」だったはずだ。
強毒性のウイルスって、有名なのは鳥インフルのH5N1だけど、
・・・他に知らない。
つまり、「弱毒性」のウイルスって言っても、それだけじゃあまり意味がない。
弱毒性でも数千万人が死んだ前例があるわけで。
「強毒性」でなくてよかった、とは思うけれど。
ところが、この「弱毒性」の意味が、途中から(?)変ってきている。
本来の定義から外れていて、単に「症状が軽い」という意味に使われているように思う。
今回の新型インフルに関して言えば、いまのところの評価ではあるが、
本来の意味で「弱毒性」であり、しかも、「症状が軽い」から問題はないが・・・。
弱毒性で致死率の高いウイルスってのも存在しうるんだけどな。。
まぁ、この意味の違いが問題になることは、ほとんどないだろうから、
それほど目くじらを立てる必要はないかも知れない。
| 固定リンク
「新型インフルエンザ」カテゴリの記事
- 新型インフル終結宣言(2010.03.02)
- 季節性インフルは来ないの?(2010.01.15)
- ワクチン、健康な成人にも接種へ。(2009.12.16)
- インフル患者減少へ(2009.12.10)
- ピークは過ぎているはずなのに(2009.12.07)
コメント
インフルエンザの濃厚接触者の停留期間が7日に短縮されましたが、潜伏期間には個人差があると思いますので短縮されても大丈夫でしょうか?
投稿: ななし | 2009-05-13 18:22
今のところ、報告されている例で一番長い潜伏期間が「7日」だから、ということらしいです。
もちろん、7日よりも10日の方が安全で確実なのは決まりきっています。
大丈夫じゃないかも知れませんが、元々、水際対策自体が穴だらけです。潜伏期寒中に検疫を抜けられたらアウトですから。
それに比べれば、この程度の「穴」は気にする必要はないでしょう。
投稿: kitten | 2009-05-13 23:48