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医学の進歩が、医療崩壊を招く。

 なんとなく、そういう面もあるんじゃないか?
と思っただけだけど。

 医学が進歩すればするほど、受けられる医療は不平等になる
ってことだ。たぶん、現状でもすでに起きている。

 癌の治療がわかりやすいかな?
治療法が存在しなかった頃は、もう単に「死の病」でしかなかったはず。
それは、金持ちも貧乏人も平等に。

 現在、どうだろうか。
治療法は増えている。しかも、べらぼうに高い治療法も増えてきている。
つまり、金持ちは高額な治療を受けることができる
貧乏人は受けることが出来ない。ここに、不平等が発生する。

 ただ、日本人の感覚としては「医療は平等なもの」であって欲しい。
そのために、国民皆保険という社会保障制度があるんだけれども。

 医療の進歩自体が、高度、そして高額な医療技術を生み出すことになる。
そして、高度な技術は不平等を生み出していく。

 この不平等を無理やりに「平等に」と要求するのであれば、
そりゃ、制度疲労を起こしてしまうのも無理がないのではないか?

 妊娠中におこった脳内出血で妊婦が死亡する事件があったとする。
そういう事例でもたぶん、日本中の名医が集まるような病院に搬送されていれば、
救命できたかも知れない。(あくまでも仮定。)

 つまり、最高レベルの医療資源を投入すれば、助かる可能性はあったのでは。
医学の進歩の結果として、「最高レベル」の医療と「平均レベル」の医療の差が
以前よりも開きつつあるのではないか?

 そして、国民は「最高レベル」の医療を平等に(=安価で)求める。
それに、今の現場が対応できるわけがないことは明らか・・・だよなぁ。

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 この論でいくと、国民皆保険崩壊、混合診療やむなし、となるのが自然だ。
悪く言うならば、貧乏人は質の悪い医療で我慢しろってことだ。
それがイヤなら、根本的に、国民の意識から変革していくしかないだろうな。

 医療は、コストがかかるものだということ。当たり前の話だが。

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