新型インフル患者を「発見」する意味
WHOは警戒レベルを6に上げたが、日本国内は比較的冷静だ。
・・・というか、無関心と言えなくもない。
国内の感染は広がり続けているけれども、報道は少ないし。
散発的に発生する分には、気にしなくてもよいかも。
さすがに、学校や施設で集団感染したらまずいけど。
新型インフルの確定診断のためには、RT-PCRを行う必要がある。
手間ヒマもかかるし、お金もかかる。時間もかかる。
新型だろうが、季節性だろうが、インフルはインフル。治療法も同じ。
臨床的には、「A型インフル」とさえわかれば、問題ない。
どっかで見た話だが、「A型インフル陽性」でRT-PCR検査に回されて、
結果「A香港」と判明した場合・・・。関係者はホッとするだろう。
でも、(対外的な評価を別にして)体の症状だけでいえば、
新型だろうがA香港だろうが、つらいのは一緒じゃないか?
むしろ、新型の方が症状は軽い可能性が高いんだけど。
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ただ、疫学調査を行うためには、確定診断をする必要がある。
発生初期の段階では、「どれくらい患者さんがいるのか」を調べるために、
疑わしい患者さんを、できるだけ多く検査する必要はあると思う。
症例を集める意味もあるので、確定診断は必要だ。
最終的にパンデミックの状態になれば、確定診断など無意味だ。
というか、簡易検査すら不要になる。すなわち、
「これだけ新型インフルが流行している状態で、その症状なら、
新型インフルに決まってるだろう。」と。
要するに、「最初は確定診断が必要」「最後は、確定診断は不要」になる。
となると、どの時点でRT-PCR検査の体制を緩めるかが問題になる。
最初は必要。最後は不要。じゃ、どこで切り替えるの??
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アメリカやカナダでは、すでに全例検査なんてやってない。
WHOに報告されている「確定患者数」は、あくまで確定した数だけ。
実際の患者は、もっともっと多いことは間違いない。
ただ、疫学調査に必要だから、「ある程度の割合で」確定検査をしている。
では、日本ではどうだろうか?
確定患者で500人を超えている。
日本でも、疑いのある患者さん(簡易キットA陽性)で、
PCR検査してない患者さんは結構多いはず。
それ以前に、症状が軽くてそもそも病院に行かない人なんかは、
もう確認のしようがない。
実際の国内の患者数は・・・どれくらいなんだろう。
感染経路の不明な人もいるし。少なくとも、1000人以上。
ひょっとしたら、もっともっと多いかも知れない。よくわからないだけで。
日本としては、ちょうど今くらいの時期が「切り替え」のタイミングなのかも。
症例はある程度出揃ってきたし。感染経路がわからないことも多くなりそう。
全例を確定させる意味も薄れてきつつある。
厚生労働省がしっかりしているのなら、
新型インフル患者を「発見」することに、それほどの意味がないことを
しっかり国民に伝えた上で、検査体制を縮小すべきだろう。
でも、厚生労働省だからなぁ。姑息な手を取るかも。すなわち、
「メディアがおとなしいうちに、こっそりと検査体制を縮小してしまう。
国民には(それほど)説明しない。」
国民は何も知らない間に検査体制を縮小されてしまう。
そうすれば、結構広がってしまっていても、見つからない、報道されないから、
パニックにならずにすむ、という。w
・・・実は、すでにそういう流れになっているのかも知れない。
もっとも、後でばれたらエライことになるんだけど。。
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