いまさら「ワクチンが足りない」だと??
どうも、ワクチンを輸入する話に決まりそうだ。
副作用がおこった場合、(海外)メーカーは責任を取らない。
その場合の補償は、全て日本政府が行うことになりそう。
いや、その条件を呑めなきゃ輸入できない訳だから、
しょうがないだろうが。
さて、今頃になって「ワクチンが足りないじゃないか」という報道がある。
ひどいのになると、「厚生労働省が仕事してないからだ」とか。
はっきり書いておく。厚生労働省が仕事をしていないのではなく、
マスコミ(特にコメンテーター)が無知なだけだ。
私は、「ワクチンが足りない」というのはとっくの昔に指摘している。
「史上最大の賭け」(09/05/26)
輸入ワクチンの問題点についても、
「ワクチン輸入?」(09/07/16)
で述べている。
ワクチンが足りないのも、ワクチンの輸入に問題があるのも、
とっくの昔にわかっていた話。何をいまさら・・・。
興味がなくなればまるで報道しないくせに、加熱してくれば国が悪いかのような
報道を垂れ流すってのは、どういうことだよ。
もちろん、厚生労働省が最善を尽くしたかどうかの評価は、
難しいものがあると思う。
ワクチンに関して言うならば、最善の策としては、
新型が発生する前にワクチン供給体制をもっと充実させておくべきだった。
でも、今頃いっても遅いわな。
.
舛添厚生労働相は、輸入ワクチンについて最低100人の治験を行うと発表した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090827-00000027-mai-soci
たった100人?そりゃ、何かの儀式ですか?
100人調べれば、たとえば接種部位が赤くなるだとか、少し発熱するだとか、
そういう副作用の頻度ならある程度はわかるだろうけれども・・・
・・・それが何か?
ワクチンの副作用でそんなもん問題にならない。
一番問題になるのは、神経障害や重い後遺症が残るような重篤な副作用。
そういう重い副作用は、ごく稀、少なくとも0.1%未満くらいでしか起こらない。
たとえば、1万人に1人の割合で重い神経障害の副作用が出ると仮定する。
(この確率は、普通のワクチンよりもはるかに高い確率だ)
100人の治験でその副作用が発見される確率は大雑把に計算して1%だ。
まず、発見されることはないと思う。
で、そのワクチンを1000万人に接種すれば、
1000人に重篤な副作用が起こるぞ。それでいいのか??
.
何が言いたいか、と言うと、
「100人の治験なんて、何の役にも立たない。」ってこと。
単なるポーズにすぎないんじゃないのか?
私は、危険だから輸入ワクチンをやめろ、と言っているわけではない。
輸入ワクチンにはどちらかというと反対だが、それは別の理由からだ。
まさか、舛添さんは本気で100人の治験で安全が確認できると思ってるのか?
タミフルの危険性は、1万人規模で調査してもわからなかったんだぞ。
.
私は、この部分では厚生労働省を批判したい。
「100人治験」は舛添さんが考えた訳じゃないだろう。
「何もわからない国民をだまくらかそう」と考えている官僚がいるんだと思う。
海外のワクチンについては、安全性の情報もオープンにすべき、という意見もあった。
私がオープンにしておこう。
「100人治験したところで、ワクチンの安全性に関する信頼は全く向上しない」と。
.
接種を急ぐのであれば、「治験しない」という選択肢でよいと思う。
まともに治験すれば半年かかる。それじゃ輸入する意味がない。
だから、安全性に(やや)不安はあるが、治験なしで接種する、、でいいじゃん。
逆に、安全性を重視するんなら、しっかり治験すべき。
というか、時間的に間に合わないなら輸入しなければよい。
これは、海外のワクチンが信用できないんじゃなくて、日本の法律の問題なんだが、
それはそれでしょうがないじゃないか。
それを「100人治験」なんて、、デモンストレーションというか、儀式というか。
「安全」を演出するためだけのポーズというか。
どう考えても、「何とか国民をごまかして輸入する」と考えているようなしか見えない。
マスコミも、しっかりと勉強してそういう点を批判すべきだろう。
まぁ、勉強してないから周回遅れのおかしな批判しかできないんだろうが。
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