新型インフルエンザ検査の現状
出始めの頃に記事を書いたけど・・・
新型インフルエンザの検査方法(09/05/01)
当時とは状況が変わってきているので、もう一度整理して書いておく。
検査方法自体は、全然変わってないんだけど。
.
インフルエンザが疑われた場合、医療機関では検査キットで検査する。
これは、A型か、B型かが割と簡単に判別できる。
もっとも、精度はそれほど高くないので、発熱後すぐだと、
検査で陰性とでることもある。これは、新型でも同じこと。
A型だと、新型インフルエンザの可能性がある。
が、原則としてそれ以上の検査はしない。
新型を確定するためには、PCR検査が必要になるが、
現状では、一部の人しか行われていない。
つまり、「新型」と確定されることはほとんどない。
全ての人にPCR検査をしない理由は2つ。
1つは、PCR検査しても症状や治療に影響しないため。
新型インフルだろうが、季節性インフルだろうが、
症状も治療法もさほどかわらない。
季節性だって、しんどいことにかわりはないし。注意は必要だ。
つまり、検査することによって治療方針に変化があるわけではない。
治療の役に立たないんなら、検査する必要はないだろう。
もう1つの理由は、医療機関で簡単にできる検査ではないこと。
それなりの設備のある研究所で、それなりの技術者が検査することになる。
お金も、手間ヒマもそれなりにかかる。
ぶっちゃけ、全例検査なんてやれば、金も人手もどれだけかかることか。
なので、やらない。
PCR検査は「流行の広がり」を調べるためだけに、
定められた医療機関の一部の患者のみ、行われているのが現状だ。
.
それは、今までもそう。医師から診断されるのは「A型」か「B型」くらい。
(医師によっては、インフルエンザとしか言わないかもしれないが。)
「A型」でも「Aソ連」と「A香港」があるが、普通は調べない。
患者本人が、自分が「新型」か「季節性」かを知る必要はない。
調べてみて「季節性でした」でも、しんどいことに変わりはないし、
他人への感染に注意を払う必要があるのも変わりはない。
新型かどうかを知る必要があるのは、公衆衛生に携わる関係者の方だけだ。
.
さらに言うなら、この季節(9月)で「A型インフルエンザ」と診断されれば、
まず「新型」と思って間違いはない、、という事情もある。
事実、PCR検査をしても大半が「新型」だし。
もっとも、季節性インフルが広がる季節になると、そうも言えなくなってくる。
ただ、それでも検査すること自体に治療上の意味があまりないのは変わらない。
「新型」だろうが「季節性」だろうが、症状は変わらんのだから。
.
将来的には、今、医療機関で使われている検査キットで、
「新型」が判断できるようになるか・・・というと、微妙なところだ。
まず、技術的に可能かどうか。私にはそれはわからない。
簡単ではないが、不可能ではない、くらいの話じゃないかなぁ・・・。
あくまで、私の勘だけど。
ただ、治療する上で「新型」か「季節性」かの区別が重要ではないので、
それほど需要がないと思われる。わざわざ技術開発・・・するかなぁ。
今でも、「A香港」と「Aソ連」は簡易キットでは区別されてないしな。
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コメント
最近、娘の中学校でもインフルエンザが出ました。で、「A型だけど新型じゃない」と聞いてきました。新型の検査って簡単にできるようになったの?と、疑問が出てきてこちらを読ませていただきました。
翌日、学校に来たその子はすぐに家へ帰されましたが、この手のパターンはたくさんありそうですね…。しかも日本語がよくしゃべれない子でして。
んーやっぱり、自己防衛してがんばるしかないようですね。我が家は子どもが3人なんで1人が罹ったら長期戦です(T_T)
投稿: JOHN-JOHN | 2009-09-14 11:37
↑ついでにケロコロで画面を埋めてしまったーーー!(^^)!!(^^)!!(^^)!
投稿: JOHN-JOHN | 2009-09-14 11:40
「A型だけど新型じゃない」ですか・・・。
今のご時勢では珍しいですね。
今の簡易検査で「A型」と出た場合は、「新型インフルエンザの疑い」とされます。
その辺を間違えて解釈すれば、「新型ではない」と言えなくもない・・・かなぁ。
っつーか、新型じゃなくても、インフルエンザなら学校に来ちゃダメです。(苦笑)
「新型」でも「季節性」でもかわらない、という表現は、
「新型でも、そう大した病気ではない」という意味でもありますが、
「季節性でも、なめちゃいけない」という意味もあります。
かかってしまうとつらいのは一緒ですし。
投稿: kitten | 2009-09-14 18:30
新型ではない。。。が気になりました。先日、娘がインフルエンザでA型陽性の診断で保健所に問い合わせたところ、『現状では今流行は新型の可能性が100パーセントに近い為追跡検査(PCR)はしていません』っといわれました。今回、こちらを拝見しそうかぁ~と納得しました。みなさん、とにかく用心ですね。
投稿: なな | 2009-09-20 19:17
またまた、失礼します。
町内の小学校でインフルエンザが出たんですが、学校のお便りでは「新型インフルエンザは出ておりません。」と書いてあったそうです…(^_^;)
新型の可能性有りだけでもいいから言ってほしいですぅ(T_T)
投稿: JOHN-JOHN | 2009-09-25 12:57
仮に「新型でなかった」としても、
インフルエンザが出ている時点で、
感染に注意を払う必要はあります。
どうも、上の方の(責任者のある)人達は、
「新型でなければ問題ない」と考える傾向がありますね。(苦笑)
現場の医療機関では、インフルエンザなんて珍しくもありません。
ありふれた日常になりつつあります。
投稿: kitten | 2009-09-25 22:22
新型かどうかの判定がでないと困る点が一点ありあます。現在病院ではインフルエンザの判定がA型までで、新型かどうか確認がとれませんので、A型インフルにかかったあと、新型インフルエンザの予防接種を受けるべきかどうか、という判断に悩みます。新型にかかった上で、さらに新型インフルの予防接種を受けること自体は問題ないと病院に聞きましたが、一般的にみなさんはどうしているんでしょうか。
うちは2歳児で、新型インフル予防接種を予約していましたが、打つ前にかかりました。
投稿: Mitera | 2009-12-24 16:20
今のところ(2009年12月現在)、
A型インフルエンザは、ほとんどが新型であるというデータがでています。
なので、この時期ならば予防接種を受けないという選択肢はありえます。
(というか、私なら受けません)
予防接種を受けたからといって、絶対にかからないわけではないからです。
今の時期なら、予防接種を打っているよりも、
「A型インフルエンザにかかった」という事実の方が、
よっぽど信用できます。
新型と確定されていなくても、です。
もちろん、予防接種を打つことにより、
さらに免疫を高めることができる、という考え方もあります。
結局は、個人個人の判断になると思います。
問題は、季節性がもっと流行した場合です。
A型インフルの中で、新型の割合がたとえば5割、とかになってくると、
うーん、私なら予防接種打ちますね。
私の中では、新型にかかった確率が80%以上、くらいが目安かな、と。
あくまで、私個人の感覚にすぎませんが。
投稿: kitten | 2009-12-24 23:49