ケンコーコムの暴挙
これはもう、暴挙といっていいだろう。
医薬品、健康食品のネット販売大手のケンコーコムが、
事実上、第1類、第2類の医薬品の販売を再開した。
情報源は、「薬局のオモテとウラ」さん。
http://blog.kumagaip.jp/article/33227522.html
ここの管理人くま☆さんは「大変残念」という、
大人の対応をしているが。私は、ぶちきれている。
一応、話の流れとしては・・・
「医薬品のネット販売規制」(09/01/07)
薬事法改正により、一般用医薬品は、リスクにより3種類に区分される。
上から、「第1類」、「第2類」、「第3類」
第1類は、薬剤師の対面販売が義務付けられた。
第2類、第3類は、登録販売者でも販売可能。
ところが、この区分ができる前は、ネット販売では規制が何もなかった。
事実上の野放し状態だった。そこで、法改正で規制されることになった。
結果、ネット販売では「第3類のみ」とされた。
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ところが、ここからネット販売側が盛り返す。
ガスター、リアップなどの1類はともかく、漢方薬やほとんどの風邪薬が
入る2類の販売まで規制されては、売るものがほとんどなくなってしまう。
消費者の利便性を訴えて、とりあえず「一部例外」を設けた。
すなわち、「今までネットで買っていた人は、継続して購入可能」
また、「離島などに住んでいる人は、購入可能」と。
実は、この問題は時間制限ぎりぎりまで話し合われた結果、こうなった。
少なくとも、私はこれで決着、とは思っていなかった。
まだまだ途中の段階であり、これから利便性と安全性について詰めていく、と。
1類はともかく、2類の販売は条件付で認めるべきじゃないか、と思っていた。
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その後、ケンコーコムは、国を相手に訴訟を行っている。
是非はともかくとして、心情は十分理解できる。
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ところが、、だ。国に対して訴訟を行っている段階でありながら、
ケンコーコムは、またしても法の隙間をつく暴挙に出る。
シンガポールに子会社を作り、「海外からの個人輸入」という建前でもって、
禁止されているはずの第1類、第2類医薬品の販売をはじめたのだ。
しかも、通常はドラッグストアでは販売できない、排卵検査薬まで。
あれは、医療用医薬品の範疇に入るだろうに・・・。
個人輸入って言っても、売ってるものは日本の一般用医薬品だし。
普通のケンコーコムのサイトと見比べても値段は同じ。
あくまで推測だけど、たぶん、商品はシンガポールにはないんじゃないかな?
個人輸入であれば、薬事法の規制にはかからない。
つまり、法的には何の問題もない訳で。
そのかわり、何かおこったら全て自己責任になる、、と書いてある。
でも実際にはどうだろうか?
商品が、日本で売られているものと全く同じである以上、
それは個人輸入だからダメ、、ってのは、ちょっと考えにくい。
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ケンコーコムは、訴訟までおこしたくらいなんだから、
正当な手段でもって、法律を改正する方向で進んで欲しかった。
今でも、「規制反対の声を上げよう」と言い続けているけど・・・
法の隙間をついて、販売を再開させておいてそれはないんじゃないの?
小さな企業が、こそこそっとウラでやってることは知ってたけど。
ケンコーコムみたいな大手が、そんなことやっちゃいかんでしょ。
もう、訴訟はどうでもいいんだろうな。
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