IBSと治療薬
アステラス製薬がIBSについて宣伝をしている。
IBSって略してわかる人間は、いないと思う。
日本語では、「過敏性腸症候群」と言われている。これなら、知ってる人もいるかも。
IBSの定義は、腸に原因となる異常が見つからないのに、
慢性的に腹痛や下痢、便秘をくり返す病気、となる。
日本人では5から10人にひとりくらいがIBS、と推定されているらしい。
ま、私もそれっぽい症状はあったりするけど。
たいがい、ストレスが原因だと思う。
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アステラス製薬は、あくまで「IBSという病気があります。」
「お医者さんに相談したら、よくなるかもしれません。」
というアピールをしているにすぎない。
医療用医薬品の宣伝をしてはいけない、というしばりがあるからして。w
実際にアステラスが売りたいのは「イリボー」という薬だ。
発売されたのは去年だと思う。今までにないタイプの薬で、
IBSの中でも、お腹がゆるくなる症状の人に効果がある。
今までにも薬がないわけではなかったんだけれども・・・
直接、下痢を止める薬とか、お腹の調子を良くする薬、とかで。
IBSに直接効果があるかっていうと、ちょっとなぁ、、と。
そこに出てきたのが、イリボー。
実は、元は抗癌剤治療の吐き気止めとして使われている成分を
思い切り用量を少なくして使っている。
まぁ、そういうのも今までにないタイプの薬だ。
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最大の問題点は、(今のところ)女性には使えないという点かな。
元々、IBSの患者は男性の方が多いと思うけど。
女性は、下痢よりも便秘の傾向が強いため、この薬は使えない。
特効薬というほど強力な効果はないけれども、
従来の治療法と比べると、ずいぶん改善されるんじゃないか、と。
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アステラスに限らず、最近はこういう「生活改善薬」が増えている。
放置しても命に関わることじゃないけど、生活の質が下がる、という病気。
他にも、AGA(男性型脱毛)とか、OAB(過活動膀胱)とか、
あ、ED(勃起不全)もそうか。w
なんで、わざわざ略語を使うのかわからんが・・・。
どれも、医師の処方があればちゃんとした薬がある。
で、その需要を喚起するために、メーカーがCMを打つ、と。
あざとい気もするけれども、それで生活が改善されるのであれば、
ま、いいんじゃないだろうか。
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