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ワクチン接種後の死亡例

 新型インフルエンザワクチン接種後の死亡例が報告されている。
厚生労働省の専門家検討会は、現時点で重大な懸念はないとの結論を
まとめた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091121-00000033-mai-soci

 今のところ、副作用の発現率は季節性と大差ないと言われている。
11/16までで、450万件の接種に対し、副作用報告は877件。
うち、入院相当の重篤な副作用は68件。
10万件に1~2件ある、くらいの計算になる。

 一方、接種後の死亡例は21件に上っている。
このうち、「副作用」として報告されているのがどの程度かは不明。

 まだ、評価できる段階ではないが・・・。
やや多いんじゃないかな、とも思うが、問題にするほどではない。

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 おそらく、因果関係のない死亡例もカウントされているだろうから。
例えば、1日に全人口の1億2000万人に接種したと仮定する。
その場合、「接種後の死亡例」は、1日で3000人くらい出るはずだ。

 なぜかというと、日本では毎日それくらいの人が亡くなっているから。
別の言い方をすると、毎日、4万人に1人くらいは亡くなっている
450万人も接種すれば、100人くらい亡くなってても不思議じゃない。
それも、「基礎疾患あり」ってことは、一般の人よりも死に近い。

 そう考えると、死亡例といっても、全例が出ているわけではないな。
おそらく、因果関係のなさそうな事例は報告されていないだろう。
そうすると、確率が動くからまた難しくなるが・・・。

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 大雑把に言うと、「たいした問題じゃない」となる。
1万人に1人くらいでどうにかなるなら、かなり問題だと思うが、
そのレベルではない、と。

 そもそも、インフルエンザの予防接種ってそういうもんだし。
10万人1人くらいの副作用発現率でも、1億人に打てば1000人。
接種人口が多いもんだから、件数は増える。
 100%安全なものなんてないんだし

 じゃぁ、なぜ予防接種をするのか?
1つには、リスクとベネフィットの問題がある。
予防接種を打って、重篤な副作用にあって苦しむ確率よりも、
予防接種を打たないで、インフルエンザにかかって苦しむ確率の方が高い。
 どっちを選ぶ?という話。

 もう1つ、公衆衛生上の問題だ。
みんなが予防接種を打つことで、社会でのインフルエンザの流行を
押さえ込むことができる、という考え方。

 医療従事者は特にそうだな。
自分がかかっても大したことはないが、万が一患者さんにうつすと、
大事になりかねない。
 特に、一人で開業している医師なんかは、別の意味もある。
自分が倒れると、その間、診ている患者さんに迷惑をかける。

 自分のためだけではなくて、他人のために、予防接種を打つ
そういう意識も大事だと思う。

 そのために、ごくわずかのリスクを引き受けなければならない、と。
それが嫌な人は、無理に接種する必要はないと思うが、
予防接種をしない人は、自分だけでなく、他人にもインフルにかかる
可能性をあげていることを自覚すること。

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