話題の「事業仕分け」。
漢方薬に関して、保険外になるのでは?と話題になっている。
実際、私も(知らない間にw)「反対」の署名をしている。
漢方薬保険外に(産経の記事)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/091129/biz0911290002000-n1.htm
以下、一部引用
「公的医療保険の対象として湿布薬、うがい薬、漢方薬など薬局で市販
されるものまで含めるべきか。見直すべきではないか」
今月11日の行政刷新会議に提出された、財務省の論点ペーパーに沿って
行われた議論の結果、市販類似薬は「保険外」の判定となった。市販類似薬
の範囲については「議論が必要」と結論を先送りしたものの、
漢方薬が「保険外」となれば医師の処方はできなくなる。
保険診療と保険外診療を併用する混合診療は、原則禁止だからだ。
引用終わり(強調は引用者)
はっきりいって、そんなことになれば現場は大混乱だ。
「全く漢方薬を使わない医師」って・・・1割もいないんじゃないか?
ただし、上の記事(引用部分)をよく読んでみると、
「漢方薬が保険外となる」とは・・・書いてない。
ようするに、市販類似薬について、保険外にしたい、という流れがあり、
あとはその市販類似薬の中身の問題だと思う。
で、「市販類似薬の範囲」について結論を先送りにしているんだから。
今の時点では「漢方薬が保険外になるかも知れない」くらいだな。
.
実際の仕分けの会議録を文字でアップしてくれた人がいた。
http://fp-the-ambiguous.blogspot.com/2009/12/blog-post.html
詳細は、上のリンクを読んでもらえればわかる。
仕分けの内容は、全て公開されていた。
今なら、ニコニコ動画から見ることができる。(ただし音声のみ)
ただ、動画を見るのは時間がかかる・・・。
そこで、問題となった部分のみ、文字でおこしてくれた。
それを見た私の感想は・・・
「漢方薬については、何も議論していない」
最初に官僚が漢方薬について、簡単に説明している程度。
あとは、最後に「漢方薬を外すのは反対」と叫んだ仕分け人がいる。
・・・おそろしいことに、本当にそれだけだ。
.
なんで、これだけの議論でそんな話になるか、というと、
もともと、財務省の書いた資料の中にそう書いてあるから。
でも、仕分けの議論自体は、財務省の資料どおりに進んだ訳ではない。
官僚の意見としても「治療費の負担が増えるので、法改正が必要」
とか「保険外にするという方向すら、決まっている訳ではない」とか。
少なくとも、すぐにどうこうするといった話ではない。
.
仕分け作業は、国民に公開されている。
つまり、仕分け作業で「漢方薬については何も議論していない」のは、
明らかになっている。
いくらなんでも、「議論していないのが明らかなのに」漢方を
外すなんてことは、不可能だろう。
.
じゃぁ、なんで冒頭の産経新聞のような報道が出たか?
1つには、記者が仕分けを見ていないんじゃないか、と。w
単に、手を抜いているだけじゃないか?という説。
もう1つは、危機感を感じた漢方業界が先手を打って動いたから。
さすがに、「こんなので保険から外される」とは本気で思ってないだろう。
ただし、いずれは議題に上ることが考えられる。
少なくとも、財務省が本気なのは間違いないし。
.
私の意見としては、全体をどうこうっていうのは、暴論だと思う。
湿布にしても、風邪薬にしても、漢方薬にしても、
「これは必要だろう」ってのもあれば、「これはムダ」ってのもある。
例えば、
「薬局でナイシトール(注:防風通聖散)買うと高いから、
先生に頼んで出してもらった」
なーんて話なら、保険医療費の無駄遣いだと思う。
湿布でも、「セルタッチパップ 30袋」とか、すさまじいのも
見たことある。絶対に余るに決まってる。
つーか、他人に売ってるんじゃないだろうな?みたいなの。
こういうのは、びしばし削るべきだと思うけれども。
その一方で、本当に必要なものもある。
保険者、支払い基金が、より厳しくやればいいだけのような気がする。
最近のコメント