金曜日の夜
薬局にとっては、ある意味、一番怖い時間。それが金曜日の夜。
在庫していない薬を取り寄せるのに、
一番時間がかかるのが、金曜日の夜だから。
たいていの卸業者は、土、日が休みだ。
当番のいるところもあるけど、動きは平日よりはるかに鈍い。
また、卸の支店にちゃんと在庫があるとも限らない。
なので、金曜日の夜に、在庫していない処方箋を受け付けると、
足りない薬が入荷するのが、月曜日になってしまう。
状況にもよるけれども、これは結構厳しい。
たとえば、急性の症状で、すぐに薬が必要なのに薬がない。
そんな状態で、「月曜日に入ります」って言ってもなぁ・・・。
なんとかしてあげたいけど、なんともならないことも多い。
そんな訳で、金曜日の夜は恐ろしい。
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薬局は、全ての薬を在庫しているわけではない。
1000種類も在庫があったら、多いほうじゃないかな?と思う。
でも、医師が処方できる薬の種類は、軽く1万種類はあるだろう。
つまり、桁が一つ違う訳で。
薬局は、当然よく使われる薬を在庫する。
めったに使わない薬や、聞いた事もないようなメーカーの薬は、
まず置いていないし、取り寄せにも時間がかかる。
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先日の金曜日の夜。7時過ぎに処方箋を持ち込まれた。
手術(ちょっとした処置だと思うが)のあとの、化膿止めの抗生物質だが、
これがまた後発品のメーカー指定の処方で来た。
そんなもん、おいてない・・・。それは仕方ない。
つーか、後発品のメーカー指定はマジ勘弁して欲しい。
7時を過ぎると、周辺の薬局で開いているのはウチくらいのもんだ。
さらに、開いていたとしても、そんな薬置いている薬局はまず考えられない。
もう、これは何とかしてもらわないとしょうがない、と医師に連絡した。
「ウチで調剤すると、月曜日になってしまうので、
できれば処方の変更をお願いしたいのですが・・・」
たいてい、これで変更してくれるんだけどな・・・。
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恐ろしいことに、「いや、そのメーカーでお願いします」と言われた。
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・・・裏金でも、もらってんのか??(怒)
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困るのは、患者さんだ。
土、日はあいている薬局を探すのも、結構大変だって言うのに、
その中で目的の薬を置いている薬局を探すなんて・・・ま、無理だ。
患者さんに事情を説明したが、案の定、怒って帰られた。
(つーか、この場合怒りの矛先は処方元の医師だ。)
万を超える種類がある医薬品全てを薬局に在庫しろってのは、
どう考えても無理な訳だから、
こういう、どうしようもない状況では、医師は柔軟に処方を変更して欲しい。
どこにでもあって当然というような医薬品なら薬局が悪いけど。
金曜日の夜に、二流の後発品のメーカー指定なんか、無理だって・・・。
医師にはこだわりがあるのかも知れないが、調剤することすらできない薬に
こだわられても困る。患者さんを第一に考えるべきだろう。
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