疑義照会すべきだけど・・・
本来は、疑義照会すべき処方箋だけれども・・・。
間違いが明らかなので、あえてスルーした例を紹介してみる。
ちなみに、受付はどちらの例も土曜日。
処方元の病院は、遠方だったり休みだったりで、
すぐに疑義照会することができない状況だった。
(さすがに、近隣の医院なら疑義照会してたと思う。)
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<処方実例1>
レンドルミンD錠0.25mg 1T
マイスリー錠10mg 1T
1日1回 朝食後 5日分
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レンドルミンもマイスリーも、よく使われる睡眠薬だ。
なぜ、朝食後に服用するのか意味不明。朝起きて寝ろってか。
患者さん本人に確認したところ、「普通に寝る前にのみます」
とのことだった。まぁ、医師のミスだろう。
寝る前に服用してください、と説明して投薬した。
ちなみに、この患者さん、おそらく、
医療従事者(つーか、看護師)であることがわかっている。
この処方も、勤め先の医師にお願いして書いてもらったもの、
と予想がついた。相手もプロなら、もういいだろ、と疑義照会省略。
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<処方実例2>
フォサマック錠35mg 1T
1週間に1回 朝食後(空腹時)
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フォサマックは、骨粗しょう症の薬。
35mgは、1週間に1回の服用。それは問題ない。明らかに問題なのは・・・
朝食後(空腹時)
・・・どういうことやねん?w
朝食後で、しかも空腹時って??この処方が正しいとするならば・・・
1.朝食はごくわずかだけ食べてから、空腹に近い状態で服用する。
2.朝食を少し食べた後、お腹が空いたときに服用する。
ま、どっちもあり得ないわ。
通常は、「起床時」または、「朝食前」で服用する薬なので、
もう、それで説明しておいた。
つーか、朝食後(空腹時)は説明できない・・・。
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ちなみにどちらの例も、「疑義照会する」のが正解だ。
むしろ、投薬したら薬剤師法に違反しているといってもいい。(汗)
ただ・・・ねぇ。間違いが明らかで、どう間違ってるのかも明らか。
患者さんを激しく待たせてまで(おそらく、週明けまでかかる)
疑義照会する必要があるのか?この事例で。
私は、私の責任であえて疑義照会なしで突っ込んだ。
疑義照会することで減る患者さんのリスクよりも、
疑義照会しないことによる、待ち時間の短縮というベネフィットの方が、
はるかに大きいと判断した結果だ。
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ただこれは特異なケース。私が疑義照会をしないのは
「間違っているのが明らか」かつ「どう間違ったのかもほぼ明らか」
な場合で、「疑義照会に恐ろしく長い時間がかかる」ケースだけだ。
たとえば、処方例2のケースなら、
「1週間に1回」の表記がないなら疑義照会したと思う。
その場合、用法ではなくて薬が間違っている可能性が出てくる。
処方例1のケースでも、相手が医療従事者でなければ
念のために疑義照会したと思う。
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ま、教科書や本には、こんなことは書いてないと思う。
(法律違反だからな。)
でも、教科書と現場では、どこの世界でも隔たりはあるだろう。
正直、この内容を実名をさらして書く度胸はない。w
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