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クレスチン2.5mg?

 疑義照会・・・には至らなかったのだが、
普通は疑義照会するであろう実例。

<処方実例>

メバロチン10mg 夕食後 28日分
クレスチン2.5mg 夕食後 28日分

以上。

 手書き処方箋。きわめて読みづらい上に、色々省略されている。
問題の多い処方箋でもある。(苦笑)

 メバロチン10mgは、本当に二重線で消されていた。
まぁ、修正のある処方箋って、そんなに珍しくもない。

.

 さて、この処方の問題点は何か?

 ウチの薬局で、一目問題になったのは、「クレスチン」だ。
昔は在庫していたんだけれども、今は在庫していない。
取り寄せになるので、時間がかかることを伝えると、
「他の薬局でも同じようなこと言われた。
 仕方ないから、在庫している薬局を探すわ」
と、立ち去られる・・・。そこを呼び止めた。w

 もう一度、よく処方箋をみてみる。

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 クレスチン2.5mgって何???

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 クレスチンという薬は、「1包2g」の粉薬だ。
カワラタケ配糖体。(あまり効く気はしないのだが、)
一応「ガン」に効くことになっている薬。
 ただし、かなり昔の薬。薬価収載が1977年って私と同い年。
なので、現役で使われることは少なくなっていると思う。
クレスチンを置いている薬局って、かなり少ないんじゃないのかな?

 でも、クレスチンなら2g。つーか、1日6gが普通だろう、と。
2.5mgってなんだよ。
ここで、ピンときた。メバロチンがわざわざ消されているのもヒントだ。

 患者さんに確認してみたところ、案の定だった。
医師からは、「コレステロールの薬を変更する」と説明を受けた、と。

.

 コレステロールの薬で「2.5mg」この時点で、候補は一つだけ。
しかも、「クレスチン」と名前が良く似ている。w

 クレストール2.5mgを出すつもりで、書き間違えたんだろう、と。
おそらく、この推測で99.9%アタリだと思う。

 で、疑義照会・・・になるはずだったんだけれども、
診療所がすでに閉まっていて、疑義照会ができなかった・・・。
99.9%アタリだとは思うが、さすがにこれを疑義照会なしでは出せない。

 とりあえず、患者さんには事情を説明した。
この処方箋は、まず間違いなく医師の書き間違えだ、と。
ただ、このままじゃ出すことができないので、先生と連絡つくまで
待って欲しい、と。

 残念ながら、この患者さん、家が遠いという理由で帰られた。
明日にならなきゃもらえないのなら、近所の薬局でもらう、と。
まぁ、クレストールなら置いている薬局の方が多いだろうから、
それでもいいと思う。
 処方箋が間違っていることも、患者さんから薬局に伝えてもらえれば
済む話だし。

 微妙なところだが、「クレスチン」が何かを知らない薬剤師ならば、
単に「在庫がないから」といって断る可能性がある。
(つーか、実際に断った薬局がいたらしい。ウチで2軒目だったそうな)
私も、過去にクレスチンを調剤した経験があるから、わかったけど、
経験がなければ、医師のミスに気づかなかった可能性はあると思う。

 ウチで調剤できなかったのはちょっと残念だけど、
不毛に薬局を探す旅から、患者さんを解放できたのでよかったと思う。

.

 しっかし、この先生、手書き処方箋で間違って書くってどういうことよ。
コンピュータでオーダリングシステムとか入っているのなら、
「クレス」で検索してつい間違えたのを入力した、ってケースがありえるけど。
・・・手書きなのになぜ??w

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 ・・・とここまで書いて気がついた。
ひょっとして、「クレストール5mg」と書いてあったのが、
ものすごく字が汚くて「クレスチン2.5mg」に見えたんじゃ???

「ト」が汚くて「チ」に見えた上で、「ー」と「ル」の左の「ノ」を
あわせて「ン」に見えた。
 さらに、「ル」の「レ」の部分が汚くて「2」に見えたとすれば??
(わからん人は、できるだけ乱雑に実際に書いてみて欲しい)

 元々、字はとっても汚い先生だ。書き間違えよりも、
その方が可能性はあるような気がしてきた。
処方箋を持ち帰られてしまったので、今となっては確認しようがないんだが。
 その場合、私の予想とは異なり、「クレストール5mg」が正解だったかも知れない。

・・・恐るべし、手書き処方箋。w

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