ヨウレチンは何に使う?
疑義照会実例。
今回は、正直言って私もいまだによくわかっていない。(苦笑)
<処方実例>
ヨウレチン錠50μ 6錠
分3 毎食後 3日分
(検査1週間前に服薬)
以上
近隣だが、大型の病院の手書き処方箋。
普通、この病院は印字された処方箋なので、手書きってことは・・・
「病院で採用されていない薬」だということだ。
ヨウレチンって・・・まず聞いたこともなかった。
そもそも、ウチの薬局に在庫していない・・・けれども、
幸い、検査まで日にちに余裕があるので、取り寄せは可能。
ヨウレチンを調べてみるが・・・ヨウ化レシチン。いわゆるヨウ素の薬。
適応が
1)ヨウ素不足による甲状腺腫
2)中心性網膜炎
3)小児気管支喘息
検査前投薬なんて、まったく適応がないんだが。(汗)
こういうときは、とりあえず患者さんに聞いてみる。
患者さんがしっかりと医師から説明を受けていれば、
(少々)薬のことがわかってなくても、そんなに問題にならない。
ところが・・・
「うーん、何に使うとか、特に聞いてないです。
(薬剤師さんが)わからないのなら、念のために確認してもらっていいですか?」
はい、お手上げ。w
疑義照会するしかないわ、これ。恥ずかしいけど。
ただ、このケース、わざわざ手書き処方箋で切ってるんだから、
薬の出し間違いとか、そういうことは考えにくい。
おそらく、処方内容はこれで間違いないんだろう。
とはいっても、患者さんにも服用の意味がわかってないのなら、
疑義照会する・・・しかないよなぁ。
.
「ヨウレチンの処方意図について、患者様から質問されていますが、
当方にもわかりませんので、医師に確認お願いします。」
まぁ、こういう内容のFAXを送った。
正直、「お前が不勉強なだけやろ、ゴルァ!」というような返事もありえる。(汗)
でも、間違ったことを言うわけにもいかないし。しょうがない。
ただ、「病院薬剤師ならわかるのでは?」とちょっと期待した。
薬局では滅多にお目にかかれない処方だけれども、
病院の中では、普通に使われている処方かも知れない。
もし、病院薬剤師で答えられることならば、先生まで照会がいかない可能性はある。
(病院薬剤師も、自分で解決できることなら医師には聞きたくないだろ。)
残念ながら、期待は裏切られたようだったが。(苦笑)
返答は、「MRI検査の前の、甲状腺保護のために」ということだった。
正直、これでもよくわからんことに変わりはないのだが、
病院薬剤師もそれ以上のことを言ってくれないので、仕方ない。
患者さんには、そのまま伝えて、特に問題はなかった。
でも、私の中では問題が残る。
なんで、MRI検査前の甲状腺保護に、ヨウレチン?という疑問が、
まったく解決していないので。w
.
ひとつ、思い当たる節としては・・・
かなり前に、原子力の臨界事故があったことを思い出した。
そのときに、「ヨウ素」の錠剤が売れている、というような情報を聞いた覚えがある。
なるほど、そう考えればわからんこともない、、か。
つまり、放射線(MRIったって、放射線には違いない)から、身体を守る、
という意味で、「ヨウ素」なら、筋は通っている。
もっとも、なんで普通にヨウ化カリウムじゃないの?という疑問はあるが。
うー、誰か詳しい人いれば、教えて欲しい。
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コメント
http://www.khp.kitasato-u.ac.jp/hoshasen/kensa/kakuigaku/kanja.html
投稿: | 2010-07-06 22:24
非常にシンプルなコメント、ありがとうございます。
・・・ってことは、MRIという単語が、誤っている
可能性が高いということですね。(苦笑)
どこでどう間違ったんだろう。
投稿: kitten | 2010-07-07 00:30
http://www.j-ichiyaku.com/pdf/yorechin_interview01.pdf
投稿: こんなの見つけました。 | 2011-03-08 23:57
ネット上でもインタビューフォームが簡単に見れる時代なんですね。
もっとも、現状でこの薬は別の意味で注目が集まっているようですが。(苦笑)
投稿: kitten | 2011-03-17 20:25