代替の小技
後発品代替は、今年の4月から少しだけルールが変わった。
値段が下がることが条件だが、薬の規格や剤形をある程度選べるようになった。
錠剤の先発品から、カプセルの後発品に変えることも可能になった。
うれしいのは、規格を変更することもできること。
5mg錠の半割処方を、2.5mg錠を1錠で調剤することもできる。
.
できれば、規格変更は後発品代替に関わらずに認めて欲しい。
薬局にもよるんだけれど、うちの薬局は在庫している薬品数が多い。
例えば、「アムロジン錠5mg 0.5錠」という処方が時々来る。
アムロジンには2.5mg錠もあるのに、なぜか半割させる処方だ。
これは、病院の採用薬の問題である。
ようは、病院の方でアムロジンの2.5mgを採用していないんだ。
採用していない薬は、処方できないらしい。(そもそも、これがおかしいが。)
でも、薬局にはアムロジンの2.5mg錠も在庫している。
保管にしても(半割すると、安定性がやや落ちる)
手間にしても(半割するのは手間だ。w)
薬効にしても(本当にきれいに半分に割るのは、結構難しく、ばらつきがでる。)
どう考えても、アムロジンの2.5mg錠を1錠で渡す方がいいんだけど、
これは現状、認められていない。
なので、薬局は「2.5mg錠で出してくれー」と内心で思いながら、
仕方なく5mg錠を半割する。(苦笑)
ところが、後発品代替にすると、この規格変更が可能になる。
アムロジン錠5mg、0.5錠の処方であれば、
「アムロジピン錠(後発品)2.5mg 1錠」で代替することが可能になった。
これは、うれしいルール変更だ。
できれば、先発でもして欲しいんだけどなぁ。
.
この前、このルールを駆使した代替調剤をした。
処方は、
カロナール錠200mg 1.5錠
うちは、カロナール錠は200mgも300mgも置いている。
200mgをわざわざ割らせるのは、単に病院の都合である。
カロナールは汎用される薬であるが、実は後発品扱いの薬だ。
なので、この処方を、カロナール錠300mg 1錠に変更することは可能である。
カロナール錠200mg 1.5錠→カロナール錠300mg 1錠
全く同じ名前の薬の規格違い調剤という、反則すれすれな技だけど、
これでも、値段は安くなったから問題はない。
何より、保存性も持ち運びも簡単だし、いいことづくめ。
.
もうひとつ、小技。
このルールだと、後発品のドライシロップ剤はかなり使い勝手がよい。
代替調剤での剤形変更は、粉薬→粉薬。水薬→水薬で可能なんだけれども、
ドライシロップ剤は、そのままなら粉薬として、水に溶かせば水薬として調剤できる。
例えば、塩酸プロカテロール(メプチン)のドライシロップの後発品があれば、
メプチンシロップの代替も、メプチン顆粒の代替も可能だ。
一人二役で活躍できる。w
.
ただし、力価が異なるので、ちゃんと計算できることが前提条件になる。
粉薬の剤形変更は、少し難しいけれども、うまく使いこなせば
薬局の在庫を絞ることができると思う。
| 固定リンク
« 父の日 | トップページ | 第3戦を前にして »
「('10~13)仕事(薬局)」カテゴリの記事
- 2013年の記録&カテゴリ変更(2013.12.31)
- うがい薬「のみ」の処方が保険適応外?(2013.12.26)
- ジスロマック細粒の後発品(2013.12.17)
- 新しい吸入薬(2013.12.14)
- 薬が減ったのに薬代が上がる?(その2)(2013.12.03)
コメント