« ホメオパシーが危険すぎる | トップページ | 7年と1日 »

立場の違い

 恒例の、疑義照会番外編。

 先日、以前書いた私の「リウマトレックス」の記事に、
医師からコメントがついた。

リウマトレックス 3cp分3(2010/04/04)

.

 
 どちらかというと、苦情だな。(苦笑)
私に非のある部分もあるのは確かだ。
疑義照会そのものではなくて、記事の書き方が過激すぎた点。
そこは、反省すべき点である。

 しかし、それ以上に感じたのは、立場の違いだ。

 疑義照会の場合は、お互いの立場を十分考えるべき、だろう。

.

 もっとも、それにしちゃ私のブログでの書きっぷりはヒドいな。(苦笑)
ただ、当たり前だけど実際の疑義照会で医師を馬鹿にするようなことはない。

 かといって、個人の匿名ブログでまで、医師に気を使うのもなぁ。
なので、かなり本音に近いところを書いているんだけれども。
やりすぎには注意することにする。

.

 さて、立場の違いについて。
そもそも、疑義照会とは、薬剤師が医師の処方をチェックすることである。
しかもこれ、薬剤師が一方的に、医師の処方をチェックする。
逆に、医師が薬剤師のチェックをすることはない。

 そりゃ、仕事をチェックされる側からすれば、
薬剤師はウザい、、と感じても仕方ないと思う。

 実際、薬剤師も(医師もだが)支払基金などの保険者からチェックされると、
「うっとうしい」と思うわけで。そりゃ、仕方ないな。

.

 しかも、相手が不勉強だったりしたら、余計に腹が立つ・・・よね、やっぱり。
それは、わかっているんだけれども・・・。
でも、そこで薬剤師の側がためらって疑義照会をやめてしまうと
本当に必要なケースだったら困る、、わけで。

 もちろん、できるだけ粗相のないように勉強はするんだけれども。
自分の知らないことに関して、恥ずかしいけど聞くこともある。

.

 私の感覚としては、医師は明らかに薬剤師より上である。
そうでない例もあるだろうけれども、稀なケース、とさえ言えると思う。
じゃ、なんで疑義照会するのか?

 それは、「医師以外のミス」の可能性も大いにあるから
また、医師のミスとしても、知識ではなくて、単にコンピュータの操作ミスとか。

 例えば、「リウマトレックス分3」だったら、
「カルテから書き写す際に、事務員が別の薬に間違えた可能性」は考えられる。
つまり、用法がおかしいのではなくて、薬そのものの名前が違う可能性。

 そういう場合は、「念のため確認」と言いながら疑義照会する・・・。

 実際の疑義照会。ここで紹介しないような例もすべて含めると、
医師本人の知識に問題があるような例は、ごくごく稀である。
あとは、医師の(知識ではない)単純ミス。予約日までの日数が違うとか。
それよりも多いのが、事務員の入力ミス。これ、過半数を超える。
 つまり、医師に問題があるケースはかなり少ない。

.

 逆に言うと、医師本人が思っているよりも、「問題のある処方箋」は多い
そこんとこ、ちょっと理解して欲しいな・・・。
実際、疑義照会が医師にまで報告が上がる前に解決することも多いんだ。
事務員の単純ミスだったりしたら、たぶん、医師にまで報告あがらんだろうし。

.

 さて、その医師からのコメントに私は返事を返したんだけれども、
今のところ再度の返答はない。ちょっと期待したんだけど。

 私が間違っている、というのは大いにありえることなので。
「間違っている」というのであれば、正解を教えて欲しかったんだけど。
まぁ、流れのコメンターに再来をお願いするのは無理ってもんだろう。

.

 万が一、誤解されては困るのでもう一度書いておく。
私は、謙遜でもなんでもなく、知識の優れている薬剤師ではない。
せいぜい、「大卒新人よりはマシ」程度でしかない。

 なので、いい加減なことを書くこともあれば、間違ったことを書くこともある。
それも、「ちょっと怪しい」ことをわかっていて書いていることもある。
もし、間違っていれば指摘していただけると、大変ありがたい。勉強になるから。

 むしろ、誰かからの指摘があるのを期待して、書いている、とも言える。

.

 なので、コメントは大歓迎です。
特に、「それは違うだろ」というツッコミは、今後の仕事の糧になります。

 さらに言うなら、正しい情報をもらえれば、私だけでなくて、
「疑義照会」目当てでこのブログに通っている人(何人かいますよね。)全てに、
正しい情報を伝えることができます。

 

|

« ホメオパシーが危険すぎる | トップページ | 7年と1日 »

疑義照会」カテゴリの記事

コメント

初めまして
新人薬剤師です
まだ薬剤師歴は短いですが、私も記事に共感できます
明らかに間違ってても先生がそれでだせと言ってるからで引き下がらなきゃいけないなら、なんのための薬剤師なのかなとモヤモヤする時があります

投稿: ダカラ | 2015-09-17 16:28

>ダカラさん

 コメントありがとうございます。
モヤモヤはしますねぇ……。
私はもう、諦めの境地に至っていますが、
若い頃はそりゃぁ、モヤモヤしましたよ。
 疑義照会は、患者さんのためです。
そう思わないとやってられませんね。

投稿: kitten | 2015-09-18 23:22

薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せ
んを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その
疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤しては
ならない。

とされていますので、疑わしい点が解消されなかったのであれば
そもそも調剤すべきでないと思います。


すべての薬局で調剤を拒否されたら医師は処方を変えるしか
なくなります。

まあ、現実にはこうはできないのでしょうが、これぐらい薬剤師が
強ければねえ・・・。

投稿: とおりすがり | 2015-09-18 23:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 立場の違い:

« ホメオパシーが危険すぎる | トップページ | 7年と1日 »