ホメオパシーが危険すぎる
引き続き、ホメオパシーの危険性の話。
今回の元ネタは、natrom氏のブログだ。
NATROMの日記
「アナフィラキシーショックをホメオパシーで治した!スゴイでしょ!」
詳しくは、上記ブログを直接読んでもらった方がよいが、
ここには簡単に概要だけ書いておく。
とある雑誌のホメオパシー体験談。
シンガーソングライターのUA(結構好きだったのに)のインタビュー記事。
以下、概要。
.
スズメバチにさされて(しかも5回目)、ショック状態になった旦那さん。
「気を失ったらこれを打って」とたのまれた注射をうつのが嫌なUAさんは、
近くのホメオパスに急行し、レメディをもらってきて投与。
他にも、ミネラル、ワカメ、ドクダミなどのお風呂に旦那さんをつけた。
そのあと、息子を剣道の練習に送って、帰ってきたら旦那さんはコロッと
治ってた。すごいでしょ!。
.
そんな感じの体験談である。
この注射は、エピネフリンの自己注射だと思われる。
割と最近(といっても、数年前だと思うが)認可されたもので、
アレルギーのショックをとりあえず抑えるための注射。
なんでそんなものが必要か?なぜ旦那さんがそんなもの持ってる?
それは、そのアレルギーが命に関わる可能性があるからだ。
コロっと治ってて、本当によかった。
スズメバチに刺されて死んでしまう人は、結構いる。
旦那さんがエピネフリン自己注射をもっているということは、
そもそもリスクが高い人。何度も刺されたことがあって、次に刺されたら
どうなるかわからないから、念のために持っていたんだと思う。
.
natrom氏の記事は、強烈に批判している。
(以下、一部引用)
息子を剣道の練習に送っているあいだに、ドクダミ風呂に浸かっている夫が
気を失ったら、わりと大変なことになったのであるが、幸いなことに「コロッと
治って」いた。たしかにスゴイ。もしかしたら、息子を剣道の練習に送って家に
帰ったら、夫の死体と対面する羽目になったかもしれなかったのだ。
.
引用終わり。
natrom氏は、れっきとした医師である。私も同じ感想をもった。
これ、下手したら大事件になっていたところだ。
スズメバチによるアナフィラキシーは、まじに死ぬ可能性があるから。
もっとも、元記事によると、旦那さんも自然派なワイルドな人らしいが・・・
いや、本当に「コロッと治って」よかったと思う。マジで。
ホメオパス(ホメオパシーの術者)は、最低限の医学を勉強すべきだ。
レメディで何とかなる状態か、そうでないか。医者ほどとは言わないが、
せめて一般人並には理解しておいてもらいたい。
「蜂に刺されて、蕁麻疹が出ているショック状態」なら、
悠長にレメディ使っている余裕はない。即救急車だろ。
エピネフリンの自己注射もってるなら、絶対に使うべき。
.
こんな雑誌を読む人で、うちのブログに来る人はいないだろうけれども、
念のため警告しておく。
危険だから、絶対にマネしちゃだめ。
代替療法を行う人は、最低限の医学知識をもつべき。
そうでないならば、代替療法などすすめるべきではない。
.
そして、こんな記事をのせる雑誌もどうかしてる。
これ、万が一マネをして、不幸にも死亡するような事故がおこったら、
責任取れるのか???
UAさんも、ただ「体験談を語っている」だけのつもりかも知れないが、
結果として非常に危険である。あなたのご主人は助かったかもしれないが、
あなたの体験談は、結果として誰かの命を奪う可能性があるんだよ。
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