ホメオパシーと薬剤師
このところ、立て続けにホメオパシーの記事を書いているけれども。
その一方で、自分たち薬剤師はどうだ、と言う話。
まとまらないとは思うが、書けるだけ書いてみる。
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ホメオパシーは、プラセボ効果を目いっぱい利用している。
・・・というか、プラセボ効果しかない。
でも、手順をいろいろ踏むこと、科学的(に思える)説明、
何よりもホメオパスへの信頼が抜群のプラセボ効果を発揮する。
その問題点は、今までにも触れてきたので今回はスルーする。
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でも、似たようなことをやっている薬剤師もいるんじゃないかなぁ、と。
特に、OTCや健康食品を売る薬剤師は。
お客さんとのコミュニケーション、信頼、科学的(に思える)説明でもって、
プラセボ効果を利用して、薬を効かせる。
いや、本当に効いている薬もあるんだけどさ。。
エビデンスのなさで言うなら、ホメオパシーでも健康食品でも、
医療用の医薬品にはとうてい及ばないわけで。
まぁ、健康食品の方が全体的にはマシだと思うが・・・。
仮に、エビデンスのまったくない健康食品をお客さんに売ったとする。
それって、ホメオパシーと何が違うの?って話になる。
効果?プラセボ効果なら、十分に出ると思うぞ。
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いやいや、それを知っていてやっている薬剤師もいると思うが、
自覚ないまま、やっている薬剤師もいるかもしれない。
メーカーのそれっぽい説明を信じ込んでしまっている薬剤師とか。
薬剤師でも、メーカーの嘘(いや、説明する側も信じてる場合があるが)に
だまされてしまうこともあるだろうし・・・。
そうなると、やってることホメオパシーと変わらんのよね。
さすがに、現代医療批判にまで突っ込まない・・・と信じたいが、
そうもいかないだろう。。
変なもんにひっかかるのは、医師ですらありえる話だ。
(そして、変な医師にかかるのが一番最悪だ。)
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ぶっちゃけ、ホメオパシーをやってる薬剤師だっていると思う。
プラセボだと知っていてやっている薬剤師もいれば、
本気で信じちゃってる薬剤師がいても、おかしくない・・・。
まぁ、薬剤師の資格とるのには、物理化学の素養も必要だし、
統計の勉強も必要なはずなんだけど・・・
その辺、きれいに忘れ去ってしまう人間もいるだろうしな。
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うーん。考えれば考えるほど、なんともならないなぁ、、と。
科学的におかしいものを、おかしいと判断できる力が必要なんだが。
でも、それを全員が身につけるのは無理だし。
なら、せめて医療に携わる国家資格をもつ人間には、
何とかして欲しいとは思う。それでも厳しいが。
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「だましてやろう」と思って近づいてくる奴相手なら、まだ簡単だけど。
「それが真実だ」と信じ込んでしまっている人間相手ってのは・・・
また、難しくもある。
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うん、予想通りまとまらんな、これ。w
もちろん、自然賛美、科学音痴な各種メディアの力も大きいし。
だいたい、「いや、それは科学的にはおかしい」とか言うと、
場の空気が冷たくなるんだよなぁ。w
私から言うと、その空気自体が問題なんだよ。
雰囲気、感情を優先させている、というか。
それでいい場面もあるけれども、そうじゃないとこもあるだろう?
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つまり、私が問題だと感じていることが、すべて複雑に絡み合っている、と。
これを解決するには、ひとつずつ解きほぐしていくしかないんだけれども、
やっている端から、さらに絡めていく奴もいるし・・・。
結局は、地道にやっていくしかないのかな??
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コメント
ホメオパシーを調べていてお邪魔しました。
僭越ながら私も似たように感じているところがあるので、とても伝わってくる文章でした。
ホメオパシー推進側は今回の件を好転反応(笑)だと思っているようですが、それとは別の意味で、「雨降って地固まる」になればと思っています。
なぜホメオパシーが問題なのか、一人ひとりが考えるきっかけになれば良いのですが。
投稿: 保成 | 2010-09-14 08:34
> 仮に、エビデンスのまったくない健康食品をお客さんに売ったとする。それって、ホメオパシーと何が違うの?って話になる。
基本的には同じだと思います。
どちらも医療行為としては、非科学的と言う事でしょうね。
投稿: uncorrelated | 2010-09-14 22:19
コメントありがとうございます。
>保成さん
>ホメオパシー推進側は今回の件を好転反応(笑)だと
「好転反応」と同じような結末をたどることを希望します。
実際の「好転反応」はだいたい、ろくでもない結果になるわけで。
(彼らは、それを認めないだけですね。)
ホメオパシーはおそらく、勢いを失うでしょう。
絶滅することはないでしょうが、日陰で細々とやっていくのかな?
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>uncorrelatedさん
>どちらも医療行為としては、非科学的と言う事でしょうね。
これが、本当に悩みどころです。
「非科学的」の一言でホメオパシーをぶった切ると、
その刃がこっちにもふりかかってくる、、と。(汗)
鍼灸は?漢方は?カイロプラクティックは?
とその他の代替療法も、他人事ではないでしょう。
あとは、プラセボをプラセボと知った上で、
治療その他に使うことの是非、とか。
何でも「科学」「非科学」で割り切ろうとするのは、
おそらく現代日本ではまだまだ受け入れられないでしょう。
代替療法とも共存していく道を探るべきですが・・・。
私個人としては、面倒くさいから「非科学的」で
わが身含めて(汗)斬り飛ばしたいんですけどね。
投稿: kitten | 2010-09-15 00:13