清水女流王将がコンピュータ将棋に敗北
ニュースより。
女流のトップ棋士の一人、清水女流王将が、
コンピュータ将棋の「あから2010」と公開対局を行った。
女流とはいえ、プロ棋士が公開の対局でコンピュータに負けるのは初。
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もともと、「情報処理学会」が、日本将棋連盟に挑戦状を叩きつけた。
それに対して、連盟は女流トップ棋士の一人である清水さんをぶつけた、と。
人選に関してはいろいろあると思うが、ベストに近いと思う。
同じ女流トップでも、里美香奈女流名人はちょっと・・・。
いや、強いとは思うけど、負けたときの(本人の)ダメージが大きすぎる。
まだまだ若いからね。
その点、清水さんなら「オトナ」だから、うまくこなしてくれる、と。
実際、そのとおりになったわけだ。
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男性のトップ棋士、渡辺竜王は、3年半前に当時最強の将棋ソフトである
「ボナンザ」と対戦。やや苦戦したものの、まぁ危なげなく勝っている。
当時の渡辺竜王の評価で、このボナンザは「奨励会三段レベル」だったかな。
ようは、(男性)プロの卵たちと互角、と。
で、実は女流のトップ棋士の実力は・・・
「奨励会三段」よりもやや下、ってとこじゃないかと。
男性プロの底辺レベルと互角くらいかな。
ってことは、三年半前の「ボナンザ」とまぁ互角といったところか。
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まず、コンピュータ将棋はそもそもハードの進化によっても強くなる。
ソフトがそのままでも、ハードの性能が上がれば処理能力が増える分強くなる。
前回のボナンザは、、その当時の高性能PCだと思うが、単体だった。
今回の「あから2010」はというと・・・マジハンパない。
東京大学クラスターマシン: Intel Xeon 2.80GHz, 4 cores 109台
Intel Xeon 2.40GHz, 4 cores 60台
合計 169台 676 cores
東京大学の情報システムのPCでネットワークを組んで計算させている。
4coreのPCを169台で。
とりあえず、これだけでもう相当強い。(汗)
イメージとしては、昔、チェスの世界チャンピオンを打ち破った
「ディープブルー」かな。あれも、「チェス専用スーパーコンピュータ」だったような。
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さらに、ソフトも進化(?)している。
国内最強と呼ばれる、4つの将棋ソフトを平行して走らせて、
その結果を「合議制」で最善手を探し出す、という仕組み。
これも、まじハンパない。(汗)
情報処理学会も、遊びでやってない。マジだ。マジに勝ちにきてる。
つまり、この「あから2010」は、販売されるようなことはありえない。
パソコン百台以上に、国内四天王の最強ソフトの力を結集してる訳で。
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合議制のメリットは、まず中身がわからないことだ。
例えば、3年半前。渡辺竜王はボナンザを徹底的に研究していた。
「負けるはずない」と言いながらも、誰よりもボナンザを研究して、
弱点を探り出していた。
ボナンザは、一般に公開されていたソフトだったからなぁ。
弱点、とまではいかずとも、傾向と対策、くらいは読み取れた。
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ところが、今回の「あから2010」は、市販されていない。
実際のところわからないが、「対清水スペシャルバージョン」である
可能性まであるわけで。
つまり、清水女流王将に対する傾向と対策がばっちりと
詰め込まれている可能性まであった。w
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3年半前の、コンピュータとプロ棋士の力関係。
今回の「あから2010」の圧倒的なまでのパワーと実力。
加えて、男性棋士と女流棋士との力の差。
実際のところ、前評判は「コンピュータ有利」だった。
やってみれば、その通りに終わった、、っと。そういうことだ。
むしろ、清水女流王将は善戦した方かも知れない。
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ただ、将棋の勝負って一局ではわかんないところがある。
ここでも、渡辺竜王の言葉を出しておこう。
「コンピュータにプロが「一局」負けるのは、普通にありえる。
一発勝負を続けていれば、いつかは勝てるくらいのレベルだ。
コンピュータがプロに「勝ち越す」ことは、なかなか難しい」
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一発勝負でやるならば、あから2010に羽生名人が負けることもありえる。
そりゃ、新人のプロ棋士でも、10回もやれば1回くらいはトップ棋士に勝てるし。
ただ、5番勝負や7番勝負で男性トップ棋士を向こうに回して勝ち越すのは、
それはもう、至難の業ではないか、と。
トップ棋士にまぐれで勝つくらいなら、すでにありえるレベルだけれど、
勝ち越すのはまだ難しいだろうな。
たぶん、、羽生名人よりは渡辺竜王の方が、コンピュータ相手は強そうだ。
羽生さんは、ある意味「相手を混乱させて勝つ」棋士だからな。
コンピュータ相手には「羽生マジック」は通用しないだろ。w
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それにしても、、化け物コンピュータと戦った清水女流王将はすばらしい。
下馬評不利なのもわかっていたはずだし。
まぁ、連盟会長の無茶振りだとは思うけれども。w
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