ビクロックスシロップに亜鉛華軟膏
疑義照会実例。
どうも、番外編と本編の境がなくなりつつあるな。
まぁ、毎回毎回、薬学的に意味のある疑義照会ってわけにもいかない。
・・・というか、そうそう難しい疑義照会はなかなか経験できないもので。
今回も、微妙な内容。
<処方実例>
ビクロックスシロップ 12ml
1日4回 毎食後と寝る前 5日分
亜鉛華軟膏 20g
患部に塗布
以上。
ビクロックスシロップ。抗ウイルス薬のアシクロビル配合シロップ。
ヘルペスウイルス全般に使うんだけれども、
大人に使うことはあまりない。
実際、この例も2歳の子ども。
まぁ、99.9%「水痘」。いわゆる水ぼうそうと思って間違いない。
.
どこが問題か、、というと軟膏の方だ。
亜鉛華軟膏を使う意味がわからん。
いや、使っていけないという理由はないんだけれども、
一般的には、水ぼうそうには亜鉛華軟膏ではなくて、
フェノール・亜鉛華リニメント。通称「カチリ」を使うことが多い。
「亜鉛華」という部分が似ているから、
これは医師が処方間違えたんじゃないかな?と推測した。
亜鉛華軟膏でも、絶対にまずいわけではないんだけど、念のため確認。
そうすると、案の定、フェノール・亜鉛華リニメントに変更になった。
.
通称「カチリ」なんだけど・・・たまに、薬剤師でも「カチリ」が何か知らない、
という人間もいるかも知れない。(汗)
こういう「通称」って、現場でなきゃ使わないことが多いから。
教科書にはあまり載っていないし。
うろ覚えで覚えていて、間違えて亜鉛華軟膏を調剤した、なんて例も
聞いたことがあるくらい。医師の方はどうなんだろうなぁ??
ひょっとしたら、「カチリ」の正式名称の方を覚え間違えていたのかも知れない。
処方箋に「カチリ」と書いてくれても、問題ないとは思うが、
覚え間違えている(or知らない)薬剤師がいる可能性もあるしなぁ。
.
さて、水ぼうそうには「カチリ」。
これ、小児科では昔から定番として使われているようなんだけども・・・
なんで「カチリ」なのか、実はよくわからない。
というのは、「カチリ」に水ぼうそうの適応はない。w
それどころか、むしろ「使ってはいけない」の方に入りそうな気もする。
普通に文書を読む限りでは、なぜカチリを使うのかわからない。
誰か、知っている人いれば教えてください。
.
でも、カチリを水ぼうそうに使わなければ、
たぶん、カチリの存在価値は、99.9%なくなる。
だって、水ぼうそう以外に使われることが皆無なんだから。
どうも、昔から「水ぼうそうにはカチリ」という伝統があって、
漫然と使われ続けているだけのような気がするんだけどなぁ・・・。
それほど効果があるとは思えないし。
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