トランス脂肪酸を全廃?
これは、去年の年末に流れていたニュース。
セブン&アイホールディングスが、トランス脂肪酸を含む商品を
原則として売り場には置かない方針にした、そうだ。
まぁ、これはいきなり実施するのは不可能なので、
自社製品(プライベートブランド)から始めて、
できれば他の食品メーカーにもはたらきかけていく、という方向だろう。
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トランス脂肪酸に関しては、昔に記事を書いている。
まぁ、そのときから状況が変わった部分もあるんだけれども。
トランス脂肪酸とマックフライポテト(2009/04/20)
さて、この情報をどういうスタンスで論評すべきか。w
先に評価して、後で批判を加えてみよう。
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まず、トランス脂肪酸が身体に悪いのはほぼ確実な訳で。
風味を損なわない、かつ、健康にも悪くない代替品の開発というのは、
望ましい展開だと思う。
日本では、トランス脂肪酸の規制が全く行われてこなかったため、
トランス脂肪酸削減にも、積極的には取り組んでいない。
それを進めようというんだから、悪い話な訳はない。
トランス脂肪酸がこれまで規制されてこなかった理由は、
「平均的な日本人の食生活では、あまり問題ない」ため。
WHOの設定している基準値を、規制なしで楽にクリアしている。
トランス脂肪酸の規制が厳しい欧米は、
そもそもWHO基準をはるかにオーバーしていた。
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それでも、「平均的な日本人」は大丈夫かもしれないけど、
平均的でない食生活の人は、オーバーする可能性がある。
実は、これも少し前に情報が出ていた。
若い女性で、オーバーしやすい傾向があるとかなんとか。
(たぶん、スナック菓子の食べすぎじゃないかと。w)
なので、ある程度の注意喚起は必要なんだろう。
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さて、こっからは批判。
では、私が今後、セブンアイを積極的に利用するかと言うと、逆だ。
おそらく、積極的には利用しない。むしろ、避ける。w
私は、トランス脂肪酸がどの程度危険なものかを理解している。
自分自身が、どれくらいのリスクがあるかも。
極端な話「平均的な食生活の日本人」にとっては、
トランス脂肪酸を削減する必要はあまりないわけで。
ちゃんとした代替油が安価で開発できればいいんだけれども・・・。
おそらく、セブン・アイのトランス脂肪酸フリーの商品は、
トランス脂肪酸を使ったものよりも、風味が劣る、もしくは値段が高くなる。
私を含む「平均的な食生活の日本人」にとっては、デメリットしかない。
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かつて(今でもか?)合成保存料や食品添加物を目の敵にして、
全廃する企業があったが、その結果何がおこったか?
もともと、食品添加物は安全性がしっかり確かめられたものだ。
「保存性も悪く、コストも上がったけれども、
それに見合うメリットは何もない」という商品ができてしまった。
それは、本当に消費者のことを考えているのか??
ようは、「食品添加物は悪者」という伝説、神話にあやかって、
消費者をだまして質の悪い商品を高値で売っただけの話じゃないの??
さすがに、食品添加物とトランス脂肪酸では話がぜんぜん違う。
(少なくとも、トランス脂肪酸が「悪玉」であることははっきりしてるから。)
でも、構図として同じようなものに見えてしまうんだよなぁ・・・。
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健康によいもの、悪いもの、おいしいもの、おいしくないもの。
商品はいろいろあってもいいんじゃないの?という考えもあるかも知れない。
おいしくて身体に悪いものを買うのも、自己責任だ。
ただ、消費者が「どの程度健康に悪いか」を理解していること、
というちょっと厳しい前提条件があるが。
健康に悪いものはとにかく排除、というのなら、
まずは食塩を減らすべきだろう。そもそも、酒やタバコをコンビニで売るな。w
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ニューヨークでは、肥満の元凶である「炭酸飲料」を締め出そう、
という動きがあるけれども・・・。これはどうなんだろうね。
それこそ、「自己責任」で片付けていいんじゃないのか?
もっとも、医療費となって財政を圧迫するとなれば、、
また話は変わってくるのかも知れないが。
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