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調剤薬局とポイントカード

 去年から書こうと思っていて・・・なかなか書けなかった話題。
たぶん、書いてもまとまらないと思うが、書かないよりはいいだろう。

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 最初に話がでたのは、去年の夏くらいの話だ。
どこかの、ドラッグストアが処方箋調剤に対して
「ポイントカードでポイントがたまります」とやった。

 いままで、ポイントカードは処方箋調剤では使えない、
とされていた。理由は単純。
保険調剤では値引き行為は禁止されている、から。
 ポイントカードっていっても・・・実質値引きだわな。
なので、使えない。そう思われていた。

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 それなら、明らかに違法だろ、と言うと、抜け穴があった。
「ポイントを使うこと」は、値引き行為にあたり違法なんだが、
「ポイントをためること」自体は規制する法律がない。

 なので、「処方箋調剤」でポイントをためてもらって、
ほか(ドラッグストア)でポイントを使うことは・・・可能だ。
最初にやった企業が、当局に確認をとった結果がそうだった。

 もちろん、現状で「可能」であって、そのうち規制される
可能性はある。規制の「抜け穴」であることは、まず確実だから。
ようは、「値引き禁止」の規制自体が、ポイントカードを対象に
考えられたものじゃなかった。(時代がかわった、ってことだ。)

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 業界団体である薬剤師会は、ポイントカードに反対の態度をとった。
ポイントカードは、大手のチェーンドラッグに有利だからだ。
個人経営の薬局では、ポイントカードは使いづらい。
そうなると、顧客を大手に奪われてしまう・・・。

 そこで、薬剤師会を代表して、参院議員の藤井基之氏(自民党)が
政府に質問書を提出した。簡単に言うと、
「ポイントカードは保険調剤の概念からみて、問題じゃないのか?」
という質問だった。

 ところが・・・政府の回答は、これも簡潔に書くと、
「それほど問題ないんじゃない?」というものだった。w

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 実は、この辺は政治の問題も絡んでいると思う。
政権交代後、民主党に近づく医師会とは異なり、薬剤師会は
あくまで自民党から離れようとしなかった。

 民主党には、むしろドラッグストアよりの議員の方が多い。

 あくまで私の感覚だけど・・・
厚生労働省としては、規制したいんじゃないのかな?と思う。
ただまぁ、政治主導の民主党としてはねぇ。
薬剤師会に対する見せしめじゃないの?と思ったりもする。

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 まぁ、事実上現政権によって「容認」されたわけだ。
もちろん、方針転換で規制される可能性がない訳ではないが、
この流れからみて、民主党が政権与党でいる間には
規制されないんじゃないか、と思う。(苦笑)

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 私個人としては、ポイントカードには反対である。
なんというか、大義名分がなにもないよね。
ただ単に、「自分たちだけが儲けたいから」ポイントカードで
客寄せして、弱小薬局をつぶす。それだけだ。

 サービスの向上といえばそうなんだけど、ちょっと違うだろ。

 なんというか、薬剤師で積極的に賛成する人っているのか?
「仕方なく」という理由で消極的に賛成する人はいるだろうけど。

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 これは、「調剤薬局」という微妙な存在だからこその悩みだ。
保険調剤は、「株式会社」が運営することが認められている。
病院は、株式会社が運営することはできない。

 株式会社が運営するってことは「利益追求」が
堂々と認められているってことである。
 調剤薬局は、医療提供施設でありながら、利益を追求することも
求められるという、非常に微妙な存在なわけだ。

 働いている薬剤師は、「医療従事者」である。
医療に携わるものとしては、やっぱり「医は仁術」の想いがある。
利益を追求するのは、医療従事者としてどうよ?

 ただ、株式会社の従業員としては、利益追求は至上命題。
なので、会社がやるといえばやらざるを得ないだろうな。

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 もっとも、この「薬剤師の想い」と「利益追求」は、
相反することが多々ある。
それは、おそらく市販薬を販売する薬剤師の方が感じるだろう。
 患者さんにとってベストな選択ではないけれども、
「会社がこれを売れというから」という理由で、
薬を売る薬剤師は、多いと思うし。

 これも、そうそう簡単に会社の(利益の)いいなりになる
薬剤師は、薬剤師としてどうよ?とも思うけれども、
利益を完全に無視するような薬剤師も、従業員としてどうよ?
となってしまう訳で。

 おそらく、個々の薬剤師がそれぞれ、悩む問題なんだろうな。
自分で開業してしまえば、嫌な仕事をする必要はなくなるかな?
でも、利益を追求しないとやっぱり困るんだろうな・・・。

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('10~13)仕事(薬局)」カテゴリの記事

コメント

薬剤師とはそもそも何なのか? 医術のように患者を治す手段を持ったもので医師免許ができる前の江戸時代以前では、長崎で修行して医者になるのが一般的であったようであるが、その時代はほぼ手術などないのでほとんどの患者に医師が薬を調剤して飲ませて治すのが、医術であり、従って患者を診るということは、診断と調剤がセットとなっていたはず。
現代は、薬のほとんどが錠剤となった時代の薬剤師とは、医師の処方箋を基に錠剤を調達して(この調達するという仕事は経済行為で医療行為ではない)患者に説明するだけということ。説明するという仕事もPCで薬の効用を調べるだけのことで、すべての薬のリストを作り効用を+とーに分けて説明するだけであるから、PCで呑み合わせや危倹薬や効用の完璧なリストがある現代では、薬剤師でなければできない仕事ではないのでは? 私がいつも薬事行政に不満を持つのは、いつももらっつている貼り薬や塗薬や目薬などに説明点数をつけて、薬事の料金を請求するのは、薬剤師自身が気が引けているのではないかと思うのですが・・・
 説明はこの薬をなんどももらっているので必要ありませんと申し出ても、それでも薬剤管理料などと言う理由をつけて管理してもらっていないのに、料金請求されますよ。複数の医者や多種の診療科での診療を制限しない限り、一人の患者に複数の処方箋が出ますし、処方箋核種がそれぞれに悪いマイナスの相互関係があり、薬の服用に悪影響が出うことなどは、薬事行政の問題ではなく医療行為に関する問題であろうからもう一度医療と薬事の根本も見直す必要があるのではと考えます。
薬科大学を6年にした理由は、高度な医療と高度な薬の効用を求めて改革されたはずなのに、新しい薬業の発展を考えた医薬協業ではなく薬剤師が旧態依然として資格にしがみつく姿は美しくはありません。

投稿: 森の石松 | 2013-11-09 13:40

まあ、おっしゃることは分からなくもない
ですけどね・・・。

ただ、まあ、言わせていただくなら、

原価+利益=販売価格

が商売の基本とですが、薬局の場合は

原価+管理料その他もろもろ=販売価格

になっているだけです。

【保険】ですので薬局で自由に利益を乗せられませんので
まあ、こうなっているわけです。


さて、この世に様々な資格・免許があれど本当に
資格がなければできない業務ってあるんですかね?

医師だって無免許でもできますよ?

たまに無免許で新聞の社会面をにぎわす方
がいらっしゃいますよね。

さすがに外科なんかは無理なんでしょうが、
内科くらいなら多少医学的知識があれば
ど素人でもなんとかなることもあるらしい
ですね。

非弁行為で逮捕された方も多いですよね。

弁護士じゃなくても法の知識があれば
やろうと思ったらできるので、同じ理屈
ですよね。

森の石松さんがどのような方でどのような資格
を持ちどのような職業についておられるのかわ
かりませんが、多少知識つけたらor経験があっ
たら所詮誰だってできる仕事でしょ?

まあ、そういうことです。

資格にしがみつくというか既得権を守るのは
どの職業でも同じじゃないですかねえ。

最近新聞で公認会計士が税理士に喧嘩売るよう
な一面ぶち抜きの広告がでておりましたが、
既得権という物はやはりそこまでしても守る
べきものなのでしょう。

投稿: とおりすがり | 2013-11-09 21:08

>森の石松さん

 コメントありがとうございます。
薬剤師という資格が日本に出来たのは明治以降です。
ヨーロッパの医学と一緒にやってきたんでしょう。
 起源は神聖ローマ皇帝のフリードリヒ2世の時代、と言われてます。

 PCで全て分かるのであれば、今の薬剤師の仕事は
どんどんなくなっていくでしょう。
でも、その時代はまだまだ遠い、と思います。
少なくとも20年は先の話ですね。
 医薬品に関する情報はPCで調べるだけで出てきますが、
その情報をちゃんと理解するには、やっぱり
それなりの教育、訓練が必要です。

 色々な話ができますけど、そうですねぇ・・・。
医師が間違えたときに「間違ってませんか?」と
堂々と聞くことができるのは、薬剤師だけではないですか?

 もちろん、患者さんから聞くこともできます。
でも、医師に遠慮して聞けない人も多いです。
薬剤師は、疑義があれば医師に確認する義務があります。
医師に意見し、医師と議論するには、無資格では難しいです。

 薬剤師は、もちろん、患者さんにお薬を説明するのが
仕事ですが、医師の処方箋をチェックするのも
大事な仕事です。薬剤師は、患者さんの見えないところで、
アタマを使って仕事をしています。
 見えないから理解されないし、評価もされません。
また、本当に仕事していない薬剤師もいるのでアレですが。
でも、医師も含めて、どの職業にも素晴らしい人もいれば、
ひどい人もいるでしょう。

 また、医療はどんどん高度に進歩しています。
一人で全てを解決できるような医師がいたのは
昔の話、今はどんどん専門医が増えています。
 理由は簡単で、とても一人の人間で覚えきれる
知識量じゃなくなってきているからです。
 これは、薬剤師が必要な理由でもあります。
薬の専門家として、医師をフォローする必要があるからです。

 複数の医師や診療科を制限するなんて、不可能です。
一人の医師ができることは、どんどん少なくなってます。
その分、他の医療職の協力が必要なんです。


>とおりすがりさん

 保険調剤の場合は、「利益(管理料他)」の部分が
患者さん(消費者)に、オープンになってますからね。
普通の商売とは違いますよね。

 焼肉屋さんで、肉の原価を全部オープンにすれば、
「なんで肉を切って皿に盛るだけで、
 そんなに金を取ってるんだ!」ってクレームが
 絶対に出ると思います。

 だから、普通の商売では原価、利益はタブーなんですが、
保険調剤はほぼオープンですからね・・・。

投稿: kitten | 2013-11-12 16:58

>「なんで肉を切って皿に盛るだけで、
> そんなに金を取ってるんだ!」

たしかにそうですねえ。。。


でも、ふぐやさんでふぐをさばく人がいたとして
「ふぐをきるだけでなんで金を取るんだ!」という
人はいないですよね。

どちらかといえば薬剤師ってのはこちらに近いと
のですが、世間にはそうは思ってもらえないですねえ。

投稿: とおりすがり | 2013-11-12 21:46

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