患者様は神様か?
通りすがりの病院薬剤師Tさんのコメントを受けて。
「先生は忙しい」(2010/7/11)コメント欄参照のこと。
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簡単にまとめると、
「薬が余っているからいらない、と医師に言ったのに処方された」
ケースの疑義照会。
病院薬剤師Tさんからは、「患者が正しいとは限らない」という旨のコメントを受けた。
(微妙にニュアンスは違うかも知れない。詳細は、やっぱり元記事を読んで欲しい)
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それについての反論、という訳ではない。確かに、患者さんが正しいとは限らない。
ただ、薬局薬剤師として(私だけかも知れないが)は、
常に、「患者さんを第一に」と考える。
だから、患者さんが正しいことを言っていないとは、思いにくい。
これは、思考のクセみたいなもんだ。
もちろん、何度か痛い目に遭った経験もある。
(疑義照会して、逆に先方から怒られたパターンもある。)
だから、患者さんが常に正しい訳ではないというのは、知ってはいるんだけれども、
目の前にいる患者さんを疑うというのは、少し抵抗がある。
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この差はいったいなんだろう?
患者さんに対する情報量の差はあるだろう。
薬局で確実にわかることは、基本的には「処方された薬」の情報だけだ。
もちろん、それだけではしっかりした指導ができないので、
色々と情報収集するが、それにしてもすべて「患者さん」が窓口。
患者さんに話を聞くことで得られた情報で、患者さんと話をする。
その「患者さんの話」が正しくないとすれば、服薬指導自体が成立しない。
もちろん、検査結果などを見せてもらえれば客観的な情報も手に入るが、
医師(や病院)に比べると、客観的情報が少ないのは確かだ。
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まぁ、それでもベテラン薬剤師ならなんとでもできそうだけど。
そこは、経験を積むしかないのかも知れない。
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もう一つ思ったのが、「患者様は神様か?」と。
患者様=お客様。
客商売となれば、相手に不快な想いをさせるわけにはいかない。
そうなると、当たり前だけど相手を疑うなんて論外じゃないか?
いや、疑うことはあるけれども、それを表に出すべきではない。
調剤薬局は、病院と比較にならないほど経営規模は小さい。
患者さんを怒らせてしまうことによる経済的リスクは、病院よりも大きい。
もっとハッキリ書くと・・・
患者さんに逃げられるとダメージはでかい。(苦笑)
おそらく、病院よりは、薬局の方が患者様の「神様度」は高い。
それは、医療の観点から見た場合にどうよ?ってことだわな。
これは、「服薬指導」という観点からもそうだ。
はっきりと厳しく指導する方が、患者さんの健康のためなのに。
手控えてしまうことだって、ないとはいえない。
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もちろん、この辺も「薬剤師の力量」と言われればそれまでだ。
私にはまだまだ難しくても、簡単にやっている薬剤師もいる。
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あとは、病院の現場との交流が大事だと感じた。
病院の医師や薬剤師が、どのように考えて仕事しているか。
それをより深く知ることができれば、もっとスムーズな疑義照会ができる。
それは、患者さんにとっても有益なことになるだろう。
(今回の病院薬剤師Tさんのコメントで、少し勉強させてもらった。)
前に一度、とある町の薬剤師会で
「病院薬剤師を招いての勉強会」みたいなのがあったなぁ。
仕事の都合で参加できなかったけれども。
いつも電話ごしでしか話せない人の顔を見てみたかった。
また、やってくれないかな?
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