ダーゼンが全回収に。
仕事の話。
消炎酵素剤である、ダーゼン(錠・顆粒)が、メーカー(武田薬品)により、
全て回収されることになった。
武田のHPにリンクをはっておく。
どんな薬か、というと・・・
炎症を鎮めて、痰のきれをよくする、という薬。
普通の風邪で処方されることも多い。
なぜ自主回収か、というと。
ものすごく分かりやすく一言で言うと、
「効果が確認できないから」
.
いや、昔からある薬ではあるんだけれども、
厚生労働省が再評価するために実施した臨床試験にて、
プラセボ(偽薬)と同程度の作用しかないことが明らかになった。
それで、ダーゼンの販売を続けるのであれば、もう一度、
(もっと厳密な)試験をクリアしてくれ、と言うのが厚労省の見解。
それに対して、メーカー側はそもそも試験自体を諦めた、という。
試験するにも金がかかるし、試験した結果「やっぱだめでした」となる
可能性も高い。発売して40年以上が経過している薬だし・・・。
昔ならともかく、今の武田の主力商品ではないので。
ダーゼンを守るためにカネを使うくらいなら、販売中止にする方が・・・
という経緯らしい。
ダーゼンの09年の販売実績は67億円。薬価から大雑把に計算すると、
(全てが錠剤として)3億錠?多いな。w
.
もともと、この手の消炎酵素製剤っていうのは、
「なぜ効果があるのか、はっきりとわかっていない」という薬。
だから、漫然と使用しないこと、という注意があった。
専門的には、かなり分子量の大きな薬でもあるし、
そもそもどうやって吸収されているのやら。とは思っていた。
薬剤師としては、
「ダーゼンにそれほど効果がないなんて、何を今更」と。
気休め程度の効果しかないんじゃないか、とは思っていたわけで。
なので、現場はそれほど混乱していない。
.
じゃぁ、他に変わる薬があるの?といわれるとこれが難しい。
一応、今回問題になっているのはダーゼンだけだけれども・・・
正直、他の消炎酵素製剤も似たり寄ったりなんじゃないかなぁ?
代替薬を模索する先生もいるみたいだけれども、
ダーゼンがダメってんなら、他のもまずダメだと思っておいて
いいんじゃないのかな?
もはや、消炎酵素製剤ってのが時代遅れなんじゃないかと。
なくても困らないよ。きっと。
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