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基準値の考え方について

 今回は、主に食品についての安全基準となる、基準値について。

もちろん、念頭にあるのは残留放射線の暫定基準値なんだけれども、
実際のところ、私はその辺のところはあまり詳しくないので。
個別の数字について、どうこうとは言わない。

 そもそも「基準値」はどのように決められているかについて。
ほとんどは本からの受け売りで、しかも農薬や化学物質についての話だが、
考え方としては、残留放射能にあてはめても問題はないと思うので・・・。

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 よく、「基準値の○○倍のxxが検出されました」とニュースになることがあるが、
その後で、たいてい誰かが「すぐに健康被害が出ることはない」というような
コメントをつける。(この場合の「誰か」は国や研究者。)

「それじゃ、そもそもその基準値って何なのさ?」ってなるかも知れない。
たいがいの場合、それでも「不安」に思うような市民の声を
続けて報道されたりすると、何を信じていいかわかんなくなるかも。

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 基本的には、一生涯摂取し続けても、影響が出ないと思われる量に、
さらに安全係数を掛ける

 例えば、毒性のある化学物質Xがあったとしよう。
この物質を、毎日1mg摂取し続けたとしても、おそらく健康に影響がない、
とわかっているとする。
じゃぁ、この場合の基準値は1mgか、というとそうとは限らない。
データにもよるけれども、さらに100分の1くらいの基準値になることは普通にある。
念には念を入れて、ってこと。他にも理由があるものが多いが。)

 この化学物質Xは、基準値が0.01mg(10μg)に設定された、としよう。
ここで、仮に食品中から1mgのXが検出されたらどうだろうか?
1mgでは、おそらく健康に影響がないであろうことはわかっているけれども、
数値としては「基準値の100倍」になる。

 なので、「基準値の100倍にあたるXが検出されました。」という報道になり、
「厚生労働省は、健康に影響がないとコメント」という事態になる。

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 では、さらに量を増やして化学物質Xが100mg検出された、としようか。
こうなると、基準値の10000倍になる。さすがにまずいか、というと・・・。
これでもなお、「摂取してもただちに健康に影響がない」ことが多々ある。

 なぜか。基準値は、「一生涯にわたって、摂取し続ける」ことを前提にしているから。
化学物質Xをずっと摂取し続けるとまずいことになるが、、
少しの期間だけ摂取するのであれば、特に問題はない、となることもある。

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 もちろん、あまりに量が多すぎると、急性毒性が問題になるケースもある。
(何年か前の、中国製冷凍餃子事件を思い出してみよう。)
これは、物質によって大きく異なるので、ケースバイケースとしか言いようがない。

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 さて、じゃぁ何のための基準値か?というと、消費者の安全のためというより、
生産者への警告のため、という意味合いが強いかと思われる。
(もちろん、最終的には消費者の安全に効いてくるが。)
「基準値オーバー」と言われたくない生産者が、ちゃんと注意するようになる。
基準値というのは、そういう側面があるんだ。

 まぁ、色々書いてきたけれども、こと「基準値」に関して言うならば
「基準値オーバー」と「健康に影響はない」は、いとも簡単に両立するってことだ。

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 さて、放射能による汚染についても、簡単にふれておく。
現状で、水や食品による健康被害はきわめてありそうにない
量的にも(健康には)さほど問題ない上に、行政から出荷停止やら、乳児に注意やら、
相当に安全側に配慮した取り扱いがされているため。

 むしろ、不安を煽ることによる健康被害はあるかも知れない。
現状でも放射能による健康被害よりも、
それを恐れる心理状態の方が、はるかによろしくないだろう。

「安全だ」という情報は伝わりにくく、「危険だ」という情報は伝わりやすい。
安全と安心は違う、という話もあるし・・・。

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