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モル(mol)とベクレル(Bq)の関係

 報道は落ち着いた気もするが、「ベクレル」という単位が
毎日のように言われていた。

 水道水中の放射能をあらわす単位だったり、食品中のものだったり。
数百ベクレル、ならともかく、原発から出た量ともなると、
「数十万テラベクレル」というわけ分からんくらい大きな数字になる。

 なんで、そんなに大きな数字になるのか?という話。

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 1ベクレルは「1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量」である。
「1つの原子核」ってのがすごいところだ。ある意味、原子の数を数えている訳で。

「モル」という単位を知っている人はどれくらいいるだろうか?
高校の化学で初めて出てくる単位なんだが・・・。
「モル」で挫折して化学が嫌いになった人もたくさんいると思う。w

 ようは、分子(や原子)の数を示す単位である。
NaCl(塩化ナトリウム)なら分子量が58.5.

塩化ナトリウムが58.5gあると、そこに塩化ナトリウムの分子が1molある、と表現する。
(分子じゃねーだろ、という細かい突っ込みは無視する。)

 で、1molってのが、アボガドロ数なんだが・・・

約6.02x10の23乗。つまり、

約602000000000000000000000個

えーっと、6020垓(がい)個?

垓ってのは、兆の次の次。億、兆、京、垓。1垓は、1兆の1億倍だ。
ようするに、「原子の数は桁違いに多い!」ってことだけ分かればよい。w

ベクレルは、まさに「崩壊する原子の数」を数えているので
すさまじい数字になるってこと。

テラ、はキロ、メガ、ギガの次なので、たかだか1兆。10万テラベクレルといっても、
10万x1兆で、10京。6020垓の100万分の1にも満たない。

 たとえば、ヨウ素131は、原子6020垓個あって、やっと131グラムだ。
重量や体積で考えると、本当に少ない量なんだが・・・。

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 ベクレルが異様に大きな数字になってしまうのは、
原子の「個数」を数えているため。
即ち、アボガドロ数や「mol」という単位と深いかかわりがある。

 放射線はそれほど少ない量でも甚大な影響を与える、ということでもあるが、
逆に考えるとそれほど少ない量でも放射線なら検出できる、ということでもある。

例えば、アメリカやイギリスでも、今回の原発事故由来の
放射性物質は検出されている。もちろん、健康に影響が出るような量では全くない。
「それだけ、検出機器が優れていると思って欲しい」というのが当局のコメントだ。

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