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放射線被爆に関する意見

 産業医科大学の放射線衛生学講座が、
「一般向け緊急被爆ガイド」というものを発表している。
pdfファイルだけれども、ネット上で簡単に読める。

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http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/hosyaeis/hibakuguide.pdf

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 わかりやすいとは思うんだけれども、
果たして、放射線の不安を取り除くことができるかどうか・・・。
私もそうだけど、無力感にさいなまれているんじゃなかろうか。

 何言っても、「科学者の言うことは信用できない」って言われるし。
じゃぁ、科学が分かっているかっていうとそんな訳もなく。
もう、どうしろと?

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 さて、このガイドは私から見てもかなり「安全より」に書かれてある
「被爆量100mSv未満で、今までに健康への影響が観察されたことはない」
「100mSvでも、1回で100mSv被爆するのと、1年かけて被爆するのでは、
 後者の方がはるかに安全である」

「1年で累計100mSv被爆したとしても、健康被害はない」

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 んー。でも、私もどちらかというとそう考えているんだよなぁ・・・。
科学の立場を尊重するならば、それが正しいと思う。
でも、事は重大であるし、万一にも子どもに影響があってはならない
なので、できるだけ安全より、安全よりに規制しているんだけれども、
それでも、見る人が見れば「国は何をしてるんだ?」となるんだからなぁ。

 私自身の考え方も、むしろぶれているように感じる
以前ならば、この「ガイド」を見て「これがスタンダード」と思ったはずだが、
今みると、「ちょっと安全よりじゃないかな?」と思ってしまうあたり。
どうも、世論に流されているようだ。w

 科学なんてものは、世論とは無関係に存在するべきものだと思う。
古くは、ガリレオ・ガリレイのように。

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 ガイドによって、改めて確認できた事項を箇条書きにしておく。

セシウムによる健康被害の報告はない。

 内部被爆で問題になったのはヨウ素による甲状腺がんの増加のみ。
セシウムは基準こそ設定されているが、健康被害が報告された例はない。

核医学検査に用いる全身被爆量は、かなり大きい。

 甲状腺シンチで、ヨウ素123を3.7メガベクレル使用する。
食品中からの被爆量なんて問題にならんくらいの大量被爆だ。(汗)
もちろん、その被曝量よりも、検査の方が有用と考えられるからこそ、
検査するんだけれども。

放射線被爆による遺伝への影響はない。

 被爆者で奇形率が上がったというデータはない。
なんか、勝手にそう思い込む人が多いみたいだけれども。
ヒロシマやナガサキでちゃんとデータ取っているし。

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 つーか、これらがすべて事実なら、何の対策もいらんと思うぞ。w
ヨウ素は半減期が短いから、現状ほぼ何の問題もなくなっているし、
セシウムは半減期長いけど、健康被害が報告された例がないってんだから。

 実際にそうならないのは、やっぱり「より、安全に」と考えるから。
「そうはいっても、そうじゃない可能性も考えられる」から、
リスクを勘案しながら、規制を進めているわけで。

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 ヒロシマやナガサキが、その後どうなったかを考えれば、
この「なーーんも対策なし!!」というのも、手段の一つとして
考えられんこともないか?

 なまじ情報化社会が進んでいるだけに、これだけの問題になってしまった、
とも言えるかも。
チェルノブイリですら、放射線の被害は実際の健康被害よりも、
「放射線に被曝してしまった」ことによる精神的な影響の方が大きい
なんて話もある。(投げやりになるとか)
 
 いわんや、日本では。
数ベクレル程度なら、さくっと無視するほうがはるかに健康的だろう。

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('10~)コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントありがとうございます。「安全安全」あるいは「100mSv以下は何も起こらない」と書きすぎて、一部twitterでは批判があるようですが(もちろん反原発派やしきい値なし直線仮説を強固に信じている人)、科学的データを示しているので、何とか一般の方に放射線の危険性がどれくらいのなのか理解してもらいたいものです。今後もスライドは更新していきますので、ご意見よろしくお願いします。

投稿: スライド作成者 | 2011-07-09 07:25

 よもや、作成者さんからコメントいただけるとは。
ありがとうございます。

 本文中でも書きましたが、
このご時勢で、ぶれずに安全なデータを示し続けるのは、
なかなか大変だと思います。
 かといって、世論に迎合してしまうわけにもいきません。

 責任ある先生方が、しっかりとしたデータを元に
安全性を説明してくださるのは、ありがたいです。

投稿: kitten | 2011-07-09 22:30

福島の小児科の先生の「ひまわりの種」と言うブログでもリンクしてもらいました。それが縁で先日講演に行ってきました。まさか呼ばれるとは思ってもなかったので、ブログって良いような怖いような。今そのブログは、いろんな意見の方がいて、反響が大きかったです。これは一種の炎上ですかね。

私も責任持ってスライド作っていきます。

来週は原発に行って、労働者の健康管理に行ってきます。

投稿: スライド作成者 | 2011-07-09 23:42

こんにちは、私も薬剤師です。
私はかなりおばはんなんで、77年勧告で放射化学を習いました。
昨日たまたま開業医の先生のブログで産業医の~を拝見しましたが、私もちょっと安全って言いすぎかな?と思ったので少し洗脳されているのかも知れません。
たぶん福島の先生のブログだったのでそれを見たのかも知れません。
私はやはり悩んで鬱になることを心配します。でもそれを口に出すと怒られるんですよね、難しいですね。
77年勧告でしきい値なし仮説が採用される時、反原発学者に利用されるのでは?とか風評被害を生むのではないか?と言う反対の声があったとどこかで読みました。
これが本当だとするとその通りになっている気がします。
今はネットで情報が流れますから、止められないですね。勝手に自分で都合の良い数字を拾って来て如何にも危険なようにグラフを作ったりするので手が込んでます。
それが子供を守る会などのHPで堂々と紹介されている辺り、これでいいのか?と疑問に感じます。
気になるならいつもより念入りにお掃除するとか念入りに野菜洗って食べるとか出来そうなことだけして後は余りきにせず過ごすのがお子さんの為にもいいと思うのですが。

投稿: まある | 2011-10-26 18:07

>まあるさん

 コメントありがとうございます。
・・・77年って私が生まれた年ですね。w

ICRPは、もともと相当に「安全より」なんですよね。
日本では、それでも甘いという声がありますが。

「市民のための環境学ガイド」の安井先生が、
その辺をわかりやすく解説してくれています。

http://www.yasuienv.net/ICRP-ECRR.htm

「気にしすぎること」によるリスクってのもあるんですが、
それを言ってもやっぱり怒られそうですね。
特に、原発から遠い人が言うと。(汗)

投稿: kitten | 2011-10-27 21:43

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