情報が公開されているので
民主党新代表とか、新しい首相とかはほったらかし(そのうち書く)で、
このニュース。
以下、一部引用
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東京電力は30日、福島第1原発で作業に携わっていた40代の男性
作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が0.5ミリ
シーベルト、内部被ばく量は0ミリシーベルトで、松本純一原子力・立地
本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」と
説明した。
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引用終わり。
原発での作業との因果関係はない、ということだ。
これは、「因果関係があるかどうかわからない」ではなくて、
はっきり、「ない」と断言できるレベルということ。
過去の勤務歴はさておき、今回の話で言うならば、
なくなられた方は8月上旬に1週間程度勤務しただけ。
被曝量は、全く問題にならない程度だ。
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なぜ、因果関係が「ない」と断言できるかについては、
医師のnatrom氏のブログに詳しく書いてあるので、
そっちを見てもらうほうがよっぽど早い。
「今回報道された急性白血病と福島原発作業の因果関係は?」
(NATROMの日記 2011-8-30)
つーか、先生、仕事早すぎだ。w
これは、こっちでは解説しない。読んでもらう方がいいから。
私が書くと、「そんな被曝量で何もおこらない」で終わってしまうが、
さすがNATROM先生。「東電がウソをついていた場合」まで考えてる。
結論を言えば、「どんな被曝量でもありえない」ってことかな。
ようは、放射線被曝から白血病発症までのタイムラグがなさすぎ。
通常、早くて2年かかる、ということだ。
(厳密には異なるが)潜伏期間と思ってもらったらわかりやすい。
例えば、何らかの事故でC型肝炎に感染するようなことがあったとする。
その1週間後に肝臓がんが見つかったとして、
「感染とがんは関係あるのか?」という話だ。
C型肝炎に感染してから肝臓がんに至るまでは、年単位(数十年単位)で
時間がかかる。それは、「無関係である」という結論になるだろう。
今回の話も似たようなものだ。
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で、NATROM氏が言うには、
「数年後から十数年後には、今回とは違って、本当の「因果関係は不明」
という事例が発生します。」
ということ。確かにそうなる。
今回は「因果関係はありえない」だが、数年後に同じ状況であるならば、
「因果関係はわからない」になる。
「少なくとも、絶対に無関係であるとは言えない」だな。
こうなった場合の対処法を、今から考えておく必要があるだろう。
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で、私の感想。
「一応、東電も隠しちゃいけないことは認識してるのね。」
だって、(数年後におこる例と異なり)因果関係がありえない事例。
事故と無関係なことは断言できるわけだから、
「何の報告もしない」という判断もできたはずだ。
でも、ここで報告しなかったことが後から発覚するほうが、
まずい事態になる可能性がある。
(隠蔽だのなんだの言われるかも。)
だから、早めに公表したんだと思う。
もちろん、公表した結果、「アンチ東電」のごく一部の連中が
「因果関係があるんじゃないか?」と騒ぎ出すのはわかってたはず。
それでも、公表に踏み切ったことを、私は評価したい。
情報が公開されているからこそ、こういった話もできるわけで。
正直、これくらい隠してたって何の問題もないと思うけどね。
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蛇足ながら追記。
普通、白血病やがんになる原因って、わからないもんだよ。
「放射線じゃないなら、原因は何?」って言われても困る。
がんになる原因は、ひとつじゃない。さまざまな要因が複雑に絡み合った
結果。しかも、多分に「偶然」が作用する・・・。
がんや白血病で亡くなる方は多くいるが、
そのほとんどが、「なぜがんになったかはわからない」はずだ。
今回の事例も、そういった事例の一つにすぎないだろう。
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