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母乳育児の問題か?

 ニュースより。

MSN産経ニュース

「完全母乳育児で脳障害」 損害賠償求め国訴え

http://sankei.jp.msn.com/region/news/111027/myz11102702260000-n1.htm

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以下、一部引用

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宮崎県南部の民間病院で一昨年生まれた女児が重度の脳障害を負ったのは、
母親と赤ちゃんを一緒に寝かせる「母子同室」や赤ちゃんに母乳のみを
与える「完全母乳栄養法」を試み経過観察を怠ったのが原因だとして、
両親が26日、病院側と母乳栄養法を推奨する国を相手取り
計約2億3千万円の損害賠償を求めて宮崎地裁に提訴した。

訴状によると、同病院は完全母乳栄養法などを積極的に実施。
母親(35)は帝王切開による出産約1時間後から女児と
2人で病室のベッドに寝かされた。女児は泣き止まないため、
一時新生児室に預けられたが、大半の時間は2人きり。
看護師らの定期巡回はなく授乳についての指示もなかったという。
女児は出生約12時間後に心肺停止となって蘇生措置を受け、
現在も自発呼吸ができず寝たきりになっている。

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引用終わり。(強調は引用者による。)

 なんとも、悲しい事故だと思う。
生まれたばかりのわが子が、いきなり重度の脳障害と言うのは、
やりきれないだろう。

 でも・・・、これ病院はともかく、国を相手に訴訟ってのは
ちょっと違うんじゃないか??と思った。

 病院の措置は、明らかに問題があるように見える
帝王切開後、1時間で母子を放置するってのは、尋常じゃない。
 完全母乳栄養法って・・・よくわからないけれども、
母乳以外は全く認めないってことだろうか?
国がそんなものを勧めているとはとても思えないんだが。
(母乳を勧めているのは確かだろうけれども、
 いかなる場合でも母乳しか認めないなんてことはないだろう。)

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 問題となるのは、「母子同室」でもなく、「完全母乳栄養法」でもない。
単に、「経過観察を怠った」ことにあると思うんだけど、
この認識は間違っているのか?

 経過観察をしっかり行っていれば、このような不幸な事例は
防げたんじゃないだろうか?

.

 他の情報によると、実はこの事例はカンガルーケアも行われていたらしい。
カンガルーケアも、最近では「リスクがある」みたいに言われることがあるが、
それも、少しずれているように感じる。

 ようは、「カンガルーケア」の問題というよりも、
生まれてすぐの母子を二人きりで放置してしまうことが問題なのであって。
ちゃんと医療スタッフが周りにいれば、それほど問題だとは思えない。
(もっとも、帝王切開後のカンガルーケアは無謀な気もするが。)

 医療側が、カンガルーケアを言い訳にして人員配置をケチっている、
というのであれば、大いに問題だと思う。

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 ・・・それ以前に、産科の人手不足自体が最大の原因で、
母乳栄養法も、カンガルーケアも、関係ないって可能性も
大いに考えられそうだ。

 もっとも、そう考えれば国を巻き込むことに意味がないとは言えないかも。
私は、今後も現在の母乳の勧めを改める必要はあまり感じないが、
産科の人手不足を解消して、より安全にお産が出来る体制にする必要性は、
大いに感じる。
 その意味で、この病院だけの問題ではないと思う。
おそらく、国の責任は認められないと思うが、
何か、国にも根本的な改善策を考えてもらいたい。
それは、国にしかできないだろうから。

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コメント

過去の記事にコメントしてすみません。

産後すぐから母と子だけにするのは最近のbaby friendly hospitalでは当然のことになっています。
それは母乳育児成功の10か条というWHOやユニセフ、厚生労働省や助産師会、日本母乳の会が進めている方針があって、産後すぐの母子同室にすることを誓っているからです。

人手不足かどうかは無関係のように感じます。現に、私の病院では十分な人手がありましたし、もし人手が足りなくて十分な見守りができなければ、そもそもカンガルーケアや母子同室をやってはいけないはず。

問題は、産後すぐに母子だけにするという危険なことを、母乳育児のためといって何の疑いもなくやってしまう医療者のレベルの低さと、危険情報を正しく広めてこなかったWHO、ユニセフ、厚生省や母乳の会、助産師会などです。

病院スタッフは方針に従っているだけですから、危険という認識が全くありません。もしくは組織に逆らえません。

母乳がいけないというのではなく、母乳育児を成功させるための脅迫観念があるから事故になるのです。

助産師会や新生児学会では完全に事故をスルーしていますが、それは事故を認めてしまうと全国に被害者が多すぎて収集がつかないからです。(そのため産科医療補償制度というものが用意され、病院の責任が問われない仕組みになっています。)
しかも、BFHは今や全国にありますから、残念ながらそこで生むことになったお母さん達は母乳育児の脅迫から逃れる術がないのです。

私もBFHで出産し、産後で疲れ切って何も考えられない状態での授乳を強制されて、胸の上に置かれた赤ちゃんは窒息状態で心肺停止になり今も植物状態です。同じような方の体験記を読むとやるせないです。

投稿: 雪母 | 2015-08-28 00:05

>雪母さん

 コメントありがとうございます。
3年前の記事ですが、今とは少し状況が違っていますね。
今では、カンガルーケアの危険性についての情報も
かなり出回っているように思います。
 産科の人手不足は、当時(もっと前)から叫ばれています。
私の娘は9年前に産まれましたが、
産まれてからかなりの時間(それでも2,30分でしょうが)
分娩室に親子で放置されたのを覚えています。
特にカンガルーケアとかはやってなかったんですけどね。
父親(私)もずっと一緒にいたから、何かあればすぐに私が
動くだろう、と思われていたのかも知れません。

 そういう経験があったので、こういう記事になってます。
カンガルーケアや、母子同室でなかったとしても、
出産後間もない母子を放置する、というのはよくないです。

投稿: kitten | 2015-08-31 00:03

お返事頂きありがとうございます。

>産後間もない母子を放置するのはよくない
本当にそうですね。
母乳育児成功の10か条をベースにした病院では、母子同室といって母親に新生児の観察を丸々任せ、その場合何かあったときの責任は母親に負わせられますが、産後の母親は知識も観察力も医療者に比べて劣り、ましてや産後は母親といえども体力も集中力も落ちていて通常の状態ではありません。
産後の母親に観察を任せるという発想がおかしいのです。
母親は病院がまさか危険を進めているとは想像もしませんし、危険と分かっても他にどうすることもできませんから、事故が起こるのは容易です。

カンガルーケアも早期皮膚接触と名を変えていますが、元気だった赤ちゃんが胸の上で亡くなっていくのを推奨することと同じです。

にも関わらずそれらを勧めているのが WHO、UNICEF、厚生労働省、助産師会、新生児学会などです。

アメリカでは費用が安い軍病院などが赤ちゃんに優しい病院に認定され、コスト削減のための母子同室が歓迎されている実態もあるといいます。
その結果やはり突然死や落下による頭蓋骨骨折や窒息による事故が相次いでいるようです。
日本も実はそうなのでは…と心配になります。
(日本は保険制度も人材育成制度もそもそもが違うし、現に分娩費用も新生児管理料も相当な額を取られたのですが)

日本は多忙な状況を日々の医療者の努力で補っている一方で、あえて早期皮膚接触(カンガルーケア)や母子同室というあえて危険を伴うことを導入し、スタッフの努力を台無しにするのは更に理解しかねます。これはBFHに限ったことですが。

安全のための人手がないなら、いくら理想的でも「危険をおかしてまではやらない」としてくれた方がどんなに赤ちゃんにも母親にとっても良いか。

日本の母乳ビジネスの方々からすれば母親の責任にできる現状は実に都合が良いでしょうが、多くの赤ちゃんが犠牲になっていることも忘れてはならないと思います。

投稿: 雪母 | 2015-08-31 12:06

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