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バナナ1本0.1マイクロシーベルト

 世の中には、バナナで放射線の強さを表す人がいる。

 どこで見たか忘れたけれども、斬新なネタだなぁ、と思っていた。
ところが、wikiで調べてみたらすでに項目が存在していて、びっくりした。w

バナナ等価線量」(ウィキペディア)

以下、一部引用

.

バナナ等価線量とは、一本のバナナを食べたときに受ける線量を表す単位
であるとされている。

バナナ100gあたりのカリウム含有量は360mg。
カリウム1gあたりのカリウム40(天然存在比0.0117%、半減期12.8億年)は30.4Bq。
カリウム40を経口摂取したときの実効線量係数は6.2×10-9Sv/Bqである。
したがって、可食部分が150gと大きめなバナナ一本を基準とすれば、
これ一本を食べたときの実効線量が約0.1μSvとなるため、
指標として利用しやすいというのである。

.

 引用終わり。

バナナはもともと自然放射線の多い食品で、
一本で0.1μSvに相当するよ、という話だ。

 もっとも、リンク先を見てもらえればわかるけれども、
この評価方法は、非常に問題が多い
体内のカリウム濃度は基本的に一定なので、バナナでカリウムを多めに
摂取すれば、その分は尿中に排泄されるわけだから、
「バナナを食べたからといって、その分多くの放射線を受ける」ということは
考えなくてもよい、ということだ。

 じゃ、なんでこんな指標があるのか、というと、
放射線って、結構身近にあるんだよ」という感覚を身に着けてもらうため。
もう一つ、食品その他の放射線量は、自然に受けている放射線と比べて
どの程度のレベルにあるのか、を比較するため。

 ウィキペディアの記述によると、成人男性で、カリウムや炭素などにより、
常時6000-7000Bqの自然放射線を体内に含んでいるとのことだ。

 体重を60kg-70kgとすれば・・・
何もなくても、人間の身体は100Bq/Kg程度の放射性物質を含んでいる、
ってことで。

 厳密には、カリウムや炭素とセシウムでは実効線量係数が異なるので、
身体に対する影響は一概にどう、ということはできないが・・・。
ずっとでは困るが、たまに「500Bq/Kg」程度の放射性物質が入る分には、
それほど気にする必要はない、くらいは言えるんじゃないかな?

.

 もうひとつ、まぁ、これもおとぎ話みたいなもんだけど。(厳密には違うから)
たいていの場合、食品中の放射性物質よりも、食品そのものの方が
問題になるよってことでもある。

 バナナの放射線によって、なにか健康に悪影響がでるよりも、
バナナの食べすぎで体調不良を起こすほうが圧倒的に早い、ということ。w

 行政のチェックをすり抜けてくるようなわずかな放射性物質を気にするよりは、
日々の食事のバランスを気にするほうがよい

.

 過去に、関連した話を書いているので、一応リンクしておく。

牛肉のセシウム汚染を計算してみた。」(2011/7/29)

小出裕章氏の見解」(2011/7/2)

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