ユニフィルLA200mg 2錠 分2
久々の疑義照会実例。
<処方実例>
ユニフィルLA錠200mg 2錠
分2 朝食後と寝る前 28日分
(他、多数あるが省略)
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他、多数は、7,8種類あったかなぁ。(汗)
本筋と関係するのは、基本的にユニフィルだけなので、省略。
もちろん、これ単独でも疑義照会の対象になりうる。
ユニフィルは、1日400mg服用するときであっても、
「1日1回夕食後」が基本だから。
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これは、この薬がテオフィリンの徐放剤であるため。
それも、かなりゆっくりと放出する。
Tmaxが実に12時間である。
(服用後12時間後に最高血中濃度になる、という意味)
テオフィリンは、気管支拡張剤、つまり喘息の薬だ。
喘息というのは、明け方にもっとも症状が悪化する。
(これは、体内リズムの関係で、そうなる。)
ユニフィルという薬は、夜に服用して、明け方に効かせよう、
というコンセプトで設計されている訳だ。
それなのに、わざわざ1日2回に分けて服用することはないだろう。
もっとも、「絶対にダメ」という訳ではないんだけれども・・・。
テオフィリンはテオフィリンだから、分2でも、それほど問題ない。
例えば、「これでずっと服用している」という患者さんなら、
もう、そのままでやってしまってもいいかも知れない。
.
ところが・・・。この患者さんの薬歴を見てみると、
3ヶ月前には、「テオドール錠200mg 2錠 分2 朝食後と寝る前」が
処方されていた。その後、しばらく音沙汰なく、今回は久しぶりの来局。
それで、なぜかユニフィルに変わっていたのである。
テオドール錠も、テオフィリンの徐放製剤だけれども、
こちらはTmaxが6時間程度。
この薬は、「1日2回、朝食後と寝る前」が基本だ。
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ようするに、テオドール分2を、同じ量のユニフィル分2に変更する、と。
そんなことはまずあり得ない。
ユニフィルの用法が間違えているか、それともユニフィルでなくてテオドールか。
で、疑義照会したところ、
「ユニフィルLA錠200mg」→「テオドール錠200mg」に変更になった。
.
じゃ、医師はなんでこんなことをしたのか?
これは、「前回の来局が3ヶ月前」というのがヒントになっている。
空白の2ヶ月間だ。
患者さんに確認したところ、予想通りだった。
(喘息ではない)他の病気により、他の病院に入院していた。
それにより、薬が変わった。
また、元の医院に戻ったときに、入院中の薬を出してもらった、と。
つまり、入院先の病院で、テオドールをユニフィルに変えられた訳だ。
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病院には、採用薬の都合ってもんがあるのだろう。
テオドールを採用していなかったから、近い(というか、成分的には同じ)
ユニフィルに変更した、という訳。
よく見れば、他にもころころ薬が変えられていた。
これは、入院した病状によって薬が変わったのか、
単に採用薬の都合か、よくわからんかったが。(苦笑)
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まぁ、テオドールをユニフィルに変えても、大したことはないから、
(逆をやったら、結構問題かも知れないが。)
それほど目くじらを立てる事はないのかも知れないが。
ひょっとして、病院の医師(あるいは薬剤師)が、
テオドールとユニフィルの違いを把握していなかったのかも。
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それは別として、病院の採用薬の都合ってのは、何かと面倒だ。
院内はともかく、院外処方せんなら、患者さん(と、行きつけの薬局)が
OKを出せば、何出してもいいと思うんだけどなぁ。
病院が変わるたびに、
オイグルコン錠2.5mg2錠→ダオニール錠2.5mg2錠→ダオニール1.25mg4錠
と、変更していった患者さんがいた。
成分、用量は全部同じ。メーカーが違うだけだ。w
また、「チラーヂンS錠25 4錠」の備考欄に、
「50μ 2錠でも可」と入っていたこともあった。
(患者さんの強い希望があったが、採用薬の都合上、
処方箋はそういう形にしかできなかったそうだ。)
.
もう少し、薬局側に裁量が欲しいなぁ・・・。
「粉薬苦手なんやけど」という患者さんのシナール顆粒やカマグを、
錠剤に変更することすらできない。
単に「病院が採用していないから」という理由だけで。
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もっとも、あまりにもフリーダムに処方箋を書かれると、
それはそれで困る、ということもあるんだけど。(苦笑)
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